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もんじゅ 「機構は不適格」と規制委。この際、廃炉へ 

規制委が、原子力機構について「運営主体として不適格」と断定。機構に代わる運営主体がない場合は「もんじゅという発電施設の在り方を抜本的に見直してもらいたい」と廃炉にもつながる勧告を出すことを決定。また、「(核燃サイクルを)どうするかは国の政策マター(問題)で、私たちがどうこういう話ではない。もんじゅの安全の問題への懸念だ」と規制委員長。すっぱり廃炉にふみきるべきだ。日経までが社説!

 廃炉となれば、核燃サイクルの形式的「見通し」もなくなり、六ヶ所村にある大量の使用済み核燃料は、「資源」ではなくなる。青森県とは「最終処分場にはしない」との協定があるので、各原発に送り返される。すでに各原発のプールの余裕はなくなっている。原発は動かしようがなくなる。
【もんじゅ廃炉へ現実味 核燃料サイクル計画破綻  東京11/5】
【原子力機構に「失格」 もんじゅ廃炉に現実味  共同11/5】
【もんじゅ是正、初勧告へ=「原子力機構は不適格」-点検漏れ問題・規制委  時事11/4】
【もんじゅは廃炉も視野に体制を見直せ  日経11/5】


【もんじゅ廃炉へ現実味 核燃料サイクル計画破綻  東京11/5】

 高速増殖原型炉もんじゅ(福井県敦賀市)の廃炉が現実味を帯びてきた。原子力規制委員会は点検漏れ問題で文部科学省に対し、信頼できる運営主体を探すか、安全対策を抜本的に改善するかを勧告する。どちらかを実現しないと、廃炉は避けられない。もんじゅは国が推進してきた核燃料サイクル計画の中核的な存在。なくなれば、十兆円をつぎ込んできた計画は名実ともに破綻する。 (小倉貞俊、榊原智康)=関連<2>面

 規制委は四日、現在の運営主体の日本原子力研究開発機構では、停止しているもんじゅの保全管理もできておらず、運転は任せられないとの判断を下した。

 かつて「夢の原子炉」とうたわれたが、二十年以上も前に造られ、稼働期間はわずか二百五十日。冷却材に爆発的燃焼の危険性が高いナトリウムを使い、維持費もかさむ。機構は二十年前のナトリウム漏れ事故以降、甘い管理体制を改善する機会は何度もあったが一向に進まない。まだ待てというのか-。

 規制委の委員五人は全員一致で、文科省への勧告という重い決断をした。

 核燃サイクルは、一般的な原発系と高速炉系の二系統で、使用済み核燃料を再利用する計画。十兆円が投じられてきたが、どちらの循環も回るめどはない。原発で核燃料をMOX燃料として再利用するプルサーマルは、海外で製造した燃料を使って一部始まったが、使用済みMOXをどうするのかは白紙。もんじゅがなくなれば、高速炉系の「輪」は名実ともに消える。

 もんじゅの新たな担い手を半年以内に見つける必要に迫られる文科省は「運営主体は幅広くいろいろなことを検討していきたい」(高谷浩樹研究開発戦略官)と話す。

 考えられる担い手には、(1)文科省所管の別の研究開発法人(2)機構から独立したもんじゅ部門(3)民間の原子力事業者-などがあるが、どれも難しい。

 原子炉の運転経験は絶対に必要な条件で、単なる機構内の看板の掛け替えでは規制委が納得しない。

 文科省幹部は「日本原子力発電(原電)は、もんじゅの次につくる実証炉を受け持つ予定だった」と原電の名を挙げつつも、「不備だらけの現状で、もんじゅを受け取る経営判断をするだろうか」と話す。

 来週にも勧告の具体的な内容が決まり、文科省に出される。これまでの経過からすると、文科省からは中途半端な回答しか出てこないこともあり得る。中途半端で認めれば、規制委の存在理由が問われる。

 一方、文科省の回答を不十分とし、もんじゅの廃炉まで踏み込めば、昨年四月のエネルギー基本計画で核燃サイクルの維持ともんじゅ存続を打ち出した政府の方針と対立する。

 四日の記者会見で、田中俊一委員長にあらためて覚悟を問うと、「(核燃サイクルを)どうするかは国の政策マター(問題)で、私たちがどうこういう話ではない。申し上げているのは、もんじゅの安全の問題への懸念だ」と述べた。

■もんじゅの点検漏れ問題 経過と今後の動き
・12年11月  多数の点検漏れが判明(当初は1万点)
・13年 1月 文科省「最大限対応する」
    5月  規制委員会が事実上の運転停止命令
    9月 運営する機構「未点検は全て解消した」
    10月   また点検漏れが発覚(機器故障を放置など他に前後6件)  
・15年10月  文科省の担当局長が規制委で釈明
   11月2日 規制委が、機構の理事長から聞き取り
      4日 規制委が文科省に「勧告」を決定 



【原子力機構に「失格」 もんじゅ廃炉に現実味  共同11/5】

 原子力規制委員会が、高速増殖炉もんじゅを運営する日本原子力研究開発機構に「失格」の 烙印 (らくいん) を押した。1995年のナトリウム漏れ事故から約20年を経過してもトラブルが絶えず、職員の士気低下も明らか。運営主体変更の勧告は機構の存続にも関わる事態で、もんじゅの廃炉が現実味を帯びてきた。

 規制委の判断の決め手となったのは、機構の 児玉敏雄 (こだま・としお) 理事長と意見交換するため2日に開いた会合だった。

 児玉理事長は「運営主体は機構以外にない。取り組みに甘さや抜けがあった。それをこれから探す。結果を見てほしい」と訴え、具体的な改革案を示さないまま時間的猶予を求めたが、更田豊志委員長代理は「手詰まりとしか感じない。ほぼ絶え間なく違反を繰り返している」と突き放した。

 4日の規制委の勧告方針決定を前に、機構内部には「勧告は不可避でも、運営主体変更までは踏み込まないはず」という楽観的な見方があった。

 過去にもんじゅに関わった政府関係者の一人は、こうした意識の根底に、自分たちは日本のエネルギー政策の重要な役割を担う高速増殖炉の専門家集団だ、というおごりがあると指摘する。

 「自らの不祥事や福島第1原発事故などで、社会の視線が変わったことに気がついていない」

 もんじゅの運営主体は、動力炉・核燃料開発事業団(動燃)から核燃料サイクル開発機構、そして現在の機構へと改組を繰り返してきた。一貫して中心となってきたのは動燃出身の職員たちだ。特殊な技術を扱う上、予算も潤沢で、他部門の職員からは「もんじゅ部門は聖域」とやゆされる。

 規制委の田中俊一委員長は4日の記者会見で、勧告により、もんじゅ部門が新たな運営組織にそっくり移籍する「看板の掛け替え」に終わる可能性があることを指摘されると「それで安全が担保できるならあるかもしれないが、そう簡単ではない」と一笑に付した。

 高速増殖炉の開発計画は4段階に分かれており、もんじゅは2段階目に当たる。3段階目以降は電力会社が運営主体となるため、機構はかつて、電力各社や原発メーカーから優秀な人材の支援を受け、オールジャパン体制で開発を進めてきた。

 しかしナトリウム漏れ事故をきっかけに支援は薄まり始めた。さらに第1原発事故後は各社とも原発再稼働に力を傾注し、もんじゅを顧みる余裕はなくなった。機構のある幹部は「電力側には人数を減らさないようお願いしている」とこぼす。

 では、もんじゅを運営できる新たな組織は存在するのか。

 文部科学省幹部は「電力、メーカー、他の研究機関、これまで協力してきたフランスとの連携などが考えられる」としているが、移管先提示の期限は半年後で「あまりにも短い」と困惑を隠さない。

【もんじゅ是正、初勧告へ=「原子力機構は不適格」-点検漏れ問題・規制委  時事11/4】

 多数の点検漏れなど不祥事が続く日本原子力研究開発機構の高速増殖炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)について、原子力規制委員会は4日、規制委設置法に基づき、もんじゅの運営体制の抜本的改善を求める勧告を、監督する馳浩文部科学相に出すことを決めた。原子力機構は運営主体として不適格だと判断した。規制委の発足後、勧告権を行使するのは初めて。
 規制委は原子力機構に代わる適切な運営主体が見つからない場合、もんじゅ自体の抜本的見直しを求めており、廃炉を含めた議論に進展しそうだ。規制委は勧告案をまとめ、来週の会合で決定する方針。
 田中俊一委員長は、原子力機構について「もんじゅの運営主体として不適格」と断定し、「どのようなものが適当か、具体的なものを特定して明示してもらいたい」と述べた。さらに、機構に代わる運営主体がない場合は「もんじゅという発電施設の在り方を抜本的に見直してもらいたい」と要求。半年以内に回答を示すよう求めた。
 もんじゅは1995年のナトリウム漏れ事故の後、2010年5月に運転を再開したが、同8月のトラブルで停止中。13年1月には1万点を超える機器の点検漏れが発覚し、規制委から事実上の運転禁止命令を受けた。その後も新たな点検漏れや、機器の点検頻度や内容を決める「安全重要度分類」の誤りなどが次々と判明した。

【もんじゅは廃炉も視野に体制を見直せ  日経11/5】

運転停止中の高速増殖炉「もんじゅ」について、原子力規制委員会は運営主体を見直すよう文部科学相に勧告する。いまの主体である日本原子力研究開発機構には安全管理に重大な問題があるとした。規制委が安全面だけでなく運営体制まで踏み込むのは異例だ。
 もんじゅでは2012年、約1万点にのぼる機器で点検漏れがみつかった。今年8月以降、点検の優先順位を定めた分類に1400件近い誤りも判明し、本来なら重点的に点検すべきなのに一度も調べていない機器もあった。
 規制委は再三、機構に安全管理の徹底を求めたが、改善しなかった。厳しい勧告は当然だ。所管する文科省を含めて政府として重く受け止め、もんじゅの廃炉も選択肢に運営体制を見直すべきだ。
 もんじゅは1995年に運転を始め、ウランを燃やしながらプルトニウムなどを増やせる「夢の原子炉」とされた。だが稼働からわずか4カ月で火災事故を起こし、長期にわたり停止した。10年に運転を再開した直後にも機材の落下事故を起こし、再び止まった。
 機構はトップに元原子力安全委員長や民間出身者を据え、改革の姿勢はみせてきた。だが不手際は続いた。組織全体で安全意識が欠如していると疑わざるを得ない。
 原子力の研究開発を担う国の機関として、原子力機構は最大で唯一の組織だ。もんじゅの新たな運営主体を見つけるのは容易ではないだろう。政府はこれを機に、高速増殖炉の開発計画をゼロベースで見直すべきだ。
 政府が昨年決めたエネルギー基本計画では、もんじゅで試験を重ねて高速増殖炉の実用化をめざすとともに、放射性廃棄物の量を減らす研究にも活用するとした。
 だが高速増殖炉でプルトニウムをつくっても、通常の原発で燃やす計画は見通しが立たない。日本が余剰プルトニウムをもつことに国際社会の懸念もある。実用化できたとしても経済性は未知数だ。
 原発への依存度もこれから低下する。こうした状況の変化を踏まえて、高速増殖炉が本当に必要なのか改めて議論すべきだ。
 原子力機構の組織改革も避けて通れない。機構はもんじゅ以外にも、東京電力福島第1原発の廃炉や除染の支援、長期的な原子力人材の育成などで重要な役目を担っている。これらの使命をきちんと果たせるよう、組織のあり方も抜本的な見直しが要る。


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