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再稼働  「政府が責任持つ」の実態=「これまでと同じ」(政府担当者)という無責任

  愛媛県知事は、安倍首相が「国が責任をもつ」と言ったことを評価し、再稼働に前のめりだ。

  「国が責任をもつ」という中身はなにか。7日の政府交渉より・・・、

○春名 「いったいなににどう責任を果たすのか?過酷事故が起こった際、賠償も事故処理も、元の生活にすべての被災者が戻れるまで国が責任を果たすのか」
○担当者 「これまでと同じで、法律の範囲で責任を果すということです」

 では実態はどうか・・・ まさに棄民政策というべきもの。

【<福島第1原発事故>東電と6県1市係争 損害賠償など  毎日10/12】
【汚染土仮置き相次ぎ延長 福島県内 中間貯蔵施設遅れ「3年期限」守れず  産経10/12】
【元の暮らしより五輪…福島で進む”棄民政策”に避難者の怒り  女性自身8/21】

【<福島第1原発事故>東電と6県1市係争 損害賠償など  毎日10/12】

 東京電力福島第1原発事故後、福島県を含む17都県と7政令市が放射線検査の経費など総額563億6000万円を損害賠償請求したところ、200億円余について東電が応じず、6県1市が原発ADR(裁判外紛争解決手続き)で係争中か近く申し立てる方針であることが分かった。住民や法人と比べて補償の枠組み作りが遅れているためで、自治体担当者は「国がもっと具体的に関与する必要がある」と指摘している。

 毎日新聞が全都道府県と政令市を対象に取材し、8月末時点の請求額や内容をまとめたところ、東北、関東地方は全ての都県と政令市が賠償請求、三重県や島根県も放射線測定の機器購入費などを請求していた。

 自治体関係者によると、東電は(1)水道、下水道など公営企業の減収(2)学校給食や農畜産物の放射線検査費(3)放射性物質を含む廃棄物の処理・保管費--など計362億9000万円分について賠償の対象と認めた。だが、項目によっては期限を切っている上に、福島県の住民税等減収分▽秋田県の風評被害対策費▽群馬県の被害者支援費などは応じていないという。

 こうした東電の姿勢に不満で迅速な賠償が必要として、青森、秋田、山形、宮城、千葉の5県が原発ADRを申し立て、群馬県と仙台市も近く申し立てる。岩手県は既に2億5000万円の支払いで和解した。

 東日本大震災の被災3県(岩手、宮城、福島)によると、県とは別に大半の市町村が賠償請求しており、総額は628億8000万円。このうち東電が賠償に応じているのは86億5000万円分にすぎなかった。3県以外の市町村も請求しているケースがあり、自治体請求は全国で1200億円を超えるとみられる。

 東電は取材に対し「原子力損害賠償紛争審査会の中間指針などを踏まえ、必要かつ合理的な範囲を賠償している」とコメントした。【土江洋範、五十嵐和大】

 ◇例がない広がり

 吉村良一・立命館大法科大学院教授(環境法)の話 自治体による企業への損害賠償請求としては金額、広がりともに過去に例がない規模で、原発事故の特質をよく表している。天災でも人災でも住民が困っていれば対応するのは自治体の本来業務だが、今回は長期に負担がかかり、本来業務を超えている。



【汚染土仮置き相次ぎ延長 福島県内 中間貯蔵施設遅れ「3年期限」守れず  産経10/12】

 東京電力福島第1原発事故後、福島県内の除染で出た汚染土などの廃棄物を一時的に保管する「仮置き場」が、続々と返却期限を迎えている。国は当初、期限を「おおむね3年」とし地権者と契約を結んでいたが、廃棄物を集約する中間貯蔵施設の用地買収交渉が難航しているため、仮置き場の契約延長を余儀なくされている。東日本大震災と原発事故は11日、4年7カ月を迎えたが、生活圏に点在する仮置き場の存在が、復興への大きな障害となっている。 (原子力取材班)

 環境省や福島県によると、仮置き場が設置されているのは、1134カ所(6月末現在)。このうち、国直轄で除染が行われる「除染特別地域」では、228カ所に約400万立方メートル(東京ドーム3・2個分)の廃棄物が保管されている。来年から3年の返却期限のピークを迎えることから、国は現在、使用延長に向けて地権者との交渉を本格化させている。

 9月末に仮置き場の返却期限を迎えた川内村では、延長に先立ち、住民説明会を2度開いて理解を求めた。しかし、地元の不満はくすぶっており、「村民との約束を果たせなかった」として、遠藤雄幸村長は10月から3カ月間、給与を50%減額する条例案を村議会定例会に提出した。

 村の担当者は「子供や孫のことを考えると、無期限の延長は不安という声は強い」と話す。

 一方、南相馬市では契約期限を迎えた仮置き場で、地権者の同意が得られず、代替地を確保せざるを得ない事態も発生した。環境省は「今後同様のケースが生じた場合も、必要な仮置き場を確保して対応していく」といい、平成28年度内の完了を目指す除染計画の推進を改めて強調した。

 仮置き場を延長せざるを得ない理由は、中間貯蔵施設の用地交渉が全く進んでいないことだ。建設予定地である同県大熊、双葉両町の地権者2365人のうち、8月末までに用地取得に応じたのは9人しかいない。登記簿の記載に不備が多く、所有者の半数近くと連絡が取れておらず、施設の建設見通しは立っていない。

【元の暮らしより五輪…福島で進む”棄民政策”に避難者の怒り  女性自身8/21】

「この『イノベーション・コースト構想』を成功させ、福島県に新産業を創出して、雇用を生み出したい。2020年東京オリンピック大会を当面の目標として、復興に取り組んでおるところです」

 福島の復興政策について説明するのは、内閣府原子力災害対策本部・原子力被災者生活支援チームの竹田憲氏。「イノベーション・コースト構想」とは、福島第一原発事故で避難指示が出された福島県の被災12市町村を中心に、廃炉関係などの最先端技術を集積させ、地域再生を目指そうという復興構想だ。

 政府が「オリンピック開催までを目標」にして、急ピッチで進める復興計画。しかし、その陰では、避難者が住む借り上げ住宅や仮設住宅の無償提供の打ち切りが決まっている。いまだ線量が高い地域に戻らざるをえない福島の被災者。さらに戻っても従来のコミュニティは崩壊し、先が見えない生活に不安は募る。まさに政府による“棄民政策”が進んでいるのだ。

「親にとっての本当の復興は、子供が被ばくの影響を受けることなく元気に成人し、幸せな人生を送っているのを見届けられたとき。それまでは安心できません。いまだに、飯舘村のウチの裏庭では毎時6マイクロシーベルトもあるんです。そんな自宅に戻れるわけがないでしょう」(飯舘村から福島市に避難中のYさん・30・2児の母)

 避難指示が解除される区域の住民は口々に不安を語る。しかし、住民の心配をよそに、政府は今年6月、「原子力災害からの福島復興の加速に向けて」という指針を閣議決定した。「年間1ミリシーベルト」と法令で定められているにもかかわらず、この指針では「年間被ばく量20ミリシーベルトを確実に下回る地域は、’17年3月までに避難指示解除する」と明記。

 また、東電から避難指示が出ている地域の避難者に支払われている精神的損害賠償(1人10万円)も’18年3月に打ち切られることが明記。さらに、これらの指針に合わせて、原発事故以降、避難者に無償提供されてきた借り上げ住宅や仮設住宅制度も、’17年3月から順次、打ち切ることが決まった。

 政府は、「被災者が元の生活に戻れるよう自立支援を行う」と言っているが、被災者からは、「国や東電が生活を奪っておきながら、“自立支援”だなんておこがましい」「住宅支援まで打ち切るなんて、事実上の兵糧攻めだ。国はわれわれを捨てるのか」と、いった怒りの声も聞こえてくる。

 しかし、住民の不安をよそに、福島県自体が、オリンピック誘致に躍起だ。福島市でも野球やソフトボールの誘致の予定がある。楢葉町にあるサッカーのナショナルトレーニングセンター「Jヴィレッジ」は、原発事故以降、原発収束作業の中継地点となってきたが、福島県は’18年までにJヴィレッジを再開すると明言。オリンピックのキャンプ地として選手団を呼び込もうと、約1億5千万円の予算を付けている。

 飯舘村の酪農家、長谷川健一さんが団長を務める「原発被害糾弾 飯舘村民救済申立団」は、国に対して、完全賠償と生活再建を実現させるための申し立てを行っている。この申し立てに、飯舘村民の約半数にあたる2千837人が参加。

「避難指示が解除されたら、われわれが住む仮設住宅や借り上げ住宅の支援も打ち切り。村に帰らざるをえない。でも、汚染された土地で作物を作っても、売れないから生活は成り立たねぇ。このままじゃ棄民だ。そう気づいたから、約半数もの村民たちが、申し立てに参加することになったんだ。とにかく国の言いなりになってハコモノをつくる前に、村民の生計が成り立つように、国や東電に補償させるほうが先だろう」(長谷川さん)

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