法案の肝は米軍支援。兵站は戦争そのもの
国民の批判におされて、参院では自民党の質問時間を増やし、中国、北朝鮮の脅威を煽り立てている。
それは、個別的自衛権の問題。今回の法案とまったく関係ない。そもそも日本海側に原発を並べ、その維持する立場を「問題視」しないのだから・・・・ 支離滅裂である。
さかんに日本防衛に関する対応だというが、法案の肝は、アメリカの戦争に世界中で軍事支援できること。それはアメリカが率直に語っている。
・米海軍トップのグリナート作戦部長は、日米軍事協力に、「全く新しい一章を刻む」、
・米国家安全保障会議のメデイロス・アジア上級部長は、戦争立法を前提とした米防衛協力指針の改定によって「日本の役割が著しく拡大し、日本が米軍を広範囲に支援する仕組みが整う」「日米同盟の運用に歴史的な変更が加わる」。 小池質問がその本質を明らかにした。
【空母部隊との連携に期待=武居海幕長と会談-米海軍トップ 時事7/30】
歴代内閣談話継承を 米高官 首相訪米前に強調 東京 4/25】
【兵站は戦争そのもの 「命がけ」と米軍文書 アフガン・イラク 補給で死傷者3000人超 戦争法案 小池議員が追及 参院安保特委 赤旗7/30】
【後方支援めぐり憲法論争=野党「米軍と一体化」指摘-参院特別委 時事7/29】
イラクの後方支援は、かなり距離のはなれた、非戦闘地域で水供給、学校修復など民生支援であった。今回は文字とおりの兵站活動である。
今度は、戦車、飛行機、ミサイルなど輸送を出来、弾薬、ロケット弾など提供・輸送でき、攻撃にむけて準備中の戦闘機へ給油もできる。これは武力行使そのものである。
弾薬、ミサイル、燃料がない戦闘機や戦車は、ただの鉄の固まりでしかない。食料・水など補給がなければ人もうごけない。兵站なくしては戦闘能力ゼロとなる。
昨日の議論で政府は、「安全な地域でおこなう」という主張をさかんに展開していたが、安全性の問題は別レベルの問題で、兵担という武力行使、軍事行動の本質から逃げている。
【空母部隊との連携に期待=武居海幕長と会談-米海軍トップ 時事7/30】29日、ワシントン市内で開かれた特別儀仗(ぎじょう)式典に臨む武居智久海上幕僚長(中央)
【ワシントン時事】武居智久海上幕僚長は29日、ワシントン市内で米海軍制服組トップのグリナート作戦部長と会談した。グリナート氏は会談に先立ち、集団的自衛権の行使容認を定めた安全保障関連法案の成立を通じ国防政策の転換を図る安倍政権の姿勢について、空母打撃群との連携を含め、海上自衛隊と米海軍の関係の「全く新しい一章」を刻むことになると歓迎する意向を示した。
グリナート氏は武居海幕長を迎える特別儀仗(ぎじょう)式典で、政策転換に関し「集団的自衛(の実現)に向けたこれまでにないレベルの協力の扉を開く」と強調。記者団の取材に対し、新たな協力を見込む分野として、ミサイル防衛や機雷対策、空母打撃群との連携などを挙げた。
グリナート氏はまた、南シナ海情勢について、中国による岩礁埋め立てが一段落し、「戦略的均衡状態」にあるとの認識を示した。
【歴代内閣談話継承を 米高官 首相訪米前に強調 とうきょぅ4/25】【ワシントン=青木睦】ローズ米大統領副補佐官(国家安全保障問題担当)は二十四日、安倍晋三首相の訪米を前に電話による記者会見を行い、歴史認識問題について「われわれは過去の日本の談話と合致させて歴史問題に建設的に取り組むよう安倍首相に働き掛けてきた」と述べ、村山談話や河野談話などを引き継ぐよう促した。
米国家安全保障会議(NSC)のメデイロス・アジア上級部長は同じ会見で、二十八日の日米首脳会談では「沖縄駐留米軍に関する合意を順守する重要性を協議する」と述べ、米軍普天間(ふてんま)飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)の名護市辺野古(へのこ)への移設を確認することを明らかにした。
メデイロス氏は日米が二十七日に最終合意する日米防衛協力指針(ガイドライン)の改定によって「日本の役割が著しく拡大し、日本が米軍を広範囲に支援する仕組みが整う」と指摘。「日米同盟の運用に歴史的な変更が加わる」と評価した。
環太平洋連携協定(TPP)については、アトキンソン大統領副補佐官(国際経済担当)が、首脳会談では最終合意に達することはないとの見通しを示した。
【兵站は戦争そのもの 「命がけ」と米軍文書 アフガン・イラク 補給で死傷者3000人超 戦争法案 小池議員が追及 参院安保特委 赤旗7/30】「対テロ戦争の現場では兵站(へいたん)ほど狙われやすい。これが実態だ」―。日本共産党の小池晃議員は29日の参院安保法制特別委員会で、兵站がテロの格好の標的となったアフガニスタン戦争やイラク戦争の実態を突きつけて、これまでの歯止めを外して「戦闘地域」での兵站(後方支援)を行う戦争法案の危険性を浮き彫りにしました。
アフガン、イラクでの補給任務中の死傷者は、2003~07米会計年度の5年間、米陸軍だけで3046人に達しています。小池氏は、07年度に行われた米陸軍の補給任務のうち、燃料の輸送は24回に1人、水の輸送は29回に1人の割合で死傷者が出ていることを指摘。「戦場での燃料・水の補給は命がけ」と書いた米陸軍環境政策研究所のレポートを示し、「兵站がどれほど危険か認識しているのか」とただしました。
安倍晋三首相は「戦闘行為が発生しないと見込まれる場所を実施区域に指定した上で(自衛隊は)後方支援を行う」と答弁しました。しかし、小池氏が「法律にはそんなことは一言も書いていない」とただすと、中谷元・防衛相は「法案の記述はない」と認めました。小池氏は「法案にないことを、あるかのように発言する態度が国民の不信を招いている」と厳しく批判。さらに、アフガンでは、米軍以外の軍隊の犠牲者の6割から8割が道路に仕掛けられたIED(即席爆発装置)によって死亡したことを示し、「『戦闘現場』でなくても、突然の爆発で吹き飛ばされる。一瞬にして戦闘現場になるような対テロ戦争での兵站で『安全な場所で行うから大丈夫』などという議論が成り立つはずがない」とただしました。
首相は「諸外国には犠牲者が出ているが、わが国は(イラクのサマワで)一人の犠牲者も出ていない」などと主張しました。小池氏は「(従来禁止されていた)『戦闘地域』にまで活動範囲を拡大しようとしているのが今回の法案だ」と批判。憲法違反の戦争法案は廃案にするよう主張しました。
■米軍の対潜作戦支援 防衛相認める 小池氏、海自文書を暴露
米軍ヘリが海自ヘリ空母の艦上で給油を受けながら対潜水艦作戦を行う―。海上自衛隊が戦争法案による米軍等への支援活動の拡大を前提に、このような事例を想定していたことが判明しました。日本共産党の小池晃議員が、海自幹部学校作戦法規研究室が作成した部内向け説明資料「平和安全法制案について」(6月)を独自に入手し、29日の参院安保法制特別委員会で明らかにしました。
中谷元・防衛相は当初、同資料について「(防衛省が)公表した資料ではない」と確認を拒否したものの、小池氏の追及を受け、「対潜水艦作戦における後方支援の一つをイメージとして表したもの」と認めました。
資料では、重要影響事態法と国際平和支援法(海外派兵恒久法)の2法案の「実際の運用を踏まえたイメージ」として、米軍の対潜哨戒ヘリが敵潜水艦の探知・攻撃を行い、敵潜水艦の魚雷の射程外では海自のヘリ空母(DDH)が米軍ヘリに燃料補給で支援する図が描かれています。(上図)
戦争法案でこのような共同作戦が可能になるかとの小池氏の質問に、防衛相は「魚雷等の攻撃を受けない安全な場所で活動を行う」と認めました。小池氏は、国会に一度も示されたことがない事例が自衛隊内で先取りで説明されていることについて「重大問題だ」と批判し、陸自、空自の資料とあわせて国会に提出するよう要求しました。
さらに小池氏は、給油を受けた米軍ヘリが海自艦上から再び攻撃へ飛び立つことも可能かと追及。防衛相は「戦闘現場」以外での実施を否定しませんでした。
小池氏は「世界中の誰が見ても、米軍と一緒に戦争をやっているとしかみえない。明白な憲法違反だ」と断じました。
【後方支援めぐり憲法論争=野党「米軍と一体化」指摘-参院特別委 時事7/29】29日に参院特別委員会で行われた安全保障関連法案の審議では、自衛隊による米軍の後方支援の拡大が憲法に適合するかどうかが焦点となった。共産党など野党側が「米軍の武力行使と一体化し、憲法に違反する」と批判したのに対し、政府側は「戦闘現場以外で活動し、一体化しない」と反論した。ただ、法案が成立すれば、現在は禁止されている弾薬の提供なども可能となるため、「一体化」への懸念は強まっている。
米軍ヘリが敵の潜水艦を攻撃し、海上自衛隊の護衛艦に着艦して燃料補給を受けた後、再び攻撃に向かう-。共産党の小池晃政策委員長は特別委の質疑で、海自幹部学校が6月に作成した内部資料を入手したとして掲げ、これに記載された後方支援の事例は「米軍と一体となった武力行使ではないか。明白な憲法違反だ」と追及した。
政府はこれまで、「戦闘作戦行動のために発進準備中の航空機に対する給油・整備」を禁止してきたが、安保法案では新たに可能となる。海自文書は、法案成立を見越して日米共同作戦の検討が水面下で進んでいる実態を示すものだ。
首相は答弁で、「戦闘現場とならない地域を実施区域に厳格に指定する。武力行使と一体化しない」と説明。中谷元防衛相も「海自護衛艦は、魚雷などの攻撃を受けない安全な場所で活動を行う」と述べ、問題はないとの認識を示した。
小池氏はさらに、「米軍のミサイル、戦車は運べるのか」「ロケット弾、戦車砲弾も提供できるのか」とも質問。これに対し、中谷氏は「法律では除外した規定はない」と答え、法的には可能との見解を示した。
後方支援の場所も拡大する。歴代政権は「非戦闘地域」に限定してきたが、安倍政権はこの概念を使うのをやめ、「現に戦闘が行われている現場」以外であれば、地理的制約を設けずに自衛隊の活動を認めることにした。
後方支援が内容的にも地理的にも広がることに対し、この日質問に立った野党からは懸念の声が相次いだ。社民党の吉田忠智党首は「憲法9条違反」、「生活の党と山本太郎となかまたち」の山本太郎代表も「兵たんは武力行使そのものだ」とそれぞれ批判。与党と修正協議を行う方針の維新の党の片山虎之助参院議員会長さえも「地理的制約を残すべきだ」と訴えた。(2015/07/29-19:49)2015/07/29-19:49
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