熊本地震 元「慰安婦」の寄付、在日中国人が支援~中韓の反応
どの国にも、偏狭なナショナリズムの連中はいる。そんな輩の言動より、様々な問題を超えて、自然災害の前に、連帯している姿、理性の声を知らせるし、知る努力が必要と思う。
北東アジアで、災害時の協力体制をつくることが、一番の安全保障対策と思う。東日本大震災では、中国も病院船の派遣を日本政府に打診した(日本政府が、岸壁が損傷してるいと、断ったが)。それぞれ国民に感謝や共感の心が育まれるのが、「ナショナリズムの暴走」を抑える上で、重要である。
以下のような内容が報道されている、ことは押さえておきたい。
【自衛隊が中国国民救出 駐福岡中国総領事が謝意表明】
【在日中国人が自発的に支援グループを組織し、熊本の被災地へ】
【元従軍慰安婦の女性たち、熊本地震に寄付「私たちは日本国民と争っているのではない」WoW!Korea4/21】
【熊本への慰問メッセージに見る、今必要とされる愛国とは?人民網4/18】
【記者手帳 熊本地震、韓国人に問われる「真の克日の道」朝鮮日報 4/19】
【元従軍慰安婦の女性たち、熊本地震に寄付「私たちは日本国民と争っているのではない」WoW!Korea4/21】旧日本軍の元従軍慰安婦の女性たちが強震被害に遭った日本・熊本地域のため、寄付を出し募金運動への参加を促した。
20日、韓国挺身隊問題対策協議会によると、キム・ボクトン(91)さんとキル・ウォンオク(89)さんはそれぞれ、日本地震被害復旧基金として100万ウォン(約10万円)、30万ウォン(約3万円)を寄付した。また、日本大使館前でおこなわれた第1227次日本軍『慰安婦』問題解決全国行動(水曜デモ)でも集まった人々へ募金参加を促した。
キムさんは「私たちは日本政府と戦っている。国民と争っているのではない」とし、「日本でも私たちを支援してくれる人が多い。十匙一飯(みんなの力を合わせれば、人を助けることができるという意味の四字熟語)で助けになろう」と述べた。この日の水曜デモでは参加者たちが日本とエクアドルの地震被害者のために黙想した。
韓国挺身隊問題対策協議会は元従軍慰安婦たちの意思を尊重し、この日から一般人を対象に募金活動を実施することとなった。
【熊本への慰問メッセージに見る、今必要とされる愛国とは?人民網4/18】九州の熊本県で14日夜にマグニチュード6.5の地震が発生し、16日未明には再度マグニチュード7.3の強震に襲われ、その規模は1995年の阪神大震災と同レベルとなっている。日本の気象庁によれば、現時点で九州熊本における連続地震の犠牲者は41名にのぼるという。未来網が伝えた。
4月15日夜、中国侵略日本軍南京大虐殺遭難同胞記念館は微博(ウェイボー)に熊本日中友好協会への慰問メッセージを掲載した。ウェイボーには「昨晩と未明に九州熊本県で地震が発生し、現在までに9名の死者と950名余りの負傷者が出ている。先の侵略戦争では、熊本出身者からなる第6師団と第106師団は中国侵略軍の主力であり、なかでも第6師団は南京大虐殺の元凶となった部隊だ。しかし今夜、我々は熊本県日中友好協会に関する話をしたいと思う。彼らは20年余りもの間、犠牲となった南京の同胞の弔問に毎年当館を訪れている。会員の桜井正実氏は先月末、当館を訪れた際、毎年12月には協会メンバーが募金を募り、南京大虐殺の生存者を日本に招き、証言集会を開いていると語った。また今回の訪中では、当館の紫金草の手書きイベントにも参加してくれた。今回、我々は日中友好協会の友人たちを心配している。友人のみなさんご無事ですか?」と掲載された。
このメッセージは掲載されるとたちまち拡散し、注目を集めた。同記念館宣伝部の于潔塵氏は取材に対し、「フォロワーが2万人未満の公式アカウントにこれほど多くの転載やコメントが付くとは予想していなかった。これは中国の多くの人々が理性的であることを示しているだろう。3月末に熊本県日中友好協会の人々が来たばかりで、半月も経たずに今回の地震が起きた。20年余り、我々は緊密に連絡を取り合っている以上、災害発生後に日本の被災者を慰問することは最低限の礼儀であると感じた。日本の政府当局が歴史を歪曲する行為に対しては常に強く抗議し続けているが、日本の民衆への友好的な態度は変わらない」と語った。
17日午前10時時点で、このメッセージの閲覧数は800万回近く、転載は2万件を超えており、「いいね!」は1万2千回、5千件近くのコメントが寄せられている。
■今、必要とされる愛国とは?
5千件あまりのコメントは、熊本のために祈りを捧げ、日本の民衆が一日も早くこの困難を乗り越えられるように祈る、日本の被災者への慰問の気持ちを綴ったネットユーザーがほとんどだ。これらの理性的な考え方と人間性は光を見るような喜びを与えてくれる。
あるネットユーザーは「我々は歴史を正面からとらえる全ての人々を尊敬し、歴史を歪曲する政府を糾弾し続けるだろう。今回の災害において、中日友好に貢献するすべての人々が無事でありますように」とコメント。
于氏は「中国侵略日本軍南京大虐殺遭難同胞記念館は開館から31年の月日を経て、100余りの国と地域の政府要人や参観者、80余りの国と地域のメディアの取材を受け入れており、その参観者数は延べ5800万人余りとなっている。なかでも日本各界からの団体が最も多い。彼らは歴史に対する懺悔の気持ちと、犠牲となった南京の同胞への弔意を示している。我々を感動させるような事が今まで無数あった」と語る。
そして「現在、日本政府は中国への侵略の歴史の存在をあやふやに歪曲したり、糊塗したりする傾向があるが、このような態度に数多くの中国の民衆と、日本の平和を愛する人々は怒りを覚えている。このような情勢において、中国に友好的な日本の民間人の存在は非常に貴重だ。日本の平和を愛する多くの人々が、天災に見舞われているのであれば、我々は彼らに祈りを捧げるべきだろう」と語った。
■「慰問」とは人として備えておくべき素養
熊本地震の発生後、一部のネットユーザーは人の不幸は蜜の味とばかり、日本がかつて中国に対し犯した罪を理由に、理知的でも人道的でもないコメントで愛国心を表現しようとしている。
あるメディアは「同じ人間として、ある民族の喜びが別の民族が天災で受けた苦しみによるものであってはならない。ある民族が別の民族からかつて奪われた尊厳を取り戻そうとする場合、それは天災にあった彼らに喝采して喜ぶことではない。このような愛国の行為は、実のところ自分の民族を動物のレベルまで引き下げるような行為だ」と評している。
于氏も「少数の非理性的な意見が、中国の大多数の民衆の声を代表することはできない。ほとんどの人々は理性的だ。天災の前には国旗も人間性の別も無い。たとえ見知らぬ人であっても、困難にあっては、同情し、助けるだろう。災害に見舞われた日本の民衆を慰問することはごく普通の人が当然備えているべき素養なのだ」と語った。
また復旦大学日本研究センターの郭定平センター長は取材に対し「日本が当時、中国を侵略した事実が存在する以上、一部の人々がある種の原因から感情的になることは理解できる。しかし、天災を前に、人々は感情を抑制する必要がある。日本の地震という不幸に喜ぶのは愛国表現ではなく、中国のイメージを損なうものであり、無責任なやり方だ」と語った。
■歴史問題を人の不幸を喜ぶ理由にすべきでない
中国で同様の災害である四川大地震が起きた当時、日本は救助隊12チームを派遣し、8ヵ所の災害地区の復興支援プロジェクトを建築して中国の救助活動を支援した。同様の災害が生じた今、中国の民衆はどのようにして理性的な愛国表現をすべきだろうか?
于氏は「災害に際し、我々は被災者と同じような心を持つべきで、これは全人類に共通した感情だ。理性的な愛国とは国に報いる行動と共に行われるべきであり、口で愛国を叫べばいいというものではない。それぞれの立場で努力し、正しい歴史観、民族観、国家観、文化観を確立し、強大な祖国建設のために自己の力を貢献することこそが真の愛国なのだと考える」とした。
また郭センター長はすでに日本研究の同僚らと各種ルートを通じて、日本の友人たちに慰問のメッセージを送ったとし、「天災を前に、被災国の人々を慰問し、心から同情を示したり、物質的な支援をすることは国際社会上での通則であり、人道主義の現れである」と取材に答えた。
郭センター長は中日間には歴史問題が存在し、日本の右翼の人々が今も中日関係を壊そうとしているが、これらの事実の存在を日本で発生した地震と一緒に語ってはならず、歴史問題を日本が地震で被害を受けていることを喜ぶ理由としてはならないと語った。さらに郭センター長は「日本の被災地の人々を慰問し、支援することは、将来の中日関係の末永い平和と友好を発展させていく上で、非常に重要な意味を持つ。中国国民は理性的な愛国心の発露に心がけ、自己の言動に責任を持つべきだ。メディアはより多くの正しく積極的で意義のある声を報道していくことで、中国人の理性的な愛国を導くべきだ」と語った。(編集TG)
「人民網日本語版」2016年4月18日
【記者手帳 熊本地震、韓国人に問われる「真の克日の道」朝鮮日報 4/19】毎日新聞の米村耕一ソウル支局長は17日、故郷の熊本に急いで行き、戻ってきた。両親に水と生活必需品を渡すためだった。米村支局長の父親は信徒約100人を抱える教会の牧師で、教会の建物で暮らしている。幸いなことに建物は崩れなかったが、飲み水さえまともに手に入らない状況だ。福岡空港に到着した米村支局長はスーパーで生活必需品を買い、車に積んだ。通常なら1時間半ほどの距離だという熊本まで、4時間以上もかかって到着した。道路上は自衛隊車両・消防車・救急車でいっぱいだった。父親は地震発生から数日間、建物が崩壊するのではと心配で車中で寝起きしたという。息子に「大きな地震が夜来るのではと思うと怖い。これから1週間は、大きな地震がまた来る可能性があるというから、みんな不安がっている」と語った。
今回の一連の熊本地震は農村部で発生、地震後に津波が伴わないため、人命被害は東日本大震災よりも少なかった。しかし、被災者は20万人に達するなど、生活の基盤があちこちで崩れている。残念なのは、大きな不幸に見舞われた隣国の人々に対し、韓国人の温かさが今回はあまり感じられないということだ。熊本地震のインターネット記事の下に付いているコメントには、目を背けたくなるほどの中傷やひどい内容が多い。
「皆さんが送ってくださった1杯のスープ、1枚の毛布が凍える体や心を溶かしてくれました。皆さんが示してくださった絆(きずな=人と人の間の情やつながりを意味する日本語)に深く感謝いたします」。2011年4月11日、朝鮮日報に掲載された全面広告の言葉だ。広告を掲載したのは当時の菅直人首相だった。1カ月前に2万人の命を奪った東日本大震災の際、韓国が真っ先に救助隊を派遣し、寄付を募ってくれたことに対する感謝の言葉だった。ありがたかったという記憶は簡単には消えないようだ。日本のテレビ番組で昨年、韓日国交正常化50周年について解説した著名ジャーナリストの池上彰氏は「韓国は東日本大震災時に真っ先に救助隊を派遣した国だった。『反日、反日』だというが、有事の際には『私たちは隣人だから』という気持ちで駆け付けてくれる関係だということを忘れないようにしよう」と言った。
安倍政権の発足以降、韓日関係が悪かったのは事実だが、だからといって人類愛まで放棄することはない。韓国政府が17日、在外韓国人の安全を図るため、たった4人の迅速対応チームを派遣したのも何だか狭量に見える。地震の現場には被災して苦しんでいる多くの人々がいる。こうした人々の支援のため、最小限の措置が必要なのではないだろうか。今回の熊本地震を見ながら、真の克日の道とは何なのか、あらためて考える。
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