安倍首相の「貧困」な貧困観
安倍首相は、相対的貧困率が極めて高く「日本は貧困大国になった認識はあるか」との小池議員の質問に、「日本が貧困かと言えば、決してそんなことはない」と、一人当たりの国内総生産が高いことなどを挙げ「日本は世界の標準でみてかなり裕福な国だ」と述べた。
「貧困問題の基本が何もわかっていない」と思った。
例えばスマホを持っているから「貧困ではない」とはならない。就職活動にも、テレビ・新聞も手がとどかないもとで情報源として、今の日本社会では、日常生活に不可欠なものとなっている。
ある社会で普通に生活できる環境を保持できない、と大きなハンデを背負うことになる。それをざつくり示したのが相対的貧困率。
すでに20世紀半ばにタウンゼントの「相対的剥奪」(単に生物的に生存するだけでなく、社会の一員として人と交流したり、人生を楽しんだりできないこと)という捉え方が示されている。その社会で、普通にあるべき環境が保持できてない。その日本の現実を直視することが、政治にもとめられている。
【貧困問題、データで応酬 首相「日本は裕福な国」東京1/19】
以前のブログ・・・
【貧相な「子どもの貧困」観 2009/3】
なお、県の認識は、学力問題でも「きびしい環境にある子ども支援」が根本的課題である、と捉えるなど大きく前進してきている。
【貧困問題、データで応酬 首相「日本は裕福な国」東京1/19】 安倍晋三首相は十八日の参院予算委員会で、小池晃氏(共産)が経済的な格差が広がって困窮する人が増えていると指摘したのに対し、「日本が貧困かと言えば、決してそんなことはない」と反論した。 (我那覇圭) 厚生労働省の国民生活基礎調査では標準的世帯の年間の可処分所得の半分(約百二十二万円)未満で暮らす人の割合を示す「相対的貧困率」は二〇一二年で16・1%。十八歳未満の子どもに限ると16・3%に上る。同じ調査手法を採る経済協力開発機構(OECD)の加盟国を貧困率の高い順にみると三十四カ国中六位だ。 これを基に小池氏は「日本が世界有数の貧困大国になった認識はあるか」と追及。首相は、調査手法や対象者が違う総務省の〇九年全国消費実態調査(相対的貧困率10・1%)を持ち出して「OECD平均より低い」と指摘。その上で、一人当たりの国内総生産(GDP)が高いことなどを挙げ「日本は世界の標準でみてかなり裕福な国だ」と述べた。 福島瑞穂氏(社民)は子どもの貧困について質問。塩崎恭久厚労相はひとり親らを対象に、児童扶養手当や保育園の無償化を拡充する施策を一六年度予算案などに盛り込んだと説明。「相対的貧困率だけで日本の状況を判断するのはいかがか」と強調した。 ひとり親家庭は増加傾向にあり、母子世帯では就業率が八割を超えているのに非正規が多いため、平均年収は百八十一万円にとどまっている。 首都大学東京の岡部卓教授(社会福祉学)は「子どもの貧困は広がり、深刻さは増している。それを認識してもらわないと実効性のある施策にならない」と指摘した。
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