辺野古「問答無用」~ 佐賀オスプレイ見送り 「地元同意当然」と官房長官。
安倍政権のむちゃくちゃぶりが際立っている。
沖縄では「問答無用」。一方、佐賀へのオスプレイ訓練移転は見送りという米軍の方針に、なんと菅官房長官「地元の了解を得ることが当然だ」と語った。
法治ではなく人治。民主でなく独裁・・・・この政権は打倒する以外にない。
【佐賀オスプレイ見送り報道 沖縄との差に知事あ然 沖縄タイムス10/29 】
【辺野古「移設」 強権ぶりが目に余る 東京10/28】
【佐賀オスプレイ見送り報道 沖縄との差に知事あ然 沖縄タイムス10/29 】【東京】菅義偉官房長官は28日、政府が米軍普天間飛行場所属の米輸送機MV22オスプレイを使用した米海兵隊の訓練拠点を佐賀空港に移転する計画を見送る方針との報道に「(配備には)地元の了解を得ることが当然だと思う」との考えを示した。政府が見送りの判断に、佐賀県知事らの反発を踏まえたとする報道を受けた質問に答えた。
沖縄県の翁長雄志知事は前日の27日夜、記者会見で佐賀空港での訓練見送りについて「当然全部沖縄で(このまま)訓練することになるのだろう。(昨年の知事選前の)話くゎっちー(言葉のごちそう)」と批判。「沖縄の負担軽減のために訓練移転と言いながら、(本土で反対に遭うと)沖縄に戻ってくる」とし、政府の二重基準の対応にあきれかえった。
「普天間」配備をめぐっては2012年9月、10万人規模の配備反対県民大会が開催されたが同10月に強行配備。翌年1月には全41市町村長らが安倍晋三首相に撤回を求める「建白書」を渡したが、一顧だにされなかった
【辺野古「移設」 強権ぶりが目に余る 東京10/28】沖縄県民に対して何と冷たい仕打ちだろう。安倍内閣が名護市辺野古に米軍基地を新設するための手続きをまた一歩進めた。政権の方針に盾つくものは容赦しないという強権ぶりが目に余る。
米軍普天間飛行場(宜野湾市)の県内「移設」に反対する翁長雄志知事が辺野古沿岸部の埋め立て承認を取り消したことに対し、石井啓一国土交通相がきのう、処分の一時執行停止を決めた。
国交相はきょう知事に対し、取り消し処分を是正するよう勧告する文書を郵送し、知事が応じない場合、知事に代わって国が埋め立てを承認する「代執行」手続きに入る、という。
安倍内閣の対応は、もはや異常と言うしかない。
政府は八月上旬からの一カ月間を集中協議期間として、沖縄県側と対話する姿勢を見せていたが、結局、憲法違反と指摘される安全保障関連法成立を優先させる冷却期間にすぎなかったのだろう。
そもそも知事処分の執行停止の根拠となった行政不服審査法は、一般国民の権利を守るためのものだ。防衛省沖縄防衛局が私人として同じ内閣の一員である国交相に審査を請求したのは、やはり手続きに正当性を欠くのではないか。
県側は対抗策として、第三者機関「国地方係争処理委員会」に不服審査を申し立てる構えだが、新基地建設に向けた安倍内閣の強権ぶりは、これにとどまらない。
沖縄基地負担軽減担当相でもある菅義偉官房長官は二十六日、辺野古の新基地予定地に隣接し、条件付きで建設に賛成する地元三区長と会談し、地域振興の補助金を名護市を通さず直接交付する新たな枠組みをつくる考えを伝えた。
名護市の稲嶺進市長が新基地建設に反対する中、建設賛成の住民もいることをアピールする狙いがあるのだろうが、地方自治に対するあからさまな介入であり、地元分断策以外の何ものでもない。
国土面積の1%にも満たない狭隘(きょうあい)な県土に、在日米軍専用施設の約74%が集中し、沖縄県民は、日本や周辺地域の安全保障のために騒音や事件、事故など米軍基地に伴う過重な負担を強いられている。
安倍内閣はなぜ、この本質的な問題に向き合おうとせず、選挙で示された抜本的な負担軽減を求める民意をも無視し続けるのか。
強権的なやり方で移設を強行しても、県民と政府との溝を深め、日米安全保障条約体制の円滑な運営に支障をきたすだけである。
【<社説>新基地本体着工へ 民主主義破壊する暴挙 国は再考し撤回すべきだ 琉球新報10/29】防衛省は米軍普天間飛行場の名護市辺野古沿岸部への移設に伴う新基地建設の埋め立て本体工事に早ければ、きょうにも着手する。
新基地建設に反対する圧倒的民意を無視する暴挙であり、民主主義の破壊である。強く抗議する。
新基地建設の是非を最終的に司法に判断させる道を選んだのは安倍政権である。判決前に本体工事に着手することは、司法軽視であり許されない。
安保法制に続き、国民の安全よりも軍事を優先する安倍政権の危険な姿がさらに鮮明になった。沖縄だけの問題ではない。国民は座視してはならない。■ 協議打ち切りは無効
翁長雄志知事による前知事の埋め立て承認取り消しの効力停止決定、埋め立て承認の国による代執行着手、さらには埋め立て本体工事の通告など、新基地建設に向けた安倍政権の一連の対応は、沖縄の民意を無視する恥ずべき行為である。
県民は知事選をはじめとする一連の選挙で「新基地建設反対」の意思を明確に示した。その民意を踏みにじる安倍政権によって、新たな米軍基地が押し付けられ、基地被害の重圧に半永久的にさらされるかどうかの重大な岐路に立たされている。
戦後70年にわたり、過重な米軍基地負担に耐えてきた県民の声を無視し、さらに基地負担を強いる。こんな不条理がまかり通る国は、民主主義国家には程遠い。
沖縄以外であれば、知事が強く反対し、県民の大多数も反対する事業について工事を強行し、法廷闘争を視野にした代執行の手続きに着手することはないはずだ。沖縄に対する安倍政権の強権姿勢は常軌を逸している。
沖縄防衛局は前知事の埋め立て承認の条件ともいえる留意事項で義務付けた事前協議の打ち切りも県に通知した。
中谷元・防衛相は「県から『埋め立て承認を取り消したことから、協議はできない』旨の通知があった。よって協議は終了したものと考えている」としている。都合のいいように解釈するのはいい加減にすべきだ。
県は事前協議を中断しただけである。県は「事前協議が整わないまま、本体工事に入ることはできない」とし、事前協議を再開する方針である。国が事前協議から逃げるのならば、新基地建設計画は撤回すべきだ。
そもそも事前協議を打ち切るかどうかは、国に埋め立て承認を与えた県が判断すべきものだ。国の打ち切り通知は無効であり、県の求めに応じるのが筋だ。■ 適切な対応こそ重要
菅義偉官房長官は本体工事着手に関し「前知事の埋め立て承認により、既に行政判断は下されている。行政の継続性の観点から工事を進めていきたい」としている。
行政には継続性が必要なものと、見直さなければならないものがある。行政の長が継続性だけにとらわれては、住民のニーズに応えることなどできない。よりよい社会づくりのために、必要に応じて見直すことに何ら問題はない。その観点に加え、民意も反映させて各事案で適切に対応することの方がより重要である。
新基地建設の是非は一連の選挙で最大の争点だった。埋め立てを承認した前知事は支持されず、「新基地建設反対」を訴えた翁長知事は約10万票の大差で県民の支持を得たのである。
選挙結果に沿って見直すことを否定する官房長官の姿勢はいかがなものか。行政の継続性の必要性が全ての事項に当てはまるのならば、選挙の意味はなくなる。
安倍政権は民主党政権時代の施策を、行政の継続性を理由に何一つ見直さなかったのだろうか。それでは政権交代の意味もなかろう。いったん決まったことだからとか、米政府と約束したことだからという政権に、存在する意義や価値はない。安倍政権は再考して、新基地建設計画を撤回すべきだ
【社説[代執行と効力停止]不信招くあざとい手法 沖縄タイムス10/28】政府は27日、地方自治法に基づく「代執行」手続きの開始と、行政不服審査法に基づく埋め立て承認取り消し処分の「効力停止」を同時に、セットで打ち出した。
安倍政権が「敵・味方の論理」と「勝ち負けの発想」に凝り固まり、「知事権限を無力化した」と得意がっているとすれば、それこそ政治の堕落である。
県民の中に渦巻く政権不信と、強権的手法に対する激しい反発。なぜ自分たちだけこのような目に遭わなければならないのかという不全感と魂の飢餓感は、今やピークに達している。危険な状況だ。
翁長雄志知事が名護市辺野古沖の埋め立て承認を取り消したことについて、政府は27日、「承認になんら瑕疵(かし)はない」として地方自治法に基づき代執行手続きに着手することを決めた。28日に是正勧告の文書を知事に送付、それに従わない場合、国が裁判を提起する。
同じ日、石井啓一国土交通相は、埋め立て承認の取り消し処分を執行停止する、と発表した。これによって知事の埋め立て承認取り消し処分の効力は失われる。
27日夕方のニュース番組で、感想を求められた県内の女性は、驚きと不信感の入り交じった険しい表情で語った。
「じゃあ、私たちはどうすればいいの」
反対してもしょうがないかのように県民のあきらめを誘発するのが国のもう一つの狙いだということは、前日の動きからもあきらかである。
■ ■
政府は26日、名護市辺野古の新基地建設予定地に近い久辺3区(辺野古・豊原・久志)の代表を首相官邸に招き、2015年度から県や名護市を通さず直接、振興費を3区に支出する考えを伝えた。
県に対してはあらゆる手を使って権限を封じ込め、基地受け入れを表明した3区に対しては財政の支出ルールを変えてまで振興費を支出する。
メディアを通した印象操作であり、あまりにも露骨な「アメとムチ」の政策である。
問題はそれだけにとどまらない。
行政不服審査法は公権力に対して不服を申し立てる制度で、「国民の権利利益の救済」を目的としている。そもそも国に不服申し立てをする資格があるのか。
防衛省(沖縄防衛局)が行政不服審査法に基づいて国土交通相に審査請求と取り消しの効力停止を求め、国交相はその通りの結論を出す。公平性・客観性を欠いた猿芝居というしかない。
「手続き上、一般私人と同じ立場」だと沖縄防衛局は主張するが、安保法といい辺野古問題といい、安倍政権には「法の支配」を軽視した行政権力の行使が目立ちすぎる。
行政不服審査法の運用に当たっては「一私人」であることを強調し、地方自治法に基づく代執行手続きについては、一転して国の立場を堅持する。行政権力の行使があまりにも強引なのである。
効力停止の決定理由として国交省は「飛行場周辺の住民らが被る危険性が継続するなど重大な損害が生じる」ことを指摘する。いわゆる「一日も早い危険性の除去」論だ。
■ ■
はっきり言おう。長い普天間飛行場の歴史の中で危険性除去に熱心でなかったのは日本政府である。過去に何度か米側から在沖米海兵隊の撤退案が示されたことがあるが、そのつど反対したのは日本政府だ。
1996年の日米合意からすでに19年もたっているのである。「一日も早い危険性除去」が普天間返還の第一の目的であれば、普天間はとうに返還されていたはずだ。
安倍晋三首相が仲井真弘多前知事に口約束した「5年以内の運用停止」も雲散霧消してしまった。
政府が決まり文句のように強調する「唯一の選択肢」論も、海兵隊の分散化が進む現状を反映していない。辺野古移設にこだわる理由は米国の中でも失われつつあるのだ。
そもそもなぜ、「唯一」だなどといえるのか。辺野古に移さなければ日本の安全保障に致命的な悪影響を与えるとでもいうのだろうか。選択肢なき政策こそが大問題だ。
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