のど元すぎれば…投資的経費急増 高知市政
この前まで「財政危機」を言っていた高知市政。
さすがに投資的経費も削減し、財政再建計画の最終年の2013年は112億円に、
それが2014年173億円、2015年203億円、2016年当初予算案250億円という急増。
有利な起債(例 合併特例債など)があるうちに、必要な事業を前倒しで実施・・・という説明を頭から否定するつもりはない。が、不透明感がいっぱい。暴走をはじめているとさえ感じる。
①財政運営適正化計画を「拒否」
市長選後、最初の議会となった昨年12月議会。大型事業の野放図な拡大で招いた財政危機の反省にたって、「財政再建は達成した」という今こそ、投資的経費の総額管理、新設よりも長寿命化重視など「財政運営」を適正化するための計画が必要ではないか、との質問に、「つくらない」ことを明言した。
本音は、手をしばられたくないということだろう。
その代表例が、道のないところに道をつくり、民間の担い手も不明なまま「道の駅」をつくる構想。数10億円の事業規模とささやかれている。
新庁舎建設が開始されたばかりなのに、南別館を「社会福祉会館」に建て替える構想も。図書館西広場の高度利用計画・・・
など思いつきのようなハード事業の拡大。どこまで拡大するか・・・
②引き続くごまかし
財政再建期間中、毎年○○億円の収支不足といいながら、借金返済と基金積み増しで、財政再建計画より、166億円も改善していることを隠してきた。市議団が明らかにさせ、「財政的にきびしい」といっていた中学校給食、子どもの医療費無料化に実現にむすびつけたが、そうした不誠実な情報提供が続いている。
新年度予算案の概要に、今後5年間の財政の見通しが出ている。
一般会計・一般財源ベースでの表があるが、投資的経費は20億円前後で推移。が、実際は250億円もの事業をしながら、防災、まちづくりなど目的が決まった特定財源ということで、あえて省いている。特定財源の投資に、市の負担がないのなら、表には意味があるが、そんなことはない3~7割の負担が発生する。
それを除いて「健全運営」が続くような資料をつくる意図は何なのか。
一方、公債費(今後160億円台が続く)、地方債残高も、無難に推移していくグラフがある。が、そのもととなる投資計画の全体像はない。①で指摘した内容を拒否しながら、なぜ、地方債残高と公債費の推移が明らかにできるのか。不思議でならない。
③防災・長寿命化の経費を、まず明確にすべき
国も老朽施設の維持・更新は言うが、本気ではない。市も、その流れにのっている。本気で今の施設を、多少の整理はあったとしても、維持しようと思えと、新規事業は、極めて慎重でなくてはならない。
まず、維持や耐震化するための総費用を出し、そのうえで、投資計画の方向性を示すことが、今、一番求められている。
その点で、感心したのが清掃工場の対応。今年で稼動15年だが、今後、2度の長寿寿命化整備を実施し、45年間使おうという構想。直営している強み。資格、専門性をもつ職員が施設管理や老朽化の判断をできるからである。(灰溶融炉の廃止・売電益増で、年3.3億円の効果。提案していた更新のための基金がつくられた)
真の効率性とは何か、を示している。
④過剰な負担強要の回復を
党市議団は、この間、「財政再建ができた」というなら、「この間の市民負担増をもとに戻すべきだ」と一貫して主張してきた。12月議会では、「市民負担を増やすことは考えていないことを明言すべき」とただしたが、市長は、企業会計、特別会計など、独立採算が原則となっている会計については、赤字になれば「料金改定を行うのは原則」と、値上げを明言。
が、国保では、保険料の独自減免(現在廃止)、窓口負担軽減のペナルティ分、財政安定化支援事業の2割分〔留保財源で対応〕について、全額繰り入れるようになったが、12年間繰り入れをサボった分が58億円ある。
下水道でいえば、耐震化対策の2分の1まで一般財源を繰り入れることができる(その半額は交付税措置)が、まったく繰り入れがなかった時期もあった。今も10分の4に留めている。
行政がやれるべき役割をサボりながら「独立採算が原則」として「赤字になれば値上げ」というのは、あまりにひどい。
市の活力は、市民の元気・・・暮らしを直接支えるこそがこと重要である。
今の市政・・・政策の是非もあるが、信用できない。というのが一番の印象。
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