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国保 都道府県化へ大転換期を迎えた情勢と運動〔メモ〕

 「議会と自治体」2016.4 寺内順子さん〔大阪社保協〕の論稿のメモ
 
 今年度、県議会で、地域医療構想とセットで大きなテーマとなる「国保都道府県化」。
 そのための作業の一環としての備忘録。

【国保 都道府県化へ大転換期を迎えた情勢と運動】

「議会と自治体」2016.4 寺内順子・大阪社保協

◆都道府県化の目的

・2018年度より、国保の保険者が都道府県と市町村に。大きな転換期を迎えた
・国保の実務〔賦課、徴収、給付や健診など〕は市町村。都道府県が財政を担う
・都道府県化の真の目的~ 医療費削減の道具にするため
→ 医療介護総合確保法〔14年成立〕…都道府県に「地域医療構想」の策定を義務付け/医療供給体制の整備と一体で、国保財源を握ることで「医療費適正化」を進めるもの

◆都道府県が「財源を握る」意味

・県に国保会計ができ、市町村に入っていた歳入のほぼ全てが、県会計に入ることになる
・県と市町村のお金の動き… 事業費納付金〔市町村から県〕、保険給付費等交付金〔県から市町村〕のみに
~例外として、基盤安定化部分〔軽減分 県3/4、支援分 国1/2、県1/4〕は、国、県より市町村の一般会計へ入り、市町村国保会計へ市町村負担分含めて繰り出し。

〔? 財政安定化支援事業も8割が交付税措置され、市町村の一般会計に手当て。そこから繰り出しとなる〕

→ 市町村への賦課と交付を、県が「医療費適正化」の成果にあわせて調整できるようになればどうなるか。
~ こうした「仕組み」を内包している。

◆ガイドライン案が示すもの

・「都道府県国民健康保険運営方針策定要領(案)」(ガイドライン案)の公表  2016/1/18

~ 都道府県の行う4つの業務
①17年度中に「国保運営方針」を、市町村と協議のうえで策定
②医療給付費見込み、所得を加味した1年分の「事業費納付金」を決定し、賦課
③国の提示する「標準的な保険料算定方式」により、県の標準保険料率を算出した上で、さらに市町村毎の標準保険料率を出す。/市町村は、この標準保険料率を参考にして、保険料率を決定
④県は必要な保険給付費を市町村に支払い、さらに保険給付の点検を行う

(1)都道府県国保運営方針
・ガイドライン案~県と市町村が「一体となって」、国保の事業・事務を「共通認識の下」で実施するとともに、市町村が事業の広域化や効率化を推進できるよう「都道府県が県内の統一的なな運営方針を定める必要がある」

→ この運営方針は、市町村が独自裁量で実施してきた保険料の賦課、保険業務に関わるルールを、“統一するのか、個別でいくのか”を定める「最大の肝」の部分

→ただし、ガイドライン案は「技術的助言」であり、法的義務ではない。

・「国保運営方針」で定める事項(①-④ 必須事項、⑤-⑧ 任意事項)
①医療に要する費用及び財政の見通し
②市町村の保険料の標準的な策定方法に関する事項
③市町村の保険料徴収の適正な実施に関する事項
④市町村の保険給付の適正な実施に関する事項

⑤医療に関する費用の適正化の取り組みに関する事項
⑥市町村が担う国保事業の広域化及び効率的な運営の推進に関する事項
⑦保険医療サービス及び福祉サービスに関する施策、その他の関連施策と連携に関する事項
⑧②~⑦に掲げる事項の実施のために必要な関係市町村相互の連絡調整、その他県が必要と認める事項

・策定の手順
①市町村等の連絡会議における関係者間の意見交換・意見調整
②①を踏まえて作成した国保運営方針案について、市町村への意見徴収を実施
③都道府県の国保運営協議会における審議と諮問・答申
④知事による運営方針の決定
⑤運営方針の公表
⑥運営方針に基づく事務の実施状況の検証
⑦運営方針の見直し(3年毎が望ましい)

~ なお、パブコメは、実施する必要ない、としているとのこと。

★事業費納付金

・納付金 ~医療分、後期高齢者支援金分、介護納付金分を別々に計算する

*医療費分の考え方
①前期高齢者交付金、定額国庫負担など公費等の見込みを差し引き、集めるべき県全体の納付金を算定
②その納付金を、年齢調整後の医療費水準、所得水準で調整
③審査支払い手数料、財政安定化基金の返済分の加算などをし、各市町村の納付額を算定

(? この際、地方単独事業による調整交付金等の減額を、県と市町村でどう分担するか)

④この納付金をベースに、県が市町村毎の標準保険料率を計算
⑤市町村は、標準保険料率を参考に、保険料を賦課し、県へ、100%納付が義務づけられている。

・医療費調整…5歳毎の全国平均一人当たり医療費を、各市町村の年齢構成に当てはめ、一人当たりの医療費を算出~ つまり、全国平均と同じと仮定した場合の医療費の算出

★標準保険料率
 
 県は「都道府県標準保険料率」「市町村標準保険料率」「各市町村の算定基準にもとづく標準保険料率」を提示

①都道府県標準保険料率
  全国統一の算定基準にもとづくもの。「所得割」「均等割」の2方式で示す

②市町村標準保険料率
  県の統一算定方法による市町村ごとの保険料率

③各市町村の算定基準にもとづく標準保険料率
  現行では、4方式(資産割、平等割)、3方式(平等割)、2方式がある。
4方式が圧倒的に多い。それぞれの市町村の方式にもとづき保険料率を示す

◆都道府県統一保険料率にも踏み込む

従来、国は、③により、各市町村が保険料を算出すればよい、と言っていた。が

「ガイドライン案」では「統一保険料率」にも踏み込んでいる
~ 厚労省「市町村職員を対象とするセミナー」(2/2) 国保課課長補佐
「医療費格差が大きい場合は、原則として医療費水準に応じた保険料率とならざるを得ないと思っている。ただし将来的には地域の実情を踏まえつつ、都道府県で一本化した保険料率をめざすこととなる」(国保実務2/15号)

★「統一料金、統一サービス」の流れが必ず起きる

★市町村独自の法定外繰り入れは

・「これまでどおり、市区町村の裁量でできる」と明言してきた

・が、「ガイドライン案」の「財政収支の改善に係る基本的な考え方」では・・

「決済補填等を目的としたもの」は、「解消又は削減すべき対象としての法定外の一般会計繰入」
~ 介護保険の法定外繰入禁止の3原則と同様に、「禁止」ではないのに、繰入拒否する自治体が出てくる

→ 問題は、国保料が高すぎる点にある。ガイドライン案は「技術的助言」であり、法的に禁止はできない。
/都道府県の運営方針に、盛り込ませないことが重要

◆18年度、都道府県化にむけた運動

①スケジュール
・電算処理システムが今秋、都道府県に提供される。それ以降、納付金、標準保険料率の試算が可能に。
・16年度後半の県議会で、運営協議会の条例制定、年度内に運営協議会設置

②15年度に財政措置された「保険者支援」分1700億円
・各市町村への算定額が明確になったのは、後半なので、15年度当初予算に反映していない。
・昨年度分、今年度分が、「保険料の抑制、低減」に使われているか ~ また、その分、これまでの法定外繰入が削減されていないか、チェックする

③市町村の基金について
・全国的には黒字が多いとのこと〔県内は赤字が多数〕

・都道府県に財政安定化基金が設置される
~ 市町村が基金を蓄える必要が希薄に~黒字なら取り崩しを/ 政府は18年度までに方向性を出す

④ ガイドライン案は、「国保の構造的問題」~「保険料負担が重い」ことに、一切言及していない
  3400億円の財政措置は、全国の法定外繰入3900億円(13年度)より少ない。
  これまでの繰入を維持しつつ、3400億円の財政措置を生かさないと「重い負担」の改善にはらない。

⑤ 地域の実態をよくつかみ、安易な「平準化」「標準化」「統一化」を許さず、よりよい制度に

 「高すぎる」という本質的問題とともに(以下、メモ者)

 ・窓口負担の問題(低所得者対策/ 入院については制度をつくれば、1/2を特交で見る )
 ・保険料を払えば、保護基準を下回る境界層の措置がない(介護保険にはある)
 ・少子化対策に逆行~ 均等割の問題 /多数世帯ほど、簡単に限度額となる問題
 ・生活を脅かすような徴収の仕方の問題
・地方単独事業へのペナルティー分 
額としては高知では、重度障害者医療分1/2、子ども分1/4、一人親分1/4の割合
 ・休業補償の問題

 など・・様々ある

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