オスプレイ 砂ぼこり、火災誘発のリスク
ハワイ事故は、強烈なダウンウォッシュが巻き上げた砂ぼこりをエンジンが吸い込んで出力低下したため。また、高温の排気熱のために火災を起こす可能性が高いことを米空軍の環境影響評価書が認めた。
災害現場の活用は不向きであることがあらためて明らかになった。
失速の危険から、下降できる高度が通常のヘリの3分の1に制限されるなど機動性でも劣っている。今後も日米共同防災訓練への参加が画策されるだろうが、反対の根拠がまた積み上がった。
【オスプレイ着陸事故、砂が原因? 米海兵隊が規則変更 沖縄タイムス7/19】
【オスプレイが火災誘発の恐れ 米公文書、他機種より高いリスク 沖縄タイムス 7/13】
【オスプレイ着陸事故、砂が原因? 米海兵隊が規則変更 沖縄タイムス7/19】【平安名純代・米国特約記者】米オンライン軍事専門誌「ブレイキング・ディフェンス」は16日、ハワイ州で5月17日に死者2人を出した海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの着陸失敗事故を受け、海兵隊が再発防止対策としてオスプレイの着陸に関する飛行規則を変更したと報じた。
海兵隊は現在も事故原因は調査中としており、詳細を公表していない。同誌は、事故機が着陸直前に約45秒間にわたりホバリング(空中停止)した際、左エンジンが地上から巻き上がった砂ぼこりを吸い込んで停止。右エンジンも同様に砂を吸い込んでいたため出力が低下し、着陸に失敗したと伝えた。
海兵隊はこれまでオスプレイの着陸に関する飛行規則で、砂ぼこりで視界不良となり、60秒以内に着陸できない場合は、エンジンが砂を吸い込んで出力が低下するなどの恐れが生じるため、着陸を中止するよう定めていた。しかし、今回の事故を受け、これを60秒以内から「30秒以内」に短縮。再発防止のために厳格化した。
海兵隊はオスプレイに構造上の欠陥はないと主張している。同誌は、同機の製造元がエンジンの砂を除去する吸気口フィルターの改良版を開発中と指摘していることから、問題が認識されていた可能性もある。
海兵隊は事故後も機体の安全性に問題はないとし、米軍普天間飛行場や県内各地でもオスプレイの飛行を継続している。
海軍安全センターが公表したデータによると、ハワイで起きた同事故の被害規模は、最も重大な「クラスA」に指定されている。
【オスプレイが火災誘発の恐れ 米公文書、他機種より高いリスク 沖縄タイムス 7/13】【平安名純代・米国特約記者】米フロリダ州などメキシコ湾周辺における訓練空域拡大を図るため、米空軍が6月末に公表した最終環境影響評価書(FEIS)のなかで、垂直離着陸輸送機MV22オスプレイが他航空機と比べ、火災を起こす可能性が高いと認めていたことが10日までに分かった。
オスプレイのエンジンの排気熱などによる火災をめぐり、これまで専門家らはその危険性を指摘してきたが、米軍が公式文書で具体的対応策にまで踏み込んだのは初めてとみられる。
同FEISによると、オスプレイは他の航空機よりも山火事を起こす危険性が高く、エンジンからの排気熱によるダウンウォッシュ(下方への風圧)で火災を起こす可能性があると指摘。2013年6月にノースカロライナ州で海兵隊仕様のMV22オスプレイが訓練中に草地が燃える火災が発生した例を引用し、「山火事が起きる可能性を回避するには、火災が起きる可能性がある日中の訓練の規制、または小さな火災でも拡大する前に消火活動などの対応が可能な人員を追加すること」などと具体的な対策を挙げている。
13年6月のノースカロライナ州での火災をめぐり、同基地広報は当時、「排気管の熱が火災を誘発したとみられる」などと述べたものの、機体がわずかに焦げた可能性はあるが、ひどい損傷はないなどと説明していた。
その後、海軍安全センターは同事故の原因について、「着陸対応のなされていない地面への着陸の際に起きた火災で被害を受けた」とし、損害額について被害規模が最も重大な「クラスA」に指定していた。
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