憲法、戦争の教訓と天皇の言葉
「語録」の続きは、明仁天皇の言葉。積極的に激戦地を訪れるなど、平和への強い思いをメッセージと発し続けている。侵略戦争の歴史を学ぶ大切さ、平和憲法の意義を積極的に発している。
最高法規としての憲法、憲法擁護義務の規定を理解しての発言。 メモとして整理したもの。
安倍政権が、いかに憲法から遠い位置にいるかわかる。
■明仁天皇
○2015年、 新年の「ご感想」
「本年は終戦から70年という節目の年に当たります。多くの人々が亡くなった戦争でした。各戦場で亡くなった人々,広島,長崎の原爆,東京を始めとする各都市の爆撃などにより亡くなった人々の数は誠に多いものでした。この機会に,満州事変に始まるこの戦争の歴史を十分に学び,今後の日本のあり方を考えていくことが,今,極めて大切なことだと思っています。」
○80歳の誕生日 2013年
「戦後、連合国軍の占領下にあった日本は、平和と民主主義を、守るべき大切なものとして、日本国憲法を作り、様々な改革を行って、今日の日本を築きました。戦争で荒廃した国土を立て直し、かつ、改善していくために当時の我が国の人々の払った努力に対し、深い感謝の気持ちを抱いています」
○即位20年 記者会見 09年
「私がむしろ心配なのは,次第に過去の歴史が忘れられていくのではないかということです。昭和の時代は,非常に厳しい状況の下で始まりました。昭和3年,1928年昭和天皇の即位の礼が行われる前に起こったのが,張作霖爆殺事件でしたし,3年後には満州事変が起こり,先の大戦に至るまでの道のりが始まりました。」「昭和の60有余年は私どもに様々な教訓を与えてくれます。過去の歴史的事実を十分に知って未来に備えることが大切と思います。」
○即位10年 記者会見 99年
「先の大戦が終わってから54年の歳月が経(た)ち,戦争を経験しなかった世代が二代続いているところも多くなっています。戦争の惨禍を忘れず語り継ぎ,過去の教訓をいかして平和のために力を尽くすことは非常に大切なことと思います。」
○即位 記者会見 89年
「憲法は,国の最高法規ですので,国民と共に憲法を守ることに努めていきたいと思っています。終戦の翌年に,学習院初等科を卒業した私にとって,その年に憲法が公布されましたことから,私にとって憲法として意識されているものは日本国憲法ということになります。しかし,天皇は憲法に従って務めを果たすという立場にあるので,憲法に関する論議については言を謹みたいと思っております。」
☆2001年 誕生日 日韓関係
日本と韓国との人々の間には,古くから深い交流があったことは,日本書紀などに詳しく記されています。韓国から移住した人々や,招へいされた人々によって,様々な文化や技術が伝えられました。宮内庁楽部の楽師の中には,当時の移住者の子孫で,代々楽師を務め,今も折々に雅楽を演奏している人があります。こうした文化や技術が,日本の人々の熱意と韓国の人々の友好的態度によって日本にもたらされたことは,幸いなことだったと思います。日本のその後の発展に,大きく寄与したことと思っています。私自身としては,桓武天皇の生母が百済の武寧王の子孫であると,続日本紀に記されていることに,韓国とのゆかりを感じています。武寧王は日本との関係が深く,この時以来,日本に五経博士が代々招へいされるようになりました。また,武寧王の子,聖明王は,日本に仏教を伝えたことで知られております。
しかし,残念なことに,韓国との交流は,このような交流ばかりではありませんでした。このことを,私どもは忘れてはならないと思います。
■ 皇太子
○ 誕生日記者会見 2015年2月20日
「先の大戦において日本を含む世界の各国で多くの尊い人命が失われ,多くの方々が苦しい,また,大変悲しい思いをされたことを大変痛ましく思います。広島や長崎での原爆投下,東京を始め各都市での爆撃,沖縄における地上戦などで多くの方々が亡くなりました。亡くなられた方々のことを決して忘れず,多くの犠牲の上に今日の日本が築かれてきたことを心に刻み,戦争の惨禍を再び繰り返すことのないよう過去の歴史に対する認識を深め,平和を愛する心を育んでいくことが大切ではないかと思います。そしてより良い日本をつくる努力を続け,それを次の世代に引き継いでいくことが重要であると感じています。」
「私自身,戦後生まれであり,戦争を体験しておりませんが,戦争の記憶が薄れようとしている今日,謙虚に過去を振り返るとともに,戦争を体験した世代から戦争を知らない世代に,悲惨な体験や日本がたどった歴史が正しく伝えられていくことが大切であると考えています。」
「我が国は,戦争の惨禍を経て,戦後,日本国憲法を基礎として築き上げられ,平和と繁栄を享受しています。戦後70年を迎える本年が,日本の発展の礎を築いた人々の労苦に深く思いを致し,平和の尊さを心に刻み,平和への思いを新たにする機会になればと思っています。」
■皇后 1995年 戦後50年 歌
初夏の光の中に苗木植うるこの子どもらに戦あらすな
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