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「防災訓練」 オスプレイ 三度目も来ず  高知県

 2013年10月、2014年2月に続き、今回(2015年6月7日)の日米共同統合防災訓練にも、オスプレイは参加しない。前回2回は突然の「台風接近」「天候不順」が理由の参加中止。
 今回は、ハワイの墜落事故をうけ「原因が不透明なままでの(受け入れ)は厳しい」とした県の申し入れを「重く受け止めた」とのこと。県議団は、参加中止をもとめるよう20日に県に要請していた。
 
 これは、県民の声をうけ、「安全の徹底」をもとめてきた県の姿勢による。

①県民の声

 県内11市の市長で構成する市長会議がオスプレイの国内配備・運用の中止と低空訓練廃止を国に強く求める要望を決定(2012年10月9日)、20議会で同様の意見書決議。
  また、米軍機の低空飛行訓練には、県を先頭に何度も中止を求めている。が、米軍にも政府もまともに対応しないことに対する怒り、不信があると思う。

②安全性の徹底

 県は、南海トラフ地震の対応には内外の応援が不可欠であり、そうであるならば訓練を重ねることは大事、との立場である。が、「安全性への懸念」を解消するために
・市街地上空を飛ばない。進入時の高度、コース(可能な限り河川の上)の確認、転換モードは海上で実施などを条件とし、その実施を確認するために、県職員2名が同乗することを、防衛局に約束させた。
・この県と防衛局とのやり取りはすべて公開で実施。

~ これらは「防災訓練」だから、自治体として主張できるのである。

【県議団のとりくみ】 

 党県議団は、災害時の自衛隊の活動は必要であり、また米軍の参加も一律には反対しない立場で

①安全性に懸念のあるオスプレイの訓練中止
②県内での防災訓練である以上、訓練の詳細を県が把握し、県民に周知するとともに、安全性や生活面の影響について必要な主張すること。
→ そうしてこそ「有効な訓練」となりうるし、野放図な運用拡大を監視・制止できる。
③米軍は、県民の命を守るために協力するというなら、危険な低空飛行訓練をただちに中止せよ。

 という角度、行政として否定できない内容で迫ってきた。

そして概ね県とは問題意識を共有してきた。

 また、オスプレイは強烈な下降気流、高温の排気により、災害・救援には不向きな機体と指摘してきたが、今回、県の方も「救助には使えない。スピードが早く航続距離が長いので搬送訓練くらい」という認識である。

★ 「参加中止」「不参加」の理由はさまざまだが・・・ 過去二回は、「これくらいの天候で運用できないのか」(実際、自衛隊のヘリは活動している)と、さまざまな憶測をよんだ。

本当の理由は、 日米地位協定で、日本のどこを飛んでもよい米軍機が、 「防災訓練」とは言え、小さな1つの県の監視下におかれる、そんな前例をつくりたくない、ということではないか、と考えている。
(なお、昨年6月の南海レスキュー26に参加予定のブラックホークも、高知に来ず、和歌山の訓練に急きょ参加)

★ 「事実上の軍事訓練」論について
 当然、ともに危機管理の活動なので、内容は似ているが、南海トラフ地震の実際を考えれば、自衛隊の活動は不可欠だし、県民への期待も高い。よって「真に防災に有効な訓練にする」角度からの接近が、県や県民と意識とも一致し、結果として、「野放図な運用拡大、目的外の取り組みを許さない」という点で最も力を発揮すると思っている。

■参考1  「 防災訓練に、オスプレイの使用を認めないことを求める申し入れ」   2015年5月20日

 防衛省は、6月7日に実施される在日米軍と自衛隊による共同統合防災訓練に、オスプレイを使用する方向で調整していることを県に連絡してきた。オスプレイは高知県総合防災拠点となる土佐清水総合公園と室戸広域公園に離着陸し、負傷者の救助や物資輸送などの訓練を行う予定である。
オスプレイについては、県知事も「県民に安全性について懸念がある」とし、これまでの訓練計画においても、県は、市街地上空をとばないこと、飛行コース、高度の厳格な設定、合意遵守の確認のための県職員同乗などを、参加の条件として臨んできた。
 オスプレイは、開発段階から事故を繰り返しており、最近でも2012年4月にモロッコ、6月には米フロリダ州で墜落事故を起こし計9人が死傷、13年6月にもノースカロライナ州、8月ネバタ州2度の「ランクA」の重大事故を起こして、おり、オスプレイの訓練は、米本国やハワイでは住民の反対による中止などが相次いだ。本県においても、2013年9月、訓練が実施される土佐清水市の市議会が「訓練反対」の意見書を可決している。
5月18日に、ハワイ・オアフ島で着陸に失敗し死亡事後が発生し、安全性への懸念はいっそう高まっている。
命を守る防災訓練に、安全性の懸念のある機体が参加すること自体が大きな矛盾を含んでいる。

 そもそもオスプレイは、構造上、激しい下降気流と高温排気を特徴としており、救援活動、防災には不向きな機体である。ネパールの地震災害の救援に派遣されたオスプレイが、物資輸送中、住宅の屋根を吹き飛ばす被害をもたらし、ネパール地元紙が「役立たず」と報道している(5日付)。昨年10月に和歌山県で実施された訓練では、着陸地点の公園の芝を予め刈り、離陸後には待機していた消防隊が芝生に放水し消火作業を実施したが、芝が焼けこげていたことが確認されている。瓦礫が散乱する現場、救援物資や人員で混雑する防災拠点で活用は不可能である。
 同訓練について、防衛大臣に就任した地元衆院議員は「オスプレイ訓練の分散」「自衛隊も在日米軍も災害派遣のためでない」(2014年9月13日付け地元紙)と述べているように、訓練へのオスプレイ参加の目的は、日本全土での本格的な運用にあり、真に、県民の命を守ることを考えたものと言えない。

 昨年の南海レスキャー26にあたって、県として訓練の全容を把握し、安全面や生活への影響について必要な意見を述べるとともに、真に実効性のある訓練にするためにも県民に内容を周知徹底することを申し入れた。その際に、副知事も「訓練内容の発表の仕方が十分でないと思う。全体像を明らかにしてくれるよう要望している」と問題意識を共有できたが、今回の訓練も、その全貌が未だにはっきりしないのは、真に県民の命を守る防災を目的にした訓練でないからである。

 よって、県においては、共同統合防災訓練に、オスプレイを使用させないことを、強くもとめるものである。


 
☆申し入れに対し、岩城副知事は、これまでと同様の安全対策を求めていること、そして「事故原因の究明がされない限り、欠陥はないですよ、そうですかと、参加にはならない」と発言。

■参考2  「6 月に実施される自衛隊統合防災訓練・南海レスキュー26 について、訓練内容の全容を公表し、必要な対策をとることを求める申し入れ  2014年5月30日」

この6 月に、南海トラフ地震発生時における対処能力の維持・向上、自治体との連絡調整などを図る目的をもって自衛隊統合防災訓練(6 月2 日から6 日)、南海レスキュー26(6 月1 日から11 日)が実施され、県内でも訓練が実施されることが発表されています。
訓練自体は、重要な取り組みであり、安全性や生活環境に配慮しながら、効果的な訓練がなされることを期待するものです。防災訓練にあっては、県民の理解・協力が不可欠であることは言うまでもありません。また高知県の南海トラフ地震の対策の中核を担う県行政が訓練の全容を把握することも当然の責務です。
しかし、上記訓練が本県で実施されるにもかかわらず、その詳しい中身、全体像が県民に知らされていません。 自衛隊は、各市町村にグラウンドなどの使用について直接協議をすすめている状況で、私たち県議団へも地方議員からの問い合わせが寄せられています。
これまでの訓練実施においても、昨年10 月、今年2 月の訓練への米軍輸送機オスプレイの参加に対する県民の安全性への強い懸念がよせられ、県としても積極的な対応をしてきました。また、2012 年6 月には、学校課業日に高知市内の旭中学校、高知商業高校のグランドを使用しての訓練に、学校関係者などから強い批判の声が寄せられ、訓練内容が大幅に変更されるという事態も発生しています。これらのことは訓練内容の全容を把握する重要性を示しています。
よって、以下の点についてただちに取り組むことを求めます。
①県民の理解・協力を不可欠とする防災訓練の全容について、県として積極的に情報を収集し公表すること。
②安全性の確保や生活環境への影響について、県としてチェックし、問題点があれば改善の要望をおこなうこと。

☆申し入れやり取り
・副知事「マスコミの方に自衛隊から発表し公開しているので、去年とは少し違うという意識がある。オスプレイは今回は参加しない。やりとりはしている。情報を聞いた段階で『学校はだめですよ』とか意見は言っている。」
・県議団「オープンにして問題ない話」「県民の感情として受け入れやすくなる。理解が深まる」。
・副知事「そうですね」「訓練内容の発表の仕方が十分でないかなと思う。全体像を明らかにしてくれるよう県としても要望している」「私も、発表のしかた、疑問もあるので、自衛隊の考えを知りたい面がある。今回初めてじっくり話す機会があるので、聞いてみたいと思う」

☆副知事は、自衛隊幹部の会食での話について報告
「自衛隊サイドの訓練なので公表の必要性はない」という認識だったので、「県としてはそれではいけないと思っています」と伝えたと報告がありました。また、危機管理部、統括副部長は「情報があがっていない」「見直さないといけない」と語っています。

■参考  2014年1月23日 知事の記者会見

(尾崎:共同通信記者)
 日米共同統合防災訓練に使用するオスプレイの安全対策について、昨年10月に訓練を予定していた時にも各社から質問があったと思います。先日、県に防衛省から担当職員が来て、訓練時の安全対策についていろいろ説明があったと思いますが、これで十分だと思いますか。

(知事)
 過去に起きた事故の事象を踏まえて、安全対策を行っていこうというプランを出していただいているのは、間違いないことだと思います。やはり、水平飛行モードから垂直離着陸モードへの転換の時に事故が起こっている場合が多いという中で、そのモードの転換をできるだけ海上で行うようにするのは、そのとおりだと思います。
 さらに、民家の上での飛行を極力避けることも、安全対策としては確かにそのとおりだと思います。また、今回は、高度の問題についても説明をいただき、海上から陸上部に進入してくる時の高度についても、相当の高さを確保してもらう形にしようとしていただいていますから、そういう諸点を鑑みましても、一定の安全対策を講じていただいていると思います。
 ただ、実際の訓練時に、徹底してもらわないといけないのであり、これまでもその点を強く申し上げてきました。
 そういう約束はしたものの、実際はできていなかったということでは困るのであって、そこは実際に、訓練を行う現場で徹底していただくよう(防衛大臣と副大臣に)申し上げました。
 その点については、(防衛省の)事務方の皆様も「自衛隊がオスプレイに搭乗して、その点を徹底する」とおっしゃられましたので、そこのところは信じていきたいと思います。

(長田:朝日新聞記者)
 県としても昨年10月同様、今回もオスプレイの安全対策の確認態勢をとるのでしょうか。

(知事)
 我々も現地に職員を派遣して、確認するようにしたいと思います。できれば、その場で「ちょっとここはどうなんでしょうか」と申し上げたいことがあれば、お伝えできるような態勢をとりたいと思います。
 ただ、県としての参加は、オスプレイを見つめているだけの参加ではなく、総合防災訓練であり、我々も防災上、例えば自衛隊の運用、それから米軍の運用がどうなっていくかを学んで、今後の防災対応に活かしていきたいと考えています。
 まだ、どのように訓練に参加させていただくかといったことを詰めているところですので、詳細は決定していませんが、いわゆる防災訓練全般の中で、県としても役割を果たせる部分については、参加させていただきたいと考えています。

(遠藤:高知さんさんテレビ記者)
 日米共同統合防災訓練について、先日の知事と小野寺防衛大臣とのお話の中で、訓練を習熟させていくノウハウは必要であるということは、共通の認識だと思います。
 訓練の必要性はあると思いますが、もし、南海トラフ巨大地震が起きた場合、改めてオスプレイの能力などを考えた時に防災面での必要性を感じられているのでしょうか。

(知事)
 おそらく災害が発生した時に使われる輸送機材は、現実問題としてオスプレイが中心になりつつあり、今後もそのウエイトが高まっていくと思います。やはり、現実に使うであろう機材を使わなければ訓練にはなりませんから、そういう現実的な視点での対応は必要であろうと思います。
 ただ、安全性についての懸念が消えていないのも確かですので、オスプレイの機材の安全対策を徹底することは強く申し上げています。


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