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「イラク派遣」の実態から考えるべき ・・・戦争法・ABC対決

今回の戦争法制。日本の防衛というステージでのもとで、「集団的自衛権の限定行使」=「海外での武力行使を認める」ことを突破口に、「海外での武力行使を認めない」もとでの国際協力活動というステージで整理してきた「武力行使と一体化」しない」という枠組みをなくしたことである。実際に多用されるのは後者ではないか。
 イラク派遣の実態から考えることがわかりやすい。昨日の志位さんの質問は、そこを明らかにした。

・「戦闘地域にいかない」→ 「現に戦闘現場となっている所」となって、今まで「戦闘地域」としていた所にもいく。
・「非戦闘地域」でのイラク派遣も極めて危険だった。
戦死者はでてないが、犠牲者は出ている。参加隊員の自殺者は54人。(国民平均と比べ約9~18倍(14年内閣府統計)、自衛官全体(13年度)でも約5~11倍 )
・「武器・弾薬の提供をおこなわない」→「行う」と、兵站活動(国際法上の軍事活動)に取り組む。

 ~ 違憲であるうえ、自衛隊員のリスクは確実にたかくなる(日本国内もテロの危険が拡大する)

五十嵐仁氏がAB(安倍)、C(志位)対決として整理している。
【「戦争法案」の危険性を明らかにした安保法制特別委員会でのABC対決 五十嵐仁の転成仁語」 5/27】


【戦闘の危険 決定的に高まる 「兵たん」は戦争行為の一部 衆院特別委 志位委員長の質問 赤旗5/27】

   アメリカは、先制攻撃も辞さず、ベトナム、イラクなど侵略戦争を実施した国、日本政府は、戦後のアメリカの戦争に一度も反対したことのない国であり、そして、安倍首相は、戦争の善悪も判断できない。

【以下は、五十嵐氏の整理】

第1は、自衛隊が戦闘に巻き込まれるリスクが極めて高いということです。志位さんは、これまでの特措法にあった「自衛隊が活動を行う期間、戦闘行為がないと見込まれる場所」(=非戦闘地域)という文言が今回の新法では消えていることを指摘し、自衛隊の派遣される場所が戦闘地域になる可能性があるのではないかと質問しました。
 これに対して安倍さんは、攻撃される可能性が100%ないとは言えないことを認めましたが、その場合には一時的に活動を中止し、退避すると答えました。このような不測の事態は自己保存型の正当防衛であるとしつつも、武器使用があり得ることを渋々認めたのです。
 ここで志位さんはイラク戦争で自衛隊が持って行った武器に対戦車砲や無反動砲などがあったことを示し、反撃するということはこれらの武器を使うということで、これらの武器の使用が戦闘行為に当たることは明らかだと指摘しました。同時に、国際法上、武器の使用と武力の行使についての区別はなく、武器使用は武力の行使ではないという言い逃れは国際社会では通用しないと厳しく批判しました。

 第2に、イラク戦争の現実を踏まえて、「非戦闘地域」であっても極めて危険であったこと、これをなくして戦闘現場に近づけばさらに甚大な負担と犠牲が生ずることも明らかになりました。イラクでの「非戦闘地域」でさえ、刃の上で仕事しているようなもので、何が起きてもおかしくない地域であったという証言を踏まえて、そのような認識が安倍首相にあるのかと質問しました。
 これに対して、安倍さんはまともに答えませんでしたが、その関連で明らかにされた数字は衝撃的なものでした。イラク特措法で派遣された自衛隊員の自殺者は、陸自で21人、空自で8人の計29人、テロ対策特措法で派遣された海自の自殺者は25 人で、全部で54人が帰国後自殺していたというのです。
 アメリカでも心的外傷後ストレス障害(PTSD)で心を病み、自殺する帰還兵が社会問題になっていますが、「戦争法制」によって自衛隊が海外に派遣されればさらに大きな規模でこのような問題が生ずることでしょう。戦争は、肉体的にだけでなく心理的にも多くの犠牲者を出すということが、安倍首相に分かっているのでしょうか。

 第3に、後方支援の問題です。これは英語でLogisticsのことで、戦闘行為を行う部隊への物資・兵員・武器・弾薬の輸送、施設の構築や維持などを含んでいます。
 志位さんは兵站が軍事活動の一部であり、戦争と一体不可分なものであることを明らかにしたうえで、その危険性に対する認識を問いました。これに対しても、安倍首相は安全性を確保したうえで活動すると答えるだけでした。
 戦争において兵站が格好の目標となること、実際にイラク戦争やアフガン戦争で輸送部隊などが襲われ多くの犠牲者を出していることは事実です。これまで以上に戦場に近い現場で自衛隊がこのような業務に従事することの危険性を、安倍首相だけでなく我々国民も十分に認識するべきではないでしょうか。


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