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労働生産性上昇も実質賃金低迷、欧米は上昇  労働経済白書2015

15日に発表された厚労省「2015年 労働経済の分析」〔労働経済白書〕
日経などは「雇用情勢は着実に改善」をタイトルにしているが、非正規雇用の拡大の結果。
白書には「ユーロ圏及び米国では実質労働生産性が上昇する中で実質賃金も上昇を続けているのに対し、我が国では実質労働生産性が上昇する中で実質賃金に伸び悩みがみられる。」 
その要因として「付加価値に占める営業利益の比率が高まる一方で」「人件費の比率(労働分配率)が低下」。
  
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【2015年 労働経済の分析  第2章経済再生に向けた我が国の課題  概要版】

【デフレ下における賃金の伸び悩みとその要因】

「・賃金伸び悩みの要因として、企業の付加価値に占める営業利益の比率が高まる一方で、特に2000年から2004年にかけて人件費の比率(労働分配率)が低下し、大企業において労働分配率が趨勢的に低下している。
 また、輸出価格の下落に伴う交易条件の悪化が、労働生産性上昇による賃金上昇圧力を相殺していることも賃金の
伸び悩みの要因と考えられる。」

「我が国のGDPの約6割を占める家計最終消費支出は、1990年まで雇用者報酬(賃金・俸給)と高い相関関係をもっ
ていたのが、1998年以降、年金等の社会給付が家計収入を下支えしている状況である。消費を喚起するためには、
企業収益が賃金に確実に分配されることが重要である。」


【本文から引用】

●企業の付加価値の分配先として、営業利益への分配が高まる

 上述のように、我が国においても1995 年以降では労働分配率の低下がみられるが、これは個別企業が商業活動を通じて生み出した付加価値の分配先が変化したためであろうか。
 ここからは我が国の企業の付加価値が具体的にどのように分配され、分配先として変化があったのかどうか検証していこう。ここでは、財務諸表ベースでみた付加価値の分配先として、
①企業利益(営業利益)、②資本への分配(減価償却費)、③労働者への分配(人件費)の3ルートが考えられることからその経年変化をみていく。

 財務省「法人企業統計調査」をもとに、営業利益・減価償却費・人件費の付加価値に対する寄与度の推移を第2-(1)-8図により確認すると、バブル崩壊後の1998 年以降、全体の付加価値の変化率に占める営業利益の割合が高まっていることが確認できる。一方、それ以前では、付加価値上昇率のプラスの寄与のうち人件費が大きな割合を占めていたが、98 年以降ショックによる付加価値の落ち込みの反動を受けた10 年、11 年においてはプラスに寄与する年もみられるものの、98 年以降はマイナス方向への動きもみられるようになったことが特徴的な変化といえよう。

 付加価値の内訳として営業利益の付加価値に占める割合を確認すると、1985 年から89 年の平均値が21.7%、90 年から94 年は18.7%、95 年から99 年は14.4%と推移したが、2000 年から04 年は16.0%、05 年から09 年は17.2%、10 年から14 年は18.4%と上昇傾向で推移している。
一方、付加価値に占める人件費の割合(労働分配率)については、1985 年から89 年が64.7%、90 年から94 年は66.8%、95 年から99 年には71.0 %となり、2000 年から04 年は68.7%、05 年から09 年は67.2%、10 年から14 年は67.7%と推移している。

●労働分配率のトレンドは大企業において低下傾向がみられる

 付加価値に占める人件費としての労働分配率の低下は、企業規模別にみるとどのように評価できるだろうか。

 第2-(1)-9図により企業規模別に動きをみていくと、まず1985 年から2014 年にかけての労働分配率のトレンドとして、中小企業では上昇傾向がみられる一方で、大企業においては低下傾向がみられる。大企業における労働分配率の動向には構造的な変化が起きている可能性があり、その背景としてはグローバル競争に直面している大企業ほど、労働への分配を抑制ではその割合は低下するとともに、景気回復期の2004 年から07 年にかけて、またリーマンショックによる付加価値の落ち込みの反動を受けた10 年、11 年においてはプラスに寄与する年もみられるものの、98 年以降はマイナス方向への動きもみられるようになったことが特徴的な変化といえよう。

 付加価値の内訳として営業利益の付加価値に占める割合を確認すると、1985 年から89 年の平均値が21.7%、90 年から94 年は18.7%、95 年から99 年は14.4%と推移したが、2000 年から04 年は16.0%、05 年から09 年は17.2%、10 年から14 年は18.4%と上昇傾向で推移している。一方、付加価値に占める人件費の割合(労働分配率)については、1985 年から89 年が64.7%、90 年から94 年は66.8%、95 年から99 年には71.0 %となり、2000 年から04 年は68.7%、05 年から09 年は67.2%、10 年から14 年は67.7%と推移している。

●労働分配率のトレンドは大企業において低下傾向がみられる

 付加価値に占める人件費としての労働分配率の低下は、企業規模別にみるとどのように評価できるだろうか。
 第2-(1)-9図により企業規模別に動きをみていくと、まず1985 年から2014 年にかけての労働分配率のトレンドとして、中小企業では上昇傾向がみられる一方で、大企業においては低下傾向がみられる。大企業における労働分配率の動向には構造的な変化が起きている可能性があり、その背景としてはグローバル競争に直面している大企業ほど、労働への分配を抑制し、省力化投資等による資本への代替を進める流れが強まっていることが指摘されている 。

●当期純利益の分配先としては、内部留保に比して配当金に向ける割合が高まっている。また、当期純利益が増加する中で、内部留保も増加している

 このようにして高まってきた企業利益は、さらにどのように分配されているのだろうか。
当期純利益の分配先としては、役員賞与・配当・内部留保(利益剰余金)14 15 が考えられるが、第2-(1)- 10 図で示されるように、2000 年以降、配当金の割合は大きく上昇した。また、当期純利益が増加する中、内部留保も増加していることが分かる。

 なお、内部留保と固定資産等を重ね合わせてその動きをみていくと、第2-(1)- 11 図で示されるように、当期純利益が増加する中において、内部留保が増加傾向にある中、1990年代後半から1年以内に売却予定のない有価証券への投資の伸び幅が高くなっていることが分かる。この傾向は特に大企業において顕著となっている。


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