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恐れていた以上に悪い 米共和党議員のTPP評 「米批准に黒雲」と農業情報研究所

  農業情報研究所が、TPPについて、積極的に米国等、海外の反応を紹介している。
自由貿易推進派が多い共和党議員からも「思った以上に悪い」とのコメントが合いついでおり、「米批准に暗雲」と指摘している。ロイターも同様の観測記事。
共和党議員のコメントは、「人権、労働権の侵害がはびこる国とのビジネスで、米国人の雇用と賃金低下をもたらす」「安価なジェネリック医薬品を締め出し、医療の前進を阻む」「為替操作のルールがない」など、多角的である。
  政府は農業の対策云々を言っているが、6千ページにおよぶ協定と付属書の全面公開と徹底検証なしに、どうして対策が語れるのか? 無責任の極み。
【恐れていた以上に悪い 米共和党議員のTPP評 米批准に黒雲 農業情報研究所11/12】

【米議会のTPP採決、オバマ大統領在任中は見込み薄 ロイター11/18】

【恐れていた以上に悪い 米共和党議員のTPP評 米批准に黒雲 農業情報研究所11/12】

米国市民団体パブリックシチズンのTPP関連ウエブ・サイトが、8人の米議会共和党議員がTPP協定公表を受けて発表した声明の一覧を掲げている。声明の内容は何れも、思った以上に悪いというものだ。自由貿易推進派が多い共和党議員のこうした態度は、米国のTPP批准を危うくするものだ。米国が批准しなければTPPは発効しない。なのに、この国では、早々とTPP対策が論議されている。わが国政治家は、与党、野党問わず、完全に方向感覚を失っている。

Rep. DeLauro Statement on TPP Text Release (November 10, 2015)
Rep. Dingell Statement on TPP Text Release: TPP Even Worse Than Expected (November 10, 2015)
Rep. Pocan Statement: Release of TPP Text Confirms Our Fears About Trade Deal (November 10, 2015)
Rep. Nolan Statement on TPP Text Release (November 10, 2015)
Rep. Lee Statement on TPP Text Release: Create American Jobs, Don't Offshore Them with TPP (November 10, 2015)
Rep. Tim Ryan Statement on TPP Text Release (November 10, 2015)
Rep. Grayson Statement on TPP Text Release (November 10, 2015)
Rep. Slaughter Statement on the Trans-Pacific Partnership Agreement (October 5, 2015

 ちなみに、一覧表冒頭のデローロ議員の声明を翻訳・紹介しよう。他の声明も、趣旨は皆同じだ。

 「7年間の秘密交渉の後、この大部な協定は、我々が恐れていた以上に米国民にとって悪いようだ。その主要な問題は、端的に言えば、我々に非民主的で、人権と労働権の侵害がはびこる低賃金の国 とのビジネスを強要し、米国人の仕事を奪い、賃金を引き下げることにある。

 この協定は、ベトナムやマレーシアのような国からの危険なシーフードから消費者を守るわが国の能力を制限する。それは、安価なジェネリック薬品を市場から締め出そうとする巨大製薬会社にへつらう。その結果、医薬品を一層高価にし、医療の躍進に向けての前進を遅らせる。

 この協定には実効ある為替操作ルールがない。日本やベトナムのようなTTPパートナーによる為替操作は、既に米国人の何千もの職を奪っている。エコノミスト、C. Fred Bergstenは、米国の500万の仕事を奪う為替操作を確認している。
 この協定が公表された今、米国人は、この協定が米国人の職、賃金、家族の健康にどれほどの災厄をもたらすか、自ら知ることができる。私は、それが現実とならないようにできる限りのことをし続けるつもりだ。

 政府はこの協定が外交政策の勝利だと主張するが、これは真実にほど遠い。この協定により、我々はマレーシアの人身売買、ブルネイのLGBT(レスビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー)の人々への暴力、ペルーの環境破壊、ルールに従わない国での米国人の海外労働を奨励することになる」。

 農業者には悪いが消費者には結構だ。こんな声しか聞こえない日本のTPP論議、なんと貧弱なことだろう

【米議会のTPP採決、オバマ大統領在任中は見込み薄 ロイター11/18】

[ワシントン 17日 ロイター] - 米共和党の一部議員や側近の話によると、米議会がオバマ大統領在任中に環太平洋連携協定(TPP)批准に向けた採決を行う可能性は低い。

上院共和党のある側近が匿名を条件に述べたところでは、共和党指導部は2016年11月の米大統領選挙の後まで、TPPを棚上げする意向だという。オバマ政権は来年上半期のTPP採決を目指している。

この側近はまた、上院共和党の一般議員は大半が、オバマ大統領が日本などの11カ国と交渉したTPPを支持していないと指摘した。

上院財政委員会のハッチ委員長は17日、ロイターに対し「(TPP問題が)2016年までに解決できるとは思っていない」と述べた。

さらに、新大統領が就任する前の来年末の議会で「TPPを審議することは誰も望まない。おそらく先送りとなるのではないか」とした。

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