TPP大筋合意見送り 各国人民の闘いの成果
大筋合意見送りに、産経は“安倍晋三政権の経済政策「アベノミクス」にとっても大きな痛手となる。”と報道。めでたいことである。
各国で築き上げてきた労働、安全、環境などのルールを無きものにし、国家主権・国民主権を蹂躙する、多国籍企業のための枠組みであるTPP。各国の人民のたたかいが圧力となり、安易な妥協をさせなかった成果である。
経済・社会生活をアメリカに売り渡すのがTPPのとん挫。次は、日本の若者の命と税金をアメリカに差し出すのが戦争法案。
【TPP交渉、大筋合意見送り 日本の通商戦略に打撃…メガFTA交渉失速も 産経8/1】環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉が31日に大筋合意できなかったことは日本の通商戦略にとって大きな打撃となる。安倍晋三政権は自由貿易の推進を成長戦略の柱として位置付け、TPPなどメガFTAと呼ばれる巨大自由貿易協定の拡充に注力している。だが、牽引役のTPPがここにきても合意に失敗したことで、他のメガFTA交渉も失速が避けられない。
日本が進めるメガFTAには、TPPのほか欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)や東アジア地域包括的経済連携(RCEP)と日中韓FTAがある。
EUと進めるEPA交渉では日欧の首脳が5月の会談後に出した声明で「2015年末までの合意」を目指すと宣言した。実現すれば、世界の総貿易額の約35%を占めるメガEPAとなり、TPPの約25%を上回る。
ただ、日欧の関税交渉は昨年4月に品目ごとの撤廃や引き下げ提案を出し合って以来、にらみ合いが続く。RCEPも年内妥結が目標だ。日中韓と東南アジア諸国連合(ASEAN)など計16カ国が参加し、世界総人口の半分近くを擁する巨大な貿易圏を目指している。だが、これも先進国と途上国が混在するため容認できる貿易自由化水準の差が大きく、交渉は停滞気味だ。
世界貿易機関(WTO)の新多角的貿易交渉(ドーハ・ラウンド)も参加国・地域の思惑の違いから進んでおらず、7月31日にジュネーブで開かれた貿易交渉委員会でも関税削減などの分野の合意に向けた「作業計画」について、意見がまとまらず策定できなかった。13年に採択された閣僚宣言で今年7月末までの策定を掲げていたが、目標を達成できなかった。
ある政府高官は「TPPがまとまれば、EUや中国などは日本市場での競争条件が不利になりかねないと焦り、日本とのEPAやRCEP交渉に取り組んできた。TPPが駄目なら、他の交渉に悪影響が及ぶ」と懸念する。
来年に次期大統領選を控える米国の政治日程などを踏まえると、今回の閣僚会合で合意しなければ、合意が一気に遠のくとの見方は強い。日本の通商戦略が見直しを迫られるだけでなく、安倍晋三政権の経済政策「アベノミクス」にとっても大きな痛手となる。
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