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「有効求人倍率」考② 県の認識 強みの源泉・中山間地」での安定雇用が「根本的課題」

 安倍首相が、アベノミクス効果の宣伝として、高知県の有効求人倍率が過去最高、1.0を突破したことをあげ「祝杯」をあげ手放しで喜んでいるような発言をしているが、事実誤認も甚だしい。
 まず、有効求人率がのびはじめたのは、リーマンショック後からで、一次産業に軸足をおいた一貫した取り組みの成果である(アベノミクスとは直接関係ないというか、むしろ円安、資材・燃料費高騰で苦境をしいられた。)
有効求人倍率については少し自分も考察したものがあるが、県の認識も、「正社員の求人が低い」「大変厳しい状況が続いている」としたうえで、有効求人倍率のアップにより、「深刻な問題、根本的な課題がみえてきた」とし、高知県の強みの源泉である中山間地で、若者が働け、安心して住み続けられるようにしなければならないと、これからが本番であることを強調している。
 この視点は、きわめてまっとうである。その達成は、TPP推進、社会保障切り捨てなど、アメリカ言いなり、大企業中心の政治と対決が不可避であり、3期目は、その姿勢が問われることになる。
【「高知県・有効求人倍率 過去最高1.00」考 2015/10】
【知事の記者会見(平成28年を迎えるにあたって 平成28年1月1日)】

 以下、「有効求人倍率」にかかわる知事の発言部分

●「手応えを感じられるものも出てまいりました。有効求人倍率も昨年11月は1.05倍になりました。」
「 しかしながら、例えば有効求人倍率にいたしましても正規の有効求人倍率は0.56倍、過去最高とは言えまだまだ低い水準であります。そして、過疎化・高齢化が進む高知県のそれぞれの地域においては、本当に多くの皆様が大変厳しい生活を強いられている状況にあることに変わりはありません。」


●テレビ高知記者
 有効求人倍率のことです。1.05倍、正社員に限っては0.56倍と、みるみる上がっていますが、この辺を知事はどういうふうに、見方っていろいろあるかと思うんですけど、どういうふうにこうご自身は分析されているのでしょうか。

●知事
 過去いろいろ数字の分析は、産業振興計画をつくるときに一生懸命各方面で見てきて、従前より申し上げていましたが、平成13年ぐらいから大体9年、10年ぐらいの間、0.4倍、0.5倍前後、正確に言えば0.45倍前後でほとんど変わらない時期があり、これは全国がどんなに良くなっても変わらない、良くならない。そういう時期がありました。これが約10年続いた。それが、約4~5年かけて上がり続けてきました。これは大きく高知県経済の潮目が変わったということだと思うのです。これは全体として、私どもも努力いたしましたし、多くの皆さんが努力されたことだと思いますが、高知県経済全体として、人口減少が続いて縮んでいく県内経済頼りではなく、外とつながり外から外貨を稼いでこられる体制になってきたということだと思うのです。
 同じことをいろいろな側面から言うことができると思うのですが、昔0.45倍ぐらいで全く変わらなかったときは、単純に一つ言えば、外の景気がどんなに良くなったって、外とつながってなければ関係ないのです。もっと言えば、外から一定効果が及ぼされたとしても、県内のウエイトが高ければ、県内経済が縮めば相殺されてしまい、上向いていくことができないことにもなるのかもしれません。
 今、外とつながり、外の景気回復の効果を取り込めるようになってきた。そういう中において、県内経済全体としての規模が従前に比べたらだんだん拡大してこようとしているのかと、県経済としての規模、県経済としての活力がだんだん増してきつつあるのかと思われるところであります。正直、今回どこまで上がり続けるかとは思っていましたが、一応ここまで来たというのは感慨深いことだと思っています。
 昔は生産年齢人口の減少に伴い県経済は縮んでいったのです。平成9年から平成19年まで、県内での商品販売額は2割縮んだ。いろいろなデータを見ていただければ、生産量もどんどん生産年齢人口の縮小に合わせて縮んでいます。ですけれども今は、林業、農業、水産業、工業にしても、縮むどころか、どちらかというと拡大基調にあるはずです。あるいは変わらないと見られる場合もあるかもしれないが、とんでもない。今までの基調でいけば、縮んでいるのがベースラインです。でもそうではなくて、それぞれ一定維持するか、もしくは拡大の方向にあるということはどういうことか。働く人の数は減っているが、仕事は減っていないということです。だから有効求人倍率は上がっているということなのだろうと思うのです。
 何とかそういう構図で上がってきているのは分かります。
 仕事は減ってなくて、生産年齢人口は減っているわけですから、仕事を求めている人の数が減ってくる。だから逆に言うと、仕事が減ってなくて、その仕事をしていた人が退職して、そのときにしっかり求人されているということです。仕事の方は減ってない、むしろ増えているのですから、そういう基調が続いてきた結果として、今回有効求人倍率が上がり始めたのだと思うのです。

 でもですね、逆に言うと、1倍を達するところまで来てある意味我々としての目標は達成されたところはあるというか、我々として夢のようでありますけれども、一つの段階に達することができたことは確かにあるのだと思います。しかし、この一つの段階に達したからこそ見えてくる深刻な課題もたくさんあると思います。

 これも二つで、一つは正社員有効求人倍率。高知県としたら過去最高の0.56倍です。でも、全国では45番。何といっても絶対水準として0.56倍は低いです。まだまだこの正規の有効求人倍率が上がるようにならなければ、若い人を残すことはできない。だからそういう意味において、もう一段正規の職を生み出していけるかどうか。だけど、これはハードルが高いと思います。一定いろいろな形でものが売れ出したといっても、これが長期に持続するという確信が持てなければ正規の求人にはつながりません。だからもう一段、先ほどより申し上げている、地産外商の成果を拡大再生産につなげるということ、これは今の仕事の基調を持続できるという確信が持てるようになることです。そうなってこそ、正規の有効求人倍率も上がる形になってくると思います。

 もう一つは、地域の格差というのは大きいと思います。高知市周辺は比較的求人倍率が高いですが、郡部になってくると低いところが出てきます。この地域に若者が残ることができてこそ、高知県本来の強みを活かすことができることになるでしょうから、そういう意味ではこの地域間格差は大きな課題だと思うのです。だから地域に若い人を残すことができるようになるためにも地域地域に産業群をつくり出し、地域で若い人を残すことのできる経済的土壌を涵養していくことが極めて大事だと思っているのです。
 正直、この有効求人倍率が1倍を超えるようになるということは、本当に多くの皆さんの努力の結果だと思います。一つの産業が何々になったからではここまでは来ません、0.6倍とか0.7倍ぐらいまでだったら来るかもしれないけど。今回の1.05倍は主要産業の求人が増えている。農林水産業だって増えているのです。こうなってくるということは、生産年齢人口減少の中で同じように生産量も落ちている。即ち仕事も減ってきたという基調の中から、生産年齢人口は減るけど仕事は減らない。むしろ増えていくという状況になってきたからこそ、こういう形で潮目が変わったのだと思うのです。これはこれで大きいことだと思います。

 しかし、それで課題が解決というより、むしろより根本的なところが見えてきているということだと思うのです。このように仕事は拡大してきているかもしれないが、まだ多くの人がいつまで続くものやらよく分からないという感じになっている。だからパートの求人にとどまっている、正規の求人には続いていってない。地産外商の成果を拡大再生産にと言っているが、多くの皆さんが、仕事が今の基調で持続できると確信が持てるようになるかどうかによるところが非常に大きいと思うのです。そういう考えで今対策を進めようとしているのです。

●日本経済新聞記者
 お話の中で本当の根本的な原因とか根元的な課題ということをおっしゃっていますけど、例えば今8年間やられて考えられている、高知県の現状にある根本的な問題はどういうものだとお考えになっていますか。

●知事
 一言で言うと悪循環に陥ってきたことだと思います。人口減少、特に社会減から起因して、県内市場が小さくなっていく中において活力が失われて経済規模が縮小するということが、特に中山間地域から進んでいった。高知県の本来の強みの源泉は中山間地域にあり、中山間地域こそ出生率が高い。そういうところが真っ先に衰えていった結果として、経済的な強みは失われ、人口の自然減がさらに加わってくるようになり、さらに経済規模を縮小させて社会減を加速するという悪循環のループに、少なくとも平成になってから完全に陥ったと思います。
 だから、いかにこの悪循環を好循環のループに逆回転させていくことができるかが、高知県が本当の意味で解決しなければならない課題だと思います。恐らくこれは高知県だけの問題ではなくて、日本全体でなっていると思うのです。日本全体で陥っていく悪循環のループを、いかに好循環に転換していくことができるかどうか。地方創生の課題は結局はそういうものを目指していくべきものだと考えています。

 逆に言うと、景気は良くなったり悪くなったりします。有効求人倍率も良くなったり悪くなったり、日本全体としてもしますでしょう。悪くなったとしても、全国と同じように動いていけるようになれば、また良くなったときには良くなる形になる。そういう力強さを取り戻していくようにするためにも、その悪循環のループにどんどん陥るのではなく、その好循環のループに持っていけるかどうかが大きな課題だと思うのです。そうなれば、あとは行政がうんぬんかんぬんという世界にしなくても、安定的な発展につながっていけると思うのです。
地産外商の成果を拡大再生産というのは、悪循環に陥ってきたことを好循環に乗せていきたいとの思いも込めて言っているつもりです。
 また、人口減少は、もう閑話休題ですけど、平等に高知県全体で起こるわけではないのです。中山間地域のようなところから先行して起こっていくのですが、この中山間地域みたいなところこそ、高知の本来の富の源泉であり、出生率も高い、いわゆる人を育むところです。そういうところが真っ先に衰えていくからこそ、衰退が加速していくことになる。
 けれども、日本全体もこれからそうかもしれません。首都圏とその他と考えたときに、これがまさに高知で言う高知市とその他の中山間地域にまさに相似形を為すと思うのです。そういう意味において、地方創生、地域の活性化、地方の活性化の取組に真剣に取り組むことが極めて大事だと思います。
 ただ、日本全体が高知が陥ったような悪循環に陥っていくことにならないように、既になりかけているのかもしれませんが、どう防いでいくのかということかと思います。


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