戦争法の施行 違憲の法制は廃止を 日弁連、地方紙社説
日弁連の「廃止」を求める会長声明。
また、地方紙も、廃止を求める社説や違憲性を指摘した批判的な社説が続々・・・ 北海道新聞、東奥日報、岩手日報、信濃毎日、東京・中日、京都、神戸、愛媛、宮崎日日、沖縄タイムス、琉球新報。
【戦争法の施行 違憲の法制は廃止以外にない 赤旗・主張3/29】
【安保法制施行に抗議しその適用・運用に反対する会長声明 3/29】
【戦争法の施行 違憲の法制は廃止以外にない 赤旗・主張3/29】安倍晋三政権が、憲法の平和主義、立憲主義を破壊し、昨年9月に強行成立させた戦争法が、きょう施行されます。戦争法は、戦争放棄、戦力不保持を定めた憲法9条を踏み破り、世界のどこでも米国が起こす戦争に日本が参戦するための違憲の法制です。憲法9条の下で、1954年の自衛隊創設以来、一人の戦死者も出さず、一人の外国人も殺さなかった戦後日本の在り方を根本的に変え、「殺し、殺される国」にするものです。国民の批判や不安になんら応えることなく、戦争法の施行を決めた安倍政権の姿勢は重大です。
危険極まる参戦の仕組み
戦争法の本質的な危険は、日米同盟を憲法の上に置き、米国の戦争に日本が参戦する仕組みがいくつも盛り込まれていることです。
日本が直接、武力攻撃を受けていないのに、海外で米国が介入・干渉の戦争などを起こした際、時の政権がそうした事態を日本の「存立危機事態」だと判断すれば、「米軍防衛」のために歴代政府が違憲としてきた集団的自衛権の行使=自衛隊の海外での武力行使が可能になります。
従来の米軍支援法にあった地理的制約をなくし、地球規模で米軍に対し輸送や補給などの支援(兵站(へいたん))もできるようになります。歴代政府が「他国の武力行使と一体化する」との理由で禁じていた「戦闘地域」での活動も可能です。兵站は戦争遂行に不可欠であり、敵から狙われやすい軍事目標です。自衛隊部隊が攻撃されれば、応戦し、戦闘に発展することになります。
自衛隊が自らの武器を守る「武器防護」規定を広げ、「平時」から米軍を「防護」できるようにもしました。自衛隊の防護対象は米軍の空母や戦闘機など無限定です。
国連平和維持活動(PKO)などでは、新たな任務として▽他国部隊などが攻撃された際の「駆け付け警護」▽「住民保護」などを目的にした警備や巡回、検問といった「治安維持」―を加え、これら任務遂行のための武器使用を認めました。自らは攻撃されていないのに、先制的に武器を使用する恐れもあります。
戦争法の施行により、「殺し、殺される」現実の危険は、いよいよ差し迫ったものになっています。
安倍首相は、内戦状態にある南スーダンのPKOに派遣している自衛隊部隊に新たな任務を付与することを検討していると認めています。中谷元・防衛相は5月に派遣する第10次隊に新任務の追加予定はないとしつつ、今秋派遣する第11次隊への付与は否定していません。自衛隊に「駆け付け警護」などのための武器使用を認めれば現地武装勢力と交戦し、戦後初めて外国で人を殺す危険は避けられません。戦争法をこのままにしておくことは絶対に許されません。■世論と共同をさらに広げ
安倍政権は、戦争法成立後も広がる反対世論を恐れ、国政選挙での争点隠しの狙いから具体化作業を当初より遅らせています。米軍支援を拡大する日米物品役務提供協定(ACSA)は今国会への提出を見送り、米軍「防護」の運用指針も策定されていません。
戦争法廃止と集団的自衛権行使容認の「閣議決定」撤回、立憲主義回復を求める世論と共同のたたかいをさらに広げ、安倍政権を追い込むため全力を尽くす時です。
【安保法制施行に抗議しその適用・運用に反対する会長声明 3/29】本日、平和安全法制整備法及び国際平和支援法(以下併せて「安保法制」という。)が施行された。
安保法制は、「存立危機事態」なる要件の下に、歴代内閣が憲法上許されないとしてきた集団的自衛権の行使を容認し、外国軍隊の武力行使との一体化に当たるとして禁じてきた範囲にまで後方支援を拡大し、国連平和維持活動(PKO)に従事している自衛隊に駆け付け警護等の新たな任務と任務遂行のための武器使用権限を付与すること等を認めている。これらにより我が国が武力紛争の当事者となる危険性が現実のものとなろうとしている。その意味で、この安保法制は、憲法前文及び同第9条に定める恒久平和主義に反し、平和的生存権を侵害するとともに、憲法改正手続を経ずに一内閣の閣議決定による憲法解釈の変更に基づき法案を作成し、国会で可決されたものであり、実質的に憲法を改変するものとして立憲主義に反している。
このような憲法違反の安保法制が施行され、我が国が集団的自衛権の行使としての武力行使をした場合はもちろん、PKOや米軍等の武器等防護による武器使用や後方支援の拡大に踏み出せば、外国軍隊の武力行使と一体視され、我が国が相手国からの攻撃の対象になる可能性も高まる。
また、海外にPKOとして派遣されている自衛隊に対し、駆け付け警護等の新たな任務と、任務遂行のための武器使用権限が付与されるならば、自衛隊員が任務遂行中に武装勢力などの攻撃を受け、それに反撃することで戦闘行為となり、自ら殺傷し、殺傷されるという極めて危険な事態に至るおそれがある。
これらは、恒久平和主義が破られ、平和的生存権の侵害が一層現実化することを意味し、立憲主義は危殆に瀕すると言わなければならない。
よって、当連合会は、憲法違反の安保法制の施行に抗議するとともに、その適用・運用に強く反対し、改めて安保法制の廃止を求めるものである。2016年(平成28年)3月29日
日本弁護士連合会
会長 村 越 進
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