9条が活動のバックボーン 中村哲さん
マガジン9のインタビュー記事。2500万人の人口のうち、1200万人が干ばつ被害を受け、500万人が飢餓線上、100万人が餓死寸前というアフガニスタンで「人が生きていく支援が第一」と、1670本の井戸を掘り、40万人以上が村を離れずにすむ貢献をしてきたペシャワール会の中村哲さん。
日本は、軍事力を用いない分野での貢献や援助を果たすべきなんです。現地で活動していると、力の虚しさ、というのがほんとうに身に沁みます。」「9条があるから、海外ではこれまで絶対に銃を撃たなかった日本。それが、ほんとうの日本の強味なんですよ。」「具体的に、リアルに、何よりも物理的に、僕らを守ってくれているものを、なんで手放す必要があるんでしょうか。危険だと言われる地域で活動していると、その9条のありがたさをつくづく感じるんです」と語る。大事な視点。
【アフガニスタンという国で、9条をバックボーンに活動を続けてきた 中村哲さんに聞く】
以下、引用。
・日本は、軍事力を用いない分野での貢献や援助を果たすべきなんです。現地で活動していると、力の虚しさ、というのがほんとうに身に沁みます。銃で押さえ込めば、銃で反撃されます。当たり前のことです。でも、ようやく流れ始めた用水路を、誰が破壊しますか。緑色に復活した農地に、誰が爆弾を撃ち込みたいと思いますか。それを造ったのが日本人だと分かれば、少し失われた親日感情はすぐに戻ってきます。それが、ほんとうの外交じゃないかと、僕は確信しているんですが。・僕は憲法9条なんて、特に意識したことはなかった。でもね、向こうに行って、9条がバックボーンとして僕らの活動を支えていてくれる、これが我々を守ってきてくれたんだな、という実感がありますよ。体で感じた想いですよ。
武器など絶対に使用しないで、平和を具現化する。それが具体的な形として存在しているのが日本という国の平和憲法、9条ですよ。それを、現地の人たちも分かってくれているんです。だから、政府側も反政府側も、タリバンだって我々には手を出さない。むしろ、守ってくれているんです。9条があるから、海外ではこれまで絶対に銃を撃たなかった日本。それが、ほんとうの日本の強味なんですよ。・具体的に、リアルに、何よりも物理的に、僕らを守ってくれているものを、なんで手放す必要があるんでしょうか。危険だと言われる地域で活動していると、その9条のありがたさをつくづく感じるんです。日本は、その9条にのっとった行動をしてきた。だから、アフガンでも中東でも、いまでも親近感を持たれている。これを外交の基礎にするべきだと、僕は強く思います。
~ 興味深いのは「江戸時代や戦国時代の技術を、アフガンで再生しているんです。ほとんど機械が使えないような状況の中では、こんな日本古来の人力に頼った技術が、思わぬ効果を発揮するんですね」と語っている部分。
電気も通っていない、メンテナンスの技術者や設備もない地域では、高価な機械より、簡易な人力で使える道具が威力を発揮する。が、これではODAを通じて、大企業に利益を還元することはできない。40年以上前に読んだジェフリー・リーンの「地球病の時代」を思い出した。
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