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16年夏の電力心配なし 中西日本 予備率7%以上〔川内原発除く〕

 大きな要領の地域間連系線で結ばれている中西日本の今夏の電力は、予備率で7月9.4%、8月9.0%、9月10.4%で、予備力は800万kW超。川内原発の178万kWをのぞいて、7%、600万kWを超えている。
 気温や日照など天候に対する予備率は3%〔268万kW、8月〕、4%は事故などに対応〔358万kW〕。
 川内原発がなくても、100万kW級の火力発電が複数緊急停止しても対応できる〔揚水発電、随時調整契約を活用すればさらに余裕度は増す〕。
 なお、昨年より、災害等に広域対応できるよう「電力広域的運営推進機関」が活動している。

【夏の電力は今年も心配なし、原子力ゼロの関西も予備率6%台に itmedia 4/11】

◆電力システム改革の第一段階として「電力広域的運営推進機関(広域機関)」の設立され、昨年4月より運用されている。同機関は、発電事業者、送配電事業者、小売電気事業者で構成され、電気の送電網を全国ベースで系統運用するもので、電力会社が、営業エリアを超え、電力の過不足を調整して地域間で融通し合うようにするとともに、「災害等による需給ひっ迫時において、電源の焚き増しや電力融通を指示することで、需給調整を行う」ことを目的としている。
 
◆「老朽火力の故障・停止」などに対しては、広域での対応により、スケールメリットが発揮される。たとえば四電だけで100万kW分の火力停止に対応しようとすれば、供給力が500万kW台なので、予備率は20%を確保しなければならない。火力のスタンバイのための大きな費用がかかるので、大きな無駄を生む。

 実際、四電の供給力は、昨年7月638万kW、8月616万kW。12%の予備率だったが、今夏予測は、それぞれ57万、42万kW少ない供給力の確保となり、予備率を5-6%に抑制している。

【夏の電力は今年も心配なし、原子力ゼロの関西も予備率6%台に itmedia 4/11】

 電力の需要が増える7月~9月の需給予測がまとまった。需要のピークに対する供給力の予備率は全国平均で8%以上を確保できる見通しで、停電の心配が生じる3%を大きく上回る。従来は夏の予備率を3%で予測していた関西電力も6%台に改善する。節電効果に加えて新電力へ離脱する影響が大きい。
 [石田雅也,スマートジャパ

 ようやく関西電力が実態に見合う需給予測を出してきた。電力の使用量がピークになる7月と8月に2567万kW(キロワット)の需要を想定して、前年の2556万kWから微増にとどめた。一方で供給力は130万kWも減らすが(2875万kW→2745万kW)、それでも予備率(需要に対する供給力の余裕)は6.8~6.9%を確保できる見通しだ(図1)。

図1 2016年夏の需給予測。出典:資源エネルギー庁
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 このほかの電力会社では東北電力が7月に予備率4.3%を予測したのが最低で、各地域ともに3%以上の予備率を予測した。特に北海道・北陸・中国・九州の4地域では、7月~9月の3カ月間を通じて予備率が10%を上回る状況だ。沖縄を除く9地域の平均でも8%以上の予備率を確保できる(沖縄は他の地域と送電線がつながっていないために需給予測の対象外)。

 東日本大震災から5年が経過して、政府の電力需給検証小委員会は予測の手法にも改善を加えた。従来は震災前の2010年の実績をもとに、気温・経済・節電の3つの要因を加味して需要を予測する方法をとってきた。2016年の夏から新電力へ離脱する影響も含めたことで、電力会社の需要が大幅に減っている(図2)。

図2 需要(最大電力)の算出方法。単位:万キロワット。出典:資源エネルギー庁
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 離脱分が最も多いのは東京電力の577万kWで、そのために需要が12%も減少する。次いで関西電力の362万kWが多く、需要の14%に相当する規模になっている。さらに北海道でも需要の10%が新電力へ移行する想定だ。
 これだけ大量の需要が新電力へ移行しても、各地域の供給力に問題は生じない。電力会社が新電力の供給力をバックアップするために確保している分と予備率3%以上の余剰分を合わせると、新電力へ移行する需要を上回るためだ(図3)。加えて新電力が運転している100万kW級の火力発電所が東京電力と関西電力の管内にある。

図3 新電力へ離脱する需要の増加と対応する供給力。出典:資源エネルギー庁
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 新たに節電効果の予測方法も見直した。従来は各地域で節電に関するアンケートを実施して、節電対策を継続すると回答した比率を前年の実績値にかけ合わせる方法をとっている。その結果、節電による需要の減少分は前年の実績値を下回る予測になっていた。
 今年も引き続き同じ方法で節電効果を予測したが、より実態に近い算出方法を適用した需給予測も参考値として出した。すでに節電対策が定着したことを前提に、直近3年間の実績値の平均で予測する方法だ。そうすると各地域の予備率は改善する(図4)。7月の予備率が最低の中部でも5%を超える。来年の夏の需給予測には、この方法を採用する可能性が大きい。

図4 節電による需要の減少分を直近3年間の実績値で算出した場合の需給予測。出典:資源エネルギー庁
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■太陽光の供給力が2割を超える地域も

 東日本大震災の前と後で電力会社の供給力の中身は大きく変わった。震災前の2010年の夏には原子力が全体の2割近くを占めていたが、2016年の夏は九州電力が運転中の「川内原子力発電所」の2基(178万kW)だけが供給力に含まれている(図5)。

図5 震災前の2010年の夏と比べた供給力。出典:資源エネルギー庁
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 原子力に代わって増加したのは再生可能エネルギーだ。安定的に見込める供給力は全国9地域の合計で768万kWにのぼり、原子力発電所の8基分に相当する。震災前と比べると25倍の規模に拡大した。その一方で火力発電は390万kWの増加にとどまる。需要が減少して、火力発電の依存度は小さくなってきた。

 関西電力の需給予測の内訳を見ると、最近の傾向がよくわかる。2016年の夏は前年と比べて需要は224万kW減少する想定で、それに合わせて供給力も133万kW少なくなる(図6)。供給力は火力と揚水(余剰電力による水力発電)が減るほか、他社からの融通も大幅に減少する。再生可能エネルギー(新エネ)の調達量だけが82万kWから107万kWへ増加する見通しだ。

図6 関西電力の8月の需給予測。単位:万キロワット。出典:関西電力
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 北海道を除く各地域で太陽光による供給力が拡大する。最大は中部電力の162万kWで、供給力全体の2割以上を占める(図7)。中国と四国でも太陽光が2割を超えるほか、関西も2割に迫る。意外にも太陽光発電が拡大している九州は1割強にとどまる。太陽光発電は天候によって出力が変動するため、各地域とも供給力を保守的に見込んでいる。九州では2015年の夏に予測の2倍以上の供給力があった。


図7 太陽光発電による供給力。出典:資源エネルギー庁
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 太陽光発電による供給力が大幅に増加したことで、新たな問題点も浮上してきた。夕方から太陽光の供給力が急速に減少して、一時的に予備率が低下してしまう現象だ。実際に2015年の夏には九州電力の管内で、19時台に予備率が3.4%まで低下する日があった。太陽光の供給力がゼロになる一方、日没後に家庭や企業が照明を点灯したことによる。代わりに火力発電の供給力を増やす必要があるが、その対応が少し遅れた。
 今年の夏も同様の問題が発生する可能性は十分にある。そうした状況を想定して、政府の委員会は再生可能エネルギーによる供給力がゼロになった場合の需給予測も開始した。各地域の再生可能エネルギーの大半を太陽光が占めている。日没後に電力需要が増加しても、需給率が危険な水準まで低下しないことを確認する必要がある。
 九州では再生可能エネルギーの供給力がゼロになった場合には、8月の予備率が4.3ポイント低下する。とはいえ、もともとの予備率の予測値が14.1%もあるため、かりに4.3ポイントダウンしても予備率は9.8%の高い水準を維持できる(図8)。

図8 残余需要(需要-再生可能エネルギー供給力)が最大になる時間帯の需給予測。出典:資源エネルギー庁
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 このほかに関西で予備率が2.0ポイント低下する可能性があるが、それでも4.8%にとどまる。電力会社が夕方以降に太陽光発電の供給力が減少することを想定して、火力発電の出力を増やす準備を進めておけば対応できるレベルだ。同じ地域で大規模な発電所のトラブルが重複して発生しない限り、今年の夏も電力が不足する心配はない。


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