被害女性の訴え~「日本政府は無策」 絶えぬ米兵犯罪
21日、沖縄で米兵による性暴力事件への抗議集会がもたれた。前日、神奈川新聞に、横須賀市で2002年に米兵に暴行された経験を持つオーストラリア人女性の「日本政府はなぜ対策を取らないのか」と、「日本政府は無策」という記事が配信されている。
在日米軍による事件やAV強要・JKビジネスと…性暴力の現実を向き合えない政府だから、過去の性暴力~従軍「慰安婦」問題も直視できない。という流れを感じる。
【<社説>米兵事件抗議集会 これ以上人権蹂躙許さない 琉球新報3/22】
【「日本政府は無策」 絶えぬ米兵犯罪 神奈川新聞3/20】
【<社説>米兵事件抗議集会 これ以上人権蹂躙許さない 琉球新報3/22】名護市辺野古のキャンプ・シュワブ前で開かれた米兵による女性暴行事件に抗議する「緊急県民抗議集会」には、主催者発表で2500人が集まった。目標の千人を大きく上回る人々が駆け付けた。事件に対する県民の怒りが大きいことを示すものだ。日米両政府は深刻に受け止めるべきだ。
沖縄の施政権が日本に返還された1972年以降、米軍関係者による刑法犯摘発は2015年末時点で5896件、5815人に上る。このうち女性暴行事件はことし最初に摘発された今回の事件を含めると130件、148人となる。これらの数字は沖縄に過重な基地が集中していることによって、住民の人権が蹂躙(じゅうりん)されてきた傷痕といえる。
集会場所のシュワブ前の歩道は次々と駆け付ける人々でぎっしりと埋め尽くされた。そして女性の姿が多く見受けられた。乳児を胸に抱えた若い母親は真剣な表情で登壇者の話に耳を傾け、子どもたちを連れて来た母親のグループは「だれの子どももころさせない」と書かれた横断幕を基地に向けて掲げていた。参加者一人一人が事件をひとごとではなく、わが事として受け止めているのだ。
性的暴行という犯罪は相手の気持ちを踏みにじり一方的な力でねじ伏せて陵辱する非道行為だ。事件だけではない。相手の気持ちを踏みにじり、一方的な力でねじ伏せる行為が県内でほかにも起きている。米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古への新基地建設計画だ。
名護市長、県知事、沖縄4選挙区で当選した衆院議員の全員が移設反対を掲げ、県内世論調査でも県内移設反対が7~8割を占める中、政府は沖縄の民意を踏みにじって建設を強行してきた。
2011年、当時の沖縄防衛局長は辺野古移設の環境影響評価書の提出時期を明言しない理由について「犯す前にこれから犯しますよと言いますか」と発言した。政府の本音だろう。新基地建設こそ県民に対する陵辱ではないか。
集会では「すべての米軍は沖縄から撤退すること」を求める決議が採択された。新基地だけでなく全基地撤去も求めた。最後に参加者全員で「沖縄を返せ」を合唱した。その歌声は「基地のない平和な沖縄を返せ」との願いだ。これ以上、軍事基地による人権蹂躙を繰り返すことは決して許されない。
【米海軍兵による性暴力を許さない緊急抗議集会決議】3月13日、那覇市内でまたしても米兵による許しがたい女性に対する性暴力事件が起きた。キャンプ・シュアブ所属の海軍兵が抵光できない女性を暴行するという蛮行は言語道断だ。これまで何度も繰り返される米兵による凶悪事件に県民の怒りは頂点に達している。もはや再発対止策や綱紀粛正などの実効性のない対策ではこのような事件は防げない。すべてが基地があるが故に起こる事件・事故であり、抜本的対策は米兵の沖縄からの撤退と基地の撤去以外にない。県民の人権を蹂躙し、植民地意識で沖縄に駐留する米兵は沖縄にいらない。米軍は戦争するための軍隊だ。有事に備え日々訓練を繰り返している。今回の暴行も軍隊という構造的暴力の延長線上で発生した。決して許されるものではない。被害女性は、休暇で沖縄を訪れた観光客であり、米軍基地が沖縄の発展の阻害要因ということがあらためて裏付けられた。
在沖米軍による女性に対する暴行事備の摘発備数は復帰後、昨年末までに129件147人と後を絶たない。事件、事故の再発対止策として米軍が実施している飲酒規制「リバティー制度」も形骸化し、逆にそれを逃れるために那覇市内などで宿泊する現実は看過できるものではない。また、米軍は今回の事件後、キャンプ・キンザー以南において全面的に宿泊を禁止すると発表したが、事件の火消しに奔走し、県民や観光客を愚弄している。全県で禁止すべきだ。
繰り返される事件事故は不平等な日米地位協定を放置している日米両政府にある。沖縄に基地を押し付け、県民の民意を無視する日本政府の沖縄に対する差別そのものだ。今、辺野古への新基地建設が政府によって強行され、さらに沖縄の米軍基地の機能強化が推し進められている中でこの県民の怒りをどこに向ければいいのか。私たちは今回の凶悪事件を糾弾し、二度とこのような事件が起きないよう再発対止策の徹底をはじめ以下の要求を決議し強く抗議する。
1被害女性に対する人権保護と謝罪を強く要使する。
2徹底した再発対止策を図り、リバティー制度を強化し、全県で宿泊を禁止すること
3日米地位協定を直ちに改定すること
4すべての米軍は沖縄から撤退すること
以上、決議する。
2016年3月21日
米海軍兵による性暴力を許さない緊急抗議集会
【「日本政府は無策」 絶えぬ米兵犯罪 神奈川新聞3/20】那覇市で女性観光客を暴行した容疑で米兵が逮捕された。米軍幹部が綱紀粛正を約束しても続発する米兵絡みの犯罪に、横須賀市で2002年に米兵に暴行された経験を持つオーストラリア人女性、キャサリン・ジェーン・フィッシャーさんは「日本政府はなぜ対策を取らないのか」と指摘する。
日本の国会議員と「米兵犯罪に対応するチームが欠かせない」と話していた直後に、今回の事件が起きてしまった。米軍は事件が起きるたび「深刻に受け止めている」と言う。だがそれが虚偽であることは、今も事件がなくならないことで証明されている。
沖縄では1995年の少女暴行事件の前にも、復帰前から多くの女性が米兵から暴行を受けている。私の事件でも日本政府が動かないから、人生を犠牲にして加害者を探した。被害に遭った女性のために正義が欲しかったからだ。それなのに、なぜ日本政府は自国の被害女性のために抜本策を取らないのか。恥ずかしいことだ。
性暴力を受けた女性の被害を調べる検査キットを配備し、24時間態勢でこうした相談を受け付ける機関を設置することと、米兵に関連する犯罪を担当する専門チームを日本政府内に置くことが必要だ。安倍晋三首相も(国連演説で)「女性を暴力から守る」と言っているのだから。
日米地位協定も改定すべきだ。規定では米軍人の義務を日本の法令の「尊重」としているが、「従う」に改めなければならない。
Catherine Jane Fisher オーストラリア出身。2002年、横須賀市で米空母乗員に暴行を受けた。日本での民事訴訟中に加害者が帰国したため、12年に米国で加害者を提訴。13年に加害者が暴行の事実を認める代わりに1ドルの賠償で和解した。
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