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TPP閣僚会合もう一回?期限はとっくに切れている 農業情報研究所

 これが最後の会議と、 「最終合意」でなく、「大筋合意」をめざしたハワイの閣僚会議は合意にいたらなかった。
甘粕大臣は、8月中に会議を模索するといっていたが、それも難しいとなっている。
「最後の会議」の意味を示す、パブリック・シチズンの「TPP投票カレンダー」を、農業情報研究所が邦訳してくれている。
 ハワイ会議で少なくとも大筋合意しなければ、米国議会の年内審議にまにあわず、大統領選にずれこみ、米国内でも批判の少なくないTPPは「漂流する」と見られているからである。
それに、オバマ大統領は、“TPP合意”の成果を得ようとし、アメリカが重視する「人権」についての国務省報告を操作〔マレーシアの評価が一段あげて、制裁対象から外し、貿易協定可能の国に〕したと報じられ、議会の反発は強烈なものになると見られている。

  また、次々と譲歩を繰り返す日本政府の姿があらわになった。
  TPPの本質を広げ息の根を止めるとともに、注意すべきは日米交渉での危険な譲歩。これを阻止しなければならない。

【TPP閣僚会合もう一回?期限はとっくに切れている パブリック・シチズンの「TPP投票カレンダー」 8/6】
【TPP「最終」閣僚会議を前に  TPP阻止国民会議コメント 7/28】

【焦点:弱められた米人身売買報告書、TPPや国交回復が影響か  ロイター8/6】

【TPP合意見送り/「譲歩」めぐる説明が必要だ  河北新報 8/2】


  なお、日本はNZを悪役にしているが、NZは、国益を主張しだだけであり、しかも、関税・非関税障壁ゼロというTPPの協議を開始した最初の4カ国の1つ。アメリカも日本も、そのルールを認めてあとから参加した国である。しかも、NZの要望は、この原点からはきわめて限定的な要望である。

【TPP閣僚会合もう一回?期限はとっくに切れている パブリック・シチズンの「TPP投票カレンダー」 8/6】

 これが最後となると言われたハワイ閣僚会合でも、TPP交渉はついに最終合意に至らなかった。それでも、残る難題は知的財産権だけ、あとは決着済みか、短期で決着できるとして今月中の再度の閣僚会合が模索されている。

TPP 残る難題 知財だけ 甘利担当相 閣僚会合は進展前提(日本農業新聞 15.8.5)など。

しかし、知的財産権の問題は、米国が新薬の保護期間を12年(オーストラリアは5年)に延ばすという主張を変えないかぎり、まず決着はあり得ない。さりとて、米国がこの問題で譲歩すれば、米国議会によるTPP承認はあり得ないだろう。ファストトラック法は反対していた一部共和党議員が支持に回ることで辛うじて成立したが、この譲歩で多くの共和党議員もTPP反対にまわるからである。

 それよりもなによりも、8月中に決着にこぎ着けたとしても、それで今年中の米国議会審議に間に合うのかということだ。ハワイ会合が最後の会合と言われたのは、7月中に決着しなければ米国議会のTPP審議が大統領選挙年の来年にずれこみ、TPPが長期間漂流すると見通されたからだ。もう一回会合を開けばTPPの将来が見えてくると思っているのだとしたら、諦めが悪いだけでなく、甘すぎる。

 なぜハワイが最後だったのか。往生際の悪い人のために、ハワイ閣僚会合に先立ち、7月23日に発表された米国パブリック・シチズンの「TPP投票カレンダー:オバマ政府の2015年議会TPP投票をめぐる誇大宣伝はファストトラック法のタイムラインに調和しない」を紹介しておく。

TPP Vote Calendar-Obama Administration Hype About a TPP Vote in 2015 Does Not Comport with Fast Track Timelines,Public Citizden,15.7.23

(以下、翻訳または要旨)

 TPP主唱者は議会が2015年中にTPP(環太平洋パートナーシップ)協定を投票にかけることを切望している。しかし、そうするためには、ファストトラック法が要求する通知期間と投票に先立つリポートの時間枠を前提とするかぎり、TPP交渉―およびTPP協定文書(テキスト)そのもの―が7月末までの完成していなければならない。TPP調印の意志が8月1日までに議会に通知されるならば、TPPに関する最終投票は議会12月会期の最終週に行われる可能性がある。

ファストトラック法ルールの下での最速のタイムラインを想定、またTPPの影響に関する国際貿易委員会(ITC)のリポートが過去のいかなる協定の場合よりも早く完成すると想定すれば、投票は調印の意志の議会への通報のおよそ4ヵ月半後に行われ得る。
従って、交渉は7月28-31日の閣僚会合で妥結せねばならず、テキストも調印の意図を8月1日までに伝えるために用意されていなけれなならない。このテキストは8月31日には公表されねばならない。これにより、12月14日の週の投票が可能になる。それ以後、議会は休会に入り、投票は2016年にずれこむ。

投票が2016年の大統領選挙年にずれこめば、不人気なTPP賛成投票の政治的コストがエスカレートする。民主党、共和党の大統領候補は既にTPP攻撃を始めており、彼らの公然たる批判は一層の雇用喪失という協定の脅威への公衆の注目を生み出すだろう。2016年のTPP投票は、2016年11月の議会選挙で投票者がTPP賛成投票者を罰するリスクも増やす。

○ ミニマム時間枠:交渉妥結と議会での投票の間隔は4ヵ月半

 この仮説的タイムラインは、過去の貿易協定で起きたより早いキーポイントの通過と、行程を妨げるいかなるハプニングも起きないことを想定している。これはファストトラック法の下でのTPP投票の最速のタイムラインである。

○もしTPP“合意”(Deal)が7月31日、“最終”TPP閣僚会合で発表さされるとしたら・・・

 最終“合意”が発表されたとしても、最終テキストはあり得ない。知的財産権や投資のようないくつかの重要な章では政策ルールを述べる条文になお異論が残っている。市場アクセス問題や原産地規則の問題も未解決の部分が残っている。投資、国有企業、サービス、政府調達の章について、例外やコミットメントに関するすべてのスケジュールも完成しているわけではない。最終テキストは仮調印のために利用できないだろう。議会はテキスト調印の意志の通知を受けることができない。しかし、今はテキストが存在し、通知が可能と仮定しよう・・・。

○ もしもテキストができ、8月1日に調印の意志が議会に告げられたら・・・

迅速な妥結に疑問を投げかける未解決の問題に関するTPP各国大使のコメントにもかかわらず、交渉妥結とテキストの具体化のあり得る最短の時間枠を想定すると、テキストは8月1日に仮調印されねばならず、オバマ大統領は調印の意図の通知から90日後、10月30日にテキストに調印することになる。
 ファストトラック法は大統領に対し、協定調印の少なくとも90日前に議会に通知するように要求している。また、調印前のこの90日の間に、大統領は存在するはずの協定の詳細をITCに提供せねばならず、ITCに協定の経済影響のアセスを要請しなければならない。オバマ政府は最終協定の詳細を提供できなくてもアセスをするようにITCに要請しているが、ITCは最終協定なしでもアセスすることが要求を満たすことになるかどうか回答を拒否している。

○もしも8月31日にテキストが公表されたら・・・

(以下要旨のみ)
 ファストトラック法は調印の意志の通知から30日後にテキストを公表することを要求している。これは、通商代表部が実際には最終テキストが存在しないのに存在すると主張する人を欺くことができる時間が30日しかないことを意味する。ということは、最終テキストは調印の意志を告げる前に出来上がっている必要があるということだ。

○ もしも10月30日にテキストに調印されたとしたら・・・

 これは後に紛争の種を残さないようになされる最終テキストの法的精査の時間が90日しかないことを意味する。最終テキストが英語だけならそれは可能だが、他の言語が加わるとどれほど時間がかかるか分らない。
 ファストトラック法は、調印したテキストを議会に送った後、少なくとも30日待って協定実施法を提案するとしている。大統領はTPPの最終法的テキストのコピーを議会に提出した30日後、協定実施法案、実施法に伴う米国法の変化の説明・・・を議会に提出することになるだろう。

○ もしもTPP実施法が11月30日に提出されたら・・・

 ITCがTPPの経済影響評価を完成することが要求される。これは法的義務ではないが、影響評価を待って貿易協定を考えるのが議会の常である。

○ 論争が少ない既存貿易協定に関する投票についての議会の通例に従うと、TPPに関する最終投票は議会が休会に入る前の最後の週、12月14日に始まる週に行われる可能性がある。


【TPP「最終」閣僚会議を前に  TPP阻止国民会議コメント 7/28】

TPP阻止国民会議事務局長 首藤信彦

1.TPP大筋合意を目指して閣僚会合

いよいよ何度も間近と言われた「TPP大筋合意」を目指してTPP閣僚会合がハワイで開催される。「これが最終回」との触れ込みで、現地はメディ アの記者や応援団であふれかえっている。。。とのこと。日本では「合意間近」というようなニュースが多いが、各国メディアそしてアメリカのメディ ア・識者は慎重論がほとんどという不思議な状況。当たり前だが、今回の「最後の」TPP閣僚会議は「TPP最終合意」の調印ではなく、「大筋合意」を目指している。
  添付のパブリックシチズンの分析は、万一今回会談が奇跡的に成功して「最終合意」となった場合でも、すでに今年中の協定調印は困難であることを冷静にタイムラインを述べたものである。これを見る限り、たとえ今回、最終合意に持ち込めたとしても、すでにタイムアウトに近いことが理解できるで あろう。

2.国務省のマレーシア人権状況評価

 マレーシアは昨年の国務省報告で、人権・人道上問題のある国Tier3に位置付けられ、貿易協定どころか、制裁対象となっていた。このままで はマレーシアとの協定は結べないところから、6月発表予定の国務省報告を遅らせ、政策的にマレーシアの状況をTier2に改善した国務省報告が会 議の直前、7月27日(月曜)に発表された。この間、マレーシアではロヒンギャ難民の大量虐殺墓が発掘されるなど、状況改善どころか評価悪化の状況で、この発表はアメリカ議会の強い反発、それに各国人権人道団体からのオバマ政権非難の嵐となっている。
  6月にTPA法案が成立した時点では、追加して「税関法」を成立させ、大統領の特認でマレーシアの交渉参加の道を残す予定であったが、肝心の税関法の審議入りも予定立たず、やむなく、国務省報告の操作という危険な賭けにでたものだ。
 見方によれば、ここまでオバマ大統領はハワイ会議による「合意形成」に賭けていると評価する者もいると思うが、この人権条項操作はアメリカの人権人道政策自体の信頼性も損なうものであり、アメリカ国内諸団体および議会の反発は強烈なものとなろう。このような状況で、TPP協定が議会を通過するとは容易に考えられない。この辺から、オバマ大統領はTPP条約の発効より、「TPP合意という外交成果」を目指しているという穿った見方も 出ている。

3.危険な二国間交渉

ハワイ会議ではTPP合意自体、不透明感があるが、そのような状況下でも、日米二国間協議だけは進展し、日本側が農業・自動車などでアメリカに歩み寄る可能性は強い。見方を変えれば、アメリカ側はそうした即効のある利益:Cash を獲得することに注力しているのではないだろうか。
  先日海釣りに行ったとき、カワハギ釣りを見た。目がよく、頭もよく、口の細いカワハギはエサばかりとって、なかなか釣り針に引っかからない。そこ で、エサを上部に仕掛け、それを食べに集まったカワハギを下の針で自然にひっかける工夫だ。瞬間、TPP交渉が頭に浮かんだ。。。。

【焦点:弱められた米人身売買報告書、TPPや国交回復が影響か  ロイター8/3】

ロイターは、首都ワシントンや他国の首都にいる10人以上の関係者に取材。そこから浮かび上がってきたのは、中立の立場で同報告書を作成する国務省人身取引監視対策部の判断が、上級外交官によってたびたび却下され、戦略的に重要な国の評価を引き上げるよう圧力を受けていた実態だ。
・・・・・

<TPPと国交回復>
米人身売買報告書をめぐり、国務省内部でかつてないほどの不和が生じていることは、同省がマレーシアの評価を引き上げる方針だという前述のロイター報道の後で明らかになり始めた。
同国では今年に入り、タイとの国境近くで人身売買の被害者とみられる多数の遺体が埋められているのが発見された。また、複数の人権団体は、パーム油や建設、エレクトロニクス産業で強制労働が続いていると報告している。ついこの4月には、ユン駐マレーシア米国大使が人身売買の取り締まり強化を求めていた。
米当局者たちは、マレーシアの評価引き上げに政治的配慮が働いたとする見方を否定している。人身取引監視対策部を監督する立場にあるセウォール国務次官は記者会見で、マレーシアの引き上げがTPP交渉と関係しているかとの質問に「ノー」と答え、引き上げは人身売買問題への取り組みを評価する基準に基づくものだと説明した。

マレーシアの評価が最低ランクの「Tier3」のままだった場合、オバマ大統領が進めるTPPの障壁となった可能性がある。TPPは同大統領の「アジア重視」政策に欠かせない一部を担っており、6月にはTPP妥結に不可欠とされる、米大統領の貿易促進権限(TPA)法案が成立したが、同法案には報告書で最低ランクに分類される国との通商協定を禁じる条項が盛り込まれている。
議会筋や国務省当局者らによれば、人身取引監視対策部の専門家たちは、マレーシアで人身売買に関する有罪判決が減少しているとして、同国の評価を「Tier3」にとどめることを提言。強制労働を撲滅する同国政府の取り組みの一部は、約束だけで行動を伴っていなかったと強調したという。


【TPP合意見送り/「譲歩」めぐる説明が必要だ  河北新報 8/2】


 環太平洋連携協定(TPP)交渉が決着をみるのかどうか。大きなヤマ場とされた米ハワイでの参加12カ国による今回の閣僚会合でも、大筋合意は見送られた。
 米国の次期大統領選が本格化することなどから、この機会を逃せば交渉が「漂流」しかねないとして、日米が「最後の」と位置付けて臨んだ閣僚会合だった。
 だが、発展段階も国内事情も異なる各国の経済状況を背景にした利害の対立を、今回も乗り越えることはできなかった。両国の前のめりの姿勢とは裏腹に、日米はむしろ影響力の低下を露呈した形となったのではないか。
 その中で見逃すことができないのは、交渉全体の合意を前提としながらも、対米協議を中心に、次々と明らかになった農産物をめぐる日本の譲歩姿勢である。
 国会が「聖域」として貿易の現状維持を決議した重要5農産物について、コメは無関税の特別輸入枠を当初より拡大すること、牛・豚肉は段階的とはいえ関税を大幅に引き下げること、乳製品の低関税輸入枠を設けること、小麦の事実上の関税を引き下げること-を提案したとされる。
 交渉に関する情報の非開示、つまり「秘密主義」と相まって、農業者の「不安と不満は沸点に達している」(全国農業者農政運動組織連盟・加倉井豊邦会長)。
 政府は、そうした農業者らの不安と不満、そして不信と正面から向き合うべきだ。
 一連の提案は、国会決議と整合性がとれていると判断しているのかどうか。それらの提案が実現した場合、国内農業は各分野でどれほどの影響を受けるのか。その対策は。
 そうした疑問について、丁寧な説明が要る。農業者が抱く不安は、将来にわたる営農継続の意思と深く関わる。そのことは、国会決議が危惧する「食料自給率の低下、地域経済・社会の崩壊を招くとともに、景観と国土の保全という多面的機能を維持できなくなる恐れ」につながるのだ。
 そうした恐れはないのか。国会決議は、聖域が確保できないときは脱退も辞さない決断を政府に求めている。そのことも選択肢の一つにして、譲歩の輪郭が見えた今こそ、政府の説明を基に国民的議論をすべきときではないのか。
 というのは、交渉の行方は予断を許さないとはいえ、各国が模索する次回閣僚会合が今月末までに開かれれば、日本がさらなる譲歩に踏み込む懸念があるからだ。
 今回の会合で大筋合意が見送られた最大の要因は、新薬のデータ保護期間をめぐる米国とオーストラリア・新興国などとの対立という。
 安価な後発薬開発のため保護期間を短くしたい国々に対し、自国大手製薬会社の利益を優先する米国は長期を求め譲らなかった。加えてニュージーランドが、日本を含む各国に乳製品の大幅な市場開放を求めたのも一因とされる。
 自ら譲歩し交渉をまとめることより自国産業の利益にこだわる米国も、乳製品大国のニュージーランドなども強硬姿勢なのである。日本が早期合意に固執するなら、今以上の譲歩を強いられかねまい。

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