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高知市  2016年3月議会の特徴~市民不在の大型事業優先と対決

 「財政再建が完了した」というもとでの16年度当初予算をめぐる3月議会。日本共産党は、5名が質問に立ち、修正案を提案するなど、「急増する投資、市民不在の大型事業優先と対決」するとともに、小学6年までの医療費無料化の予算化、臨時保育士の処遇改善の予算と答弁など、「道理ある論戦で、冷たい市政、ゆがんだ市政をこじあける」活躍をした。

  以下、私なりに、3月議会の振り返りをしてみた。

◆ 急増する投資、市民不在の大型事業優先と対決

 大型事業の拡大により、「財政危機」を招いた高知市。党市議団は、大型事業優先に反対し、財政危機にあたっても、もともと効率的に運営している市政であり、投資を適切に管理すれば「市民負担増は必要」と提案してきました。それを市民負担増、職員の行き過ぎた削減をすすめる市の姿勢に、「今後の大型事業乱発の布石」と警鐘をならしてきました。財政再建計画は、予想どおり、目標を166億円も上回って改善しました。

★当初予算のスケッチ

総額は1553億円。前年度比2.9%、44億円の増。4年連続で過去最大を更新。新庁舎や新図書館の建設、東部運動公園ドーム建設、保育所の耐震化など大型のハード事業の本格化や南海地震対策の推進により、普通建設事業費は前年度比23・9%増の約250億円。06年度から圧縮し続けてきた起債(借金)残高は11年ぶりに増加しています。

一方、公共下水道=約14億円減の24億円、送配水管施設整備=8千万円弱の1億5千万円、漏水防止対策=約1億円減の1億8860万円、生活道路改良=4600万円減の4億3200万円、がけくずれ住家防災事業=約2千万円減の3千万円など、暮らしに密着した事業の抑制が目立ちます。

主な新規事業は、長期浸水対策として、避難ビル300ケ所への飲料水備蓄と簡易情報伝達資機材配備、シミュレーション実施。小学6年までの医療費無料化(10月から)、新生児聴覚検査事業(無料)など。

 また、条例では、清掃工場の売電益を、そのまま一般財源に入れず、工場建て替えのための基金として活用すべき、という党市議団の提案による基金条例が提案されました。

★警鐘を鳴らしていた事態に

財政再建計画の最終年の2013年には112億円になっていた投資額は、2014年173億円、2015年203億円、2016年当初予算案250億円と急増〔先日、指摘ずみ〕。
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新庁舎の事業費の大幅増、道のないところに「道の駅」や新社会福祉会館構想など、かつての失政を想起させるものとなっています。

しかも、「道の駅」構想や新図書館西側活用なども、市民参加でビジョンを築きあげることもなく、「拙速に結論を出す」という、まったく市民不在で進んでいます。 一方、生活道改良など生活密着の公共事業は抑制されています。

また、財政運営では、将来的な公債費負担増についても、大規模事業は5年間で560億円としていますが、道の駅構想や社会福祉会館などの事業は含まれておらず、しかも、公債費がピークとなる7-8年後の見通しを明らかにしていません。ここも市民不在です。

さらに、この10年、水道の耐震化事業に対する一般会計からの繰り入れを18億億円もサボり、市民の水道料で負担、さらに繰り入れに対する国の財政措置9億円も失うという市民犠牲の運営を続けています〔国保に「基金がある」として12年間で約58億円も繰り入れをサボり、値上げをおしつけた手法と同じ〕。

さらにさらに、市民の暮らしを支える財源をけちり、年8億円も借金を前倒しで返済しています。

~ その本質は、大型事業のまい進するため、市民生活を犠牲にしてでも、借金残高は少しでも抑制し、財政指標は「適正化」の範囲におしとどめようとする冷酷・無謀・無責任な市政運営です。

★市民の暮らしを支える財源はある

適正な投資額に抑制し、毎年の借金返済はルール分だけにすれば、市民サービスの向上、国保や上下水道料金の抑制に活用できる・・・全体の論戦の中で、浮かび上がってきました。

日本共産党の市議団は、市民犠牲・市民軽視の運営に対し、質問戦、予算修正案の提案など正面から対決しました。

◆道理ある論戦で、冷たい市政、ゆがんだ市政をこじあける  

 これまでも論戦と市民運動で、ゴミ有料化ストップ、中学校給食や小学6年までの医療費無料化の実現、国保への繰入復活など、冷たい市政の壁を打ち破ってきました。

 今回も論戦でも、岡崎市政の冷たさが数々明らかになりました。
 上記以外にも、▼住宅耐震化 目標90%に対し現在62%なのに、県制度の導入に引き続き消極姿勢  ▼スクールソーシャルワーカーの待遇改善。「県の委託事業だから困難」と、県内の他自治体で独自対策を実施しているのに冷淡な対応〔市の16名のSSWは、全額、県の負担〕 など次々とあきらかになりました。

 そうした中でも大きな前進を築きました

①臨時保育士の待遇改善へ

現場の声、運動とも連携し、臨時保育士の処遇改善〔賃金アップと、雇い止め期間の事実上の廃止〕で前進を築きました。また、公立保育園の保育士の7割が臨時であることを明らかにさせ、市長に「解決したい」と、との答弁をひきだしました。

★「住民130人に1人」・・・・職員削減の無謀さが露呈

市の保育士の7割が臨時職員。担任を受け持つ臨時職員も多数に上り、正規の採用増が不可欠となっています。こうした状況になったのは、市長が、職員数を、実情を無視して「中核市平均の住民130人に1人」にこだわり、無謀な職員削減、新規採用の抑制をしてきた結果です。党市議団の実際は、効率的な運営がされていること、無理な職員減のもとで公的サービスの量の不足、質の低下をもたらしていることを明らかにし、市も「職員の適正配置」という形で手直しを余儀なくされました。しかし、「130人に1人」には未だに固執しています。

〔「深読み」すれば、公立保育の正規職員を3割まで減らしたのは、今後の「民営化」を大規模に進める布石ともかんがえられます。そうする以外に「130人に1人」の数値を達成する方法はありません。警戒が必要です。〕

②同和行政--「属地属人主義」が破たん

市は「依然、厳しい状況はある」と対策の必要性を主張するも、統計の取り方の変更、世帯票の廃棄など、党市議団が追及してきた同和行政のゆがみの根幹にあった考え方が、もはや通用せず、放棄せざるを得ない事態となったことを、示しました。

◆市長選での買収容疑 ~ 県警が、高知市長ら8人を書類送検 

昨年11月の高知市長選で、岡崎市長の陣営が高知県議と市議にポスター貼りの労務費を支払ったことを示す領収書を添付した選挙運動費用収支報告書を提出。県警は、選挙運動員の買収に当たるとして3月11日、岡崎市長や県議、市議、陣営の出納責任者ら計8人を公職選挙法違反(買収など)の疑いで高知地検に書類送検しました。マスコミ報道による問題発覚後、市民オンブズマン高知が、選挙運動員の買収に当たると県警に告発していました。市長は2月2日の市議会で「選挙事務所の法令解釈の誤りがあった」と陳謝。“実際には、報酬はポスター張りをした議員の妻や支援者らに支払ったが、報告書には議員の名前が記載された”として報告書を訂正しています。

なぜ、こんな明々白々の違法を記載したのか・・・以前から運動員に対するこうした支払いが常態化していて、「おかしい」と思わず、そのまま記載したのではないか、と思われます。

市民の告発を受理しての送検なので、仮に検察庁が起訴しなくても、「市民の申し立てで、検察審査会」での審査対象となります。

【新図書館西側土地利用 参考資料】
・新図書館 子どもや障害者も多く利用する文教施設なのに、狭い多目的広場〔この南端が入り口にあたる、また広場の北側には、地下駐車場入口がある〕
 西側土地に高層ビルが建てば、圧迫感のある隙間にしかならない。
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・一方、市役所前には「緑の天蓋」など、歩道を含めオープンスペースが・・・・
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