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戦争法制の肝~政府にフリーハンド

 「新たな法制では、日本が攻撃されていなくても、米軍や他国軍への自衛隊による支援が地球規模で可能になる。これまでのように個別の案件に応じて法整備をするのでなく、どんな事態にも対応できる「切れ目のない法整備」をあらかじめしておくことで、一定の要件を満たせば、政府の判断でいつでもどこでも自衛隊を海外に派遣できるようになる。」(毎日)。
 個別のニーズに応じて法制化した特措法の縛りをなくし、具体的な要件、基準もなく、いくらでも拡大できる余地をのこし、政府が「総合的に判断する」、その判断材料も行動の詳細も「特定秘密」であきらかにされない、というところに肝がある。
 安倍首相には、第一次内閣のときに、空自をつかって、こっそりと(当時「多国籍軍はインフラ整備など 復興支援の活動にも取り組んでいる」と国会で答弁) 武装した米兵1万7650人を戦闘地域であるバグダッドに空輸し、憲法を蹂躙した実績がある。
 

【危険増す自衛隊員、責任は 安保与党合意 柳沢氏に聞く 東京3/23】

【日本を戦争する国にする安保法制整備の基本合意に断固反対し、立法作業の即時中止と7・1閣議決定の撤回を求める声明  自由法曹団 3/20】

【戦争参加の懸念増す 事実上の海外武力行使法 東京3/21】

【社説 :安保法制の与党合意 どんな国にしたいのか 毎日3/21】

【危険増す自衛隊員、責任は 安保与党合意 柳沢氏に聞く 東京3/23】  自民、公明両党は20日に他国を武力で守る集団的自衛権の行使を可能にする安全保障法制の大枠で合意した。合意の問題点について、第1次安倍政権などで安保担当の官房副長官補を務めた柳沢協二氏に聞いた。 (聞き手・後藤孝好)

 -集団的自衛権の行使を認める昨年七月の閣議決定を受け、与党が合意文書を取りまとめた。

 「曖昧な閣議決定の内容から何ら具体化されていない。日本が他国の戦争に参戦することにつながるのに、自衛隊が海外で武力行使する具体的な要件や基準が示されていない」

 -自衛隊の他国軍への戦闘支援も拡大される。

 「自衛隊員が前線に近い戦地で米国などに弾薬を提供できるようになり、戦闘に巻き込まれる危険は確実に増す。敵国にとって、戦闘部隊への補給路を断つため、弾薬を輸送する部隊を襲撃する方がはるかに効果的な作戦となるからだ」

 -国連平和維持活動(PKO)などでも武器使用の基準が緩和される。

 「襲撃された他国軍などを守る駆け付け警護や治安維持、邦人救出などの任務では、武器を使って武装勢力を蹴散らすことになる。その際の戦闘では犠牲者が出るだろうし、武器を使えば日本への敵対感情が強まり、後々、自衛隊が攻撃対象となる恐れも高まる」

 -与党合意では、自衛隊員の安全確保の措置を定めるとしている。

 「武器使用を前提にした新たな任務を与えるのに、犠牲者を出さず、安全にやれというのは不可能だ。武器を使えば相手も当然、撃ってくる」

 -与党は法律で歯止めを設けるとしている。

 「あらゆる事態で、切れ目なくあらゆることができるように法律を書こうとしているから、制約や歯止めを置くのは難しい。政府が『イスラム国』(IS)との戦いには自衛隊を出さないと主張するのは政策判断にすぎない。法的にできないわけではない」

 -自衛隊の役割や任務がこれまでと一変する。

 「現実的に大きな影響を与えるのは海外での武器使用の拡大で、自衛隊員の危険度は格段に高まる。政府・与党の国会議員は将来、戦死者を出したときの責任を本当に負えるのか」
 <やなぎさわ・きょうじ> 東大卒業後、旧防衛庁に入り、運用局長や官房長を歴任。2004~09年に小泉、安倍、福田、麻生の4政権で官房副長官補を務めた。NPO法人国際地政学研究所理事長。68歳。


【日本を戦争する国にする安保法制整備の基本合意に断固反対し、立法作業の即時中止と7・1閣議決定の撤回を求める声明  自由法曹団 3/20】

1 自民・公明両党は、本年3月18日、2014年7月1日の閣議決定「国の存立を全うし、国民を守るための切れ目のない安全保障法制の整備について」(7・1閣議決定)を具体化する安保法制(戦争法制)の方向性をとりまとめた共同文書について実質合意し、本日中に正式に決定すると報じられている。安倍政権は、これをもとに、5月中旬に法案を国会に提出し、今通常国会で成立させることを目論んでいる。

2 共同文書等によれば、合意された戦争法制の骨格は、①我が国と密接な関係のある他国が攻撃されたときに、我が国の存立が脅かされる等の事態(新事態)であると政府が認定すれば、当該他国とともに武力行使(集団的自衛権行使)ができるようにする(武力攻撃事態法等の改定)、②我が国の平和と安全に重要な影響を与える事態(重要影響事態)において、当該事態に対応して活動する米軍及び米軍以外の他国軍隊に対する支援活動を実施できるようにする。支援活動には地理的限定がなく(周辺事態概念の削除)、その場で現に戦闘が行われていなければ(非戦闘現場)、米軍等への武器・弾薬の提供や発進準備中の航空機への給油等も行えるようにする(周辺事態法の抜本的改定)、③重要影響事態でなくても、国際社会の平和と安全のために活動する他国軍隊への支援活動をいつでも、どこでも実施できるようにする(恒久法の新設)、④国連PKOに限ることなく自衛隊が海外で国際平和協力活動できるようにするほか、実施できる業務を拡大し、武器使用を伴う駆けつけ警護や治安維持活動を行えるようにする(PKO協力法の改定)、⑤武力攻撃に至らない侵害(グレーゾーン)への対処として、我が国の防衛に資する活動に従事する米軍及び米軍以外の他国軍隊の武器等の防護のために自衛隊が武器使用できるようにする、⑥領域国の受け入れ同意がある場合に、自衛隊を派遣し、在外邦人の救出に武器を使用できるようにする、⑦自衛隊による海外での船舶検査活動の拡大、自衛隊法の規定に基づく米軍に対する物品・役務提供の拡大など(以上、自衛隊法の改定など)の法整備を行う、というもの
である。

3 こうした戦争法制は、憲法9条の制約を離れた自衛隊の活動を解禁し、他国の戦争や紛争地域への自衛隊の早期投入、武器使用、武力行使を可能にするものである。支援活動や防護・警護活動だといっても、相手方からみれば、軍事力の行使にほかならず、「切れ目のない対応」によって、たやすく武力攻撃に拡大する。我が国が敵国等からの反撃やテロ行為の標的になることは必至である。
戦争法制の整備は、日米防衛ガイドラインの再改定と同時に進められており、これを許せば、日本が、アメリカやその同盟国が世界中で行うあらゆる戦争・軍事行動に「切れ目なく」参加し、共働して戦う国になることは明白である。
自衛隊を戦地に送り込み、世界や日本を戦争の惨禍に巻き込む戦争法制は、日本国憲法の平和主義を蹂躙するものであり、絶対に許すことはできない。
戦争や軍事力で平和を創ることはできないのであって、世界や日本の平和のためには、憲法9条を活かした外交、NGO活動、文化交流等により安全保障環境を強化、確立することこそが求められる。

4 国民の多くは集団的自衛権行使や自衛隊を海外に派遣し、その活動を拡大しようとすることに反対している。民意と憲法を無視して戦争法制整備を強行しようとする安倍政権の姿勢は、強く非難されなければならない。
自由法曹団は、今般の戦争法制整備に関する与党合意に断固反対するとともに、憲法9条に反する7・1閣議決定の撤回を求め、日米防衛ガイドライン再改定並びに戦争法制整備に向けた作業の即時中止を強く求めるものである。

我々は、日本を戦争する国にするあらゆる策動を許さない草の根からのたたかいに、引き続き、全力を挙げて取り組む決意である。

【戦争参加の懸念増す 事実上の海外武力行使法 東京3/21】

 自民、公明両党は二十日、安全保障法制に関する与党協議を国会内で開き、武力で他国を守る集団的自衛権の行使を可能にする武力攻撃事態法(事態法)改正など新たな法制の大枠に合意した。日本が武力攻撃された際、個別的自衛権に基づく対処を定めた事態法は事実上の「海外武力行使法」の要素が加わる。政府は合意に沿って関連法案の条文作成を進める。関連法案が成立すれば、自衛隊の活動範囲は地球規模に広がり、専守防衛を掲げた日本の安保政策が大きく変質する。
 合意は、集団的自衛権の行使を可能にするため、事態法と自衛隊法を改正する方針を明記。昨年七月の閣議決定で示した新三要件を条文に「過不足なく」盛り込むとし、すべて条文化するかどうかは曖昧にした。
 「切れ目のない法制整備」を掲げ、(1)日本の安全に重要な影響を与える事態に他国軍支援を可能にする周辺事態法改正(2)世界中で他国軍の戦闘支援を随時可能にする恒久法制定(3)国連平和維持活動(PKO)以外の国際的な復興支援活動に参加できるようにするPKO協力法改正(4)武力攻撃に至らないグレーゾーン事態への対処(5)海外での邦人救出-を盛り込んだ。
 自衛隊の海外派遣では、公明党の要請に応じ「国際法上の正当性」「国会関与など民主的統制」「隊員の安全」を確保する三方針を明記。ただ、国連決議に基づかない派遣も可能とする表現になった。国会関与は「事前承認を基本とする」とし、例外を認める余地を残した。安全確保も具体策は盛り込まれなかった。
 日本の安全確保を目的とした他国軍への戦闘支援では、周辺事態法から自衛隊派遣の地理的な制約を取り払う抜本改正の方針を示した。米軍以外の他国軍にも支援を拡大する。
 他国軍支援の恒久法に関しても、派遣範囲や支援対象国に制限は設けなかった。
 自公両党は四月中旬に与党協議を再開し、政府が作成した関連法案の条文を審査する方針。
 政府は与党の了承を得て法案を五月の連休明けに一括で提出し、今国会での成立を目指す。


【社説 :安保法制の与党合意 どんな国にしたいのか 毎日3/21】

 新たな安全保障法制の整備を検討してきた自民、公明両党の協議が決着した。両党は法整備の具体的な方向性をまとめた共同文書に正式に合意し、政府は法案化作業に入る。
 新たな法制では、日本が攻撃されていなくても、米軍や他国軍への自衛隊による支援が地球規模で可能になる。これまでのように個別の案件に応じて法整備をするのでなく、どんな事態にも対応できる「切れ目のない法整備」をあらかじめしておくことで、一定の要件を満たせば、政府の判断でいつでもどこでも自衛隊を海外に派遣できるようになる。

 ◇まずは将来像の共有を

 与党が合意した一連の法整備は、集団的自衛権の行使容認など昨年7月の閣議決定内容を具体化したものだ。実現すれば、自衛隊の海外での活動は際限なく拡大しかねない。これだけの大きな政策転換をするのであれば、大前提として日本が国際社会の中でどんな国として生きていくのかという骨太の議論がなされなければならない。それは日本のグランドデザインを描くことである。
 しかし、政府の説明は「いかなる事態でも国民の命と暮らしを守り抜く」「積極的平和主義のもと国際社会に積極的に貢献する」という程度にとどまっている。
 協議の焦点となった周辺事態法の抜本改正は、地理的制約を廃止し、政府が「日本の平和と安全に重要な影響を与える事態」と認定すれば、地球上のどこでも米軍や他国軍に対し自衛隊による後方支援ができるようにするものだ。協議では、公明党が事態の概念が広すぎると異を唱え、類型や典型例を示すよう求めた場面があった。だが結局、何も示されず、うやむやのまま合意した。
 自衛隊による他国軍への後方支援をめぐっては、日本の平和と安全を目的とする周辺事態法の抜本改正と、国際社会の平和と安全を目的とする恒久法の制定が合意された。
 政府はこの二つの後方支援法で何をしようとしているのだろう。現行の周辺事態法は朝鮮半島有事や台湾海峡有事を想定しており、抜本改正をするということは、それらを超えた活動を想定していることになる。
 それは突き詰めれば、東シナ海、南シナ海から、インド洋、中東に通じる日本のシーレーン(海上交通路)で自衛隊の活動を拡大し、米軍との一体化を進め、豪州軍などとの安全保障協力も強化し、抑止力を高めることを意味する。
 南シナ海では、中国が海洋権益をめぐってベトナムやフィリピンと争っている。中東では、かつてイランがホルムズ海峡の封鎖に言及したことがあり、最近はイスラム過激派組織「イスラム国」(IS)によるテロの拡散が脅威になっている。
 例えばシーレーンで、日本のタンカーが攻撃を受け、現行法に基づく海上警備行動などで対応するだけでは不十分な場合にどうするか。政府は、他国軍が攻撃を受けていれば後方支援が必要になるかもしれないし、武力行使の新3要件を満たせば集団的自衛権の行使が可能になると考えているように見える。
 あるいは日本のタンカーが攻撃されていなくても、日本や国際社会の安全に影響があれば、後方支援が必要になると考えているのだろう。こうした事態を想定して、いろんなことができるように法整備をしておこうというのが、今回の見直しだ。

 ◇軍事偏重で外交足りぬ

 自衛隊の海外での活動は地理的にも内容的にも大幅に拡大する。日本はこういう国になることを本当に目指しているのか。それを国民が理解し納得しているのだろうか。
 本来は、まず目指すべき国家像と安全保障戦略があり、そのために必要な自衛隊の活動と法整備があるべきだ。一昨年末に策定された国家安全保障戦略はそれを十分に説明しているとは言えない。与党協議も法制の技術論と文言調整に終始した。
 平和が崩れた場合に備えることは必要だ。だが安全保障は、外交と軍事のバランスが重要である。米英独仏中露の6カ国とイランの間で、イランの核問題解決を目指す協議が続いているのに、日本では中東の機雷掃海など軍事ばかりに議論が集中している。軍事的な方策に偏っていて、外交的なアプローチが足りない。
 個別に法制の内容を点検すれば、いくつもの問題がある。恒久法は国連安保理の武力行使容認決議がなくても、関連する国連決議があれば、後方支援が可能になるという考え方をとる。国連平和維持活動(PKO)協力法改正では、治安維持活動が任務に加わる。他にもメニューが多すぎて、消化し切れないまま与党の合意文書に入ったものがある。
 与党協議は、統一地方選や安倍晋三首相の訪米を控えたスケジュールありきで、1カ月で終わった。4月半ばに協議を再開して法案を審査するが、形式的な議論に終わる可能性もある。公明党はブレーキ役をしっかり果たしたとは言い難い。野党も、民主党が党内議論を始めたが、意見をまとめ切れるのか見通せない。
 政府は5月半ばに法案を国会に提出するという。国会審議では、各党が法技術論にとどまらず、どんな国にしたいのかを堂々と競い合うような議論をすべきだ。

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