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防衛指針  「血の同盟」への暴走

 米国家安全保障会議の高官が「日本の役割が著しく拡大し、日本が米軍を広範囲に支援する仕組みが整う」「日米同盟の運用に歴史的な変更が加わる」と述べたように、まさに安倍首相が執念もやす「血の同盟」へ、憲法はもちろん安保条約も踏み越えて突き進もうとしている。
 しかも、国会での議論や国民の賛同もないもとで、一方的にアメリカ相手に発表という手法も、反民主主義的。

 アフガンでNATO軍は戦闘地域での「後方支援」で1031名が犠牲になった。 自衛隊派兵のテロ特措法の審議のなかで、NATOとの違いを同時、政府はどう釈明したか。小泉首相「武力行使はしないんです。戦場には出ないんです。戦闘行為には参加しないんです。明らかに違うんです」。

 まさにこの違いがなくなるのである。歴史的な岐路にたっている。今までと質の違う運動の広がりが必要だ。


【主張 日米ガイドライン 大義なき世界規模の戦争協力  赤旗 4/28】

【防衛指針と安保法制 「専守」骨抜きの危うさ 東京4/28】
【自衛隊のみ役割増加 前回改定にかかわった柳沢協二氏に聞く 東京4/28】


【主張 日米ガイドライン 大義なき世界規模の戦争協力  赤旗 4/28】

 日米の外交・軍事担当閣僚による会合(2プラス2)で、米軍と自衛隊の役割・任務分担を定めた「日米軍事協力の指針(ガイドライン)」が18年ぶりに改定されました。自民・公明の与党は、今回改定された新ガイドラインの実効性を裏付ける「戦争立法」の法案化作業で最終合意へ突き進んでいます。ガイドラインと「戦争立法」には、戦後日本の安全保障政策を根本的に転換し、日本を「海外で戦争する国」にする安倍晋三政権の野望が込められています。

■集団的自衛権も規定

 改定された新ガイドラインの大問題は、アジア太平洋地域にとどまらず、世界規模で自衛隊による米軍支援を取り決めたことです。
 日本への武力攻撃を想定して1978年に初めて策定されたガイドラインは97年に一度改定されています。「日本防衛」という建前を捨て、米国がアジア太平洋地域で戦争に乗り出せば「日本周辺事態」の口実で自衛隊が米軍を支援することを取り決めました。新ガイドラインは、この米軍支援を「アジア太平洋地域及びこれを越えた地域」に拡大するものです。
 97年のガイドラインは、99年に「周辺事態法」として具体化されました。その後、米国のアフガニスタン報復戦争(2001年)に際してテロ特措法、イラク侵略戦争(03年)を受けてイラク特措法が作られ、実態的に自衛隊の米軍支援は世界規模に拡大しました。
 新ガイドラインは、こうした世界規模での米軍支援を新たに盛り込み、いつでも実施可能にしようとするものです。実際、「戦争立法」では、米国が世界のどこでも戦争に乗り出せば自衛隊をいつでも派兵し、米軍支援をできる新たな海外派兵恒久法(国際平和支援法)を作ろうとしています。

 新ガイドラインが米軍支援の対象である「日本の平和及び安全に重要な影響を与える事態」を「地理的に定めることはできない」としたのに対応し、「戦争立法」で「周辺事態法」を「重要影響事態法」に改定し、「日本周辺」という限定も取り払おうとしています。
「国際平和支援法」「重要影響事態法」とも、従来は禁止されてきた「戦闘地域」への派兵や弾薬提供などを可能にします。危険極まりない米軍支援の際限のない拡大です。

 新ガイドラインが「日本以外の国に対する武力攻撃への対処行動」の一つとして日本の集団的自衛権の行使を初めて盛り込んだことも重大です。

 自衛隊は「他国に対する武力攻撃が発生し、これにより日本の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある事態」(存立危機事態)に際し、「武力の行使を伴う適切な作戦を実施」すると明記しました。「戦争立法」では「事態対処法」などで具体化します。先制攻撃の戦争を仕掛けた米国が反撃を受けた場合でも、政府が「存立危機事態」と判断すれば、米軍支援のために日本が参戦し、武力行使できる仕掛けづくりです。

■歴史の大きな岐路で

 憲法9条破壊の新ガイドライン・「戦争立法」は国民世論に逆らう大義なき暴走です。戦争か平和かの歴史の岐路の中で、「戦争する国」づくりを許さない国民共同のたたかいを一層強め、空前の規模に広げていくことが必要です。

【ガイドライン再改定に反対し戦争法制立法作業の即時中止を求める声明 自由法曹団4/28】

1 日米両政府は、2015年4月27日、外交・軍事担当閣僚の会合(2プラス2)を開催し、日米防衛協力のための指針(ガイドライン)の改定を正式に決定した。
新ガイドラインは、日米同盟を一変させ、米軍と自衛隊が切れ目なく、地球規模で協力することを詳しく取り決めるものである。自衛隊の米軍への協力は、現在、政府・与党が進めている安全保障法制整備(戦争法制)の内容を反映して、他国への武力攻撃に対する武力行使を伴う作戦実施やアジア太平洋地域を超えた地域での米軍支援等をアメリカに約束するものとなっている。戦争法制と同様、明白な憲法9条違反であるとともに、「日本と極東」を前提とする日米安保条約の範囲をも踏み越えるものである。今まさに戦争法制を国会に提出しこれから審議をすると公言しているにもかかわらず、これに先行してアメリカとの間で、このような取決めをすること自体、民主主義、国民主権を侵害する暴挙である。

2 新ガイドラインは、日米防衛協力の取組みについて、これまでの3区分(平時、周辺事態、日本有事)を撤廃し、①平時からの協力措置、②日本の平和と安全に対して発生する脅威への対応、③日本に対する武力攻撃事態への対処行動、④日本以外の国への武力攻撃に対する行動、の4段階で「切れ目のない」措置をとるとしている。さらに、これに加えて、「地域の及びグローバルな協力」として、アジア太平洋地域及びこれを超えた地域における米軍支援等が盛り込まれ、宇宙及びサイバー空間に関する協力や武器開発等の軍事基盤に関する分野での協力・連携強化も約束するものとなっている。
自衛隊の果たす具体的な役割分担としては、平時における米軍のアセット(装備品等)の防護、「日本周辺」や「非戦闘地域」という限定をはずした実施場所での無制限の米軍への支援活動、集団的自衛権行使を前提とした機雷掃
海・弾道ミサイル迎撃等が打ち出されている。これらは、自衛隊をアメリカの世界戦略に組み込んで、アメリカが世界中で行う軍事行動に加担・参戦させることに道を開くものであり、また、日本を戦争する国に作り変えようとする安倍政権の野望に沿うものにほかならない。

3 自由法曹団は、憲法9条に反して、日本をアメリカとともに世界中で戦争する国にする新ガイドラインに断固として反対する。同時に、現在、政府・与党が押し進める9条違反の戦争法制整備に強く抗議し、あらゆる立法作業の即時中止を求めるものである。国民の大多数は、戦争法制の今国会での成立に反対している。私たちは、戦争法制の国会提出、審議入り、成立を許さないたたかいに全力で取り組む決意である。
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【防衛指針と安保法制 「専守」骨抜きの危うさ 東京4/28】

 日米防衛協力指針の再改定と安全保障法制の整備により、自衛隊が海外で武力の行使をする恐れが高まる。戦後日本の「専守防衛」政策は根本から覆る。
 ニューヨークでの日米外務・防衛担当閣僚による安全保障協議委員会(2プラス2)。主要議題は自衛隊と米軍の役割分担を定めた「日米防衛協力のための指針(ガイドライン)」の再改定である。
 指針は一九七八年、日本への武力攻撃に備えて初めて策定され、九七年には朝鮮半島など日本周辺での緊急事態「周辺事態」を想定した内容に改められた。今回の再改定は十八年ぶりの見直しだ。

◆地球規模に活動拡大

 指針は国会での承認が必要な条約とは違い、立法、予算上の措置を義務付けてはいない。しかし、それは建前にすぎない。過去の例では、九七年指針に基づく周辺事態法など、指針に沿って新しい法律がつくられているのが実態だ。
 米国との約束に基づき、日本政府が法整備を進める構図である。
 今回は、指針再改定の日米協議と並行して、安保関連法案づくりが進められた。与党協議もきのう実質合意に達した。五月十四日にも関連法案を閣議決定し、国会提出するという。指針再改定と安保法制整備は、安倍晋三首相の就任に伴って始まった、日本の防衛政策を根本から見直すための「車の両輪」だ。
 背景には中国の軍事的台頭とともに、安倍首相が掲げる「積極的平和主義」の下、自衛隊の軍事的役割を大幅に拡大し、活動地域も地球規模に広げる狙いがある。
 再改定された新指針には、日米両国の活動・行動がおのおのの憲法、法令などに従って行われることに加え、「日本の行動及び活動は、専守防衛、非核三原則等の日本の基本的な方針に従って行われる」ことも明記されている。

◆海外で武力行使に道

 専守防衛とは、政府答弁によると「もっぱらわが国土及びその周辺において防衛を行う」「相手から武力攻撃を受けたときに初めて防衛力を行使」することだ。
 海外での武力の行使を放棄した平和憲法に則した抑制的な安全保障政策でもあり、日本国民だけで三百十万人の犠牲を出した先の大戦の深い反省に立脚している。
 しかし、新指針には専守防衛を逸脱する内容が含まれている。
 例えば、新たに項目を立てて明記された「日本以外の国に対する武力攻撃への対処行動」である。
 米国や第三国が武力攻撃された場合、日本が直接攻撃されていなくても、日本の存立が脅かされ、国民の生命や権利などが根底から覆される明白な危険がある場合、自衛隊と米軍が共同対処することを定めている。日本にとって「集団的自衛権の行使」である。
 協力して行う作戦例に挙げられているのは、自衛隊による米軍武器の防護や機雷掃海、敵を支援する船舶の阻止、後方支援などだ。
 首相は「受動的、限定的」な活動と説明してきたが、そのような作戦に踏み込めば、自衛隊も攻撃対象となり、応戦を余儀なくされる可能性は排除できない。敵側を殺傷したり、自衛隊側に犠牲者が出ることも覚悟せねばなるまい。
 政府・与党はそうした危険性をどこまで認識しているのか。憲法九条の下で許され、専守防衛にも合致する活動と言い張るのか。
 新指針にも明記された他国軍への後方支援にも懸念がある。「重要影響事態法案」と「国際平和支援法案」だ。
 周辺事態法を改正する重要影響事態法案は現行法から地理的制限を撤廃し、米軍以外も支援対象とする。武器・弾薬補給も可能だ。
 政府が日本の平和と安全に重要な影響を与える「重要影響事態」と認定すれば、自衛隊の活動範囲は地球規模に拡大する。平和憲法からも、極東を対象とした日米安全保障条約からも逸脱する。
 国際平和支援法案は、これまで特別措置法で対応していた「国際社会の平和と安全」の確保のために活動する他国軍への後方支援を随時可能にする一般法だ。
 国連決議などを必要とし、例外なき国会の事前承認が前提だ。戦闘現場では実施しないとの制限も付くが、戦闘現場は戦況によって刻々と変わる。専守防衛にそぐわない、犠牲覚悟の危険な任務だ。

◆戦後否定、認められぬ

 安保関連法案の内容は膨大、複雑、多岐にわたる。にもかかわらず、政府は新法は別として、現行法の改正案十本を一つの法案にして一括提出するという。高村正彦自民党副総裁は八月上旬までに、という成立期限まで明言した。あまりにも乱暴な進め方だ。
 海外で武力の行使をしないという、戦後日本の生き方を否定する安保政策の変更であり、慎重な検討が必要だ。安易に認めるわけにはいかない。重大な局面を迎えていることを自覚したい。

【自衛隊のみ役割増加 前回改定にかかわった柳沢協二氏に聞く 東京4/28】

 日米両政府が二十七日に合意した日米防衛協力の指針(ガイドライン)の再改定。防衛官僚として一九九七年の改定にかかわり、第一次安倍政権などで安全保障担当の官房副長官補を務めた柳沢協二氏に、問題点を聞いた。 (聞き手・上野実輝彦)
 -新指針の評価は。
 「米軍の役割は今までとなんら変わらないのに、自衛隊は、重要影響事態での(米軍への)後方支援や国際秩序の維持など、格段に増えている。すごくアンバランスだ」
 「しかも、増えていることが日本の安全に役立つならいいが、むしろ日本を無用の争いに巻き込む心配がある」
 -政府は、日米同盟強化で抑止力が高まると説明している。
 「新指針には(第三国と)緊張状態にある時、日米の共同訓練が抑止力になるという考え方が示されている。だが、これは挑発行為にもなる。現場で摩擦的に(衝突が)起きることで、政治のコントロールがないまま戦闘状態に入っていく恐れがある。かえって日本に対する攻撃を誘発する恐れがある」
 -それでは抑止力にならない。
 「抑止が効かず、情勢が拡大して日本有事になったらどうするか考えていないのも問題だ。日本有事への対応では、自衛隊は『作戦を主体的に実施』すると書いてあるが、米軍は『支援および補完』だけ。日本を防衛するためのシナリオとして、本当に評価していいものなのか」
 -沖縄県・尖閣諸島の防衛にも米軍が関与しない可能性があるのか。
 「米軍は(自衛隊を)支援するとしか書いていない。沖縄の海兵隊は出ないということだ。日本政府は『海兵隊は抑止力だから沖縄県内に必要』という立場をとってきたが、尖閣に出ないなら沖縄に置く必要はない」
 -前回の改定と今回との違いは。
 「九七年の改定は、朝鮮半島有事で日本が米軍を支援するという想定がはっきりしていた。今回は米軍が何をするかという肝心なところがはっきりしない」
 -事実上の地理的歯止めが消えた。
 「恐らくインド洋や南シナ海のシーレーン(海上交通路)防衛を共同でやろうという発想がある。しかし、自衛隊がそちらにシフトすれば肝心の日本防衛の力がそがれる。ホルムズ海峡やマラッカ海峡までカバーすれば、日本の防衛は不可能になる」


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