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ビキニ環礁水爆実験の健康影響に関する講演会と相談会3/16 高知県主催

 3月16日、高知県主催で、広島大学名誉教授・星正治氏、広島原爆被爆者援護事業団理事長・広島大学名誉教授・鎌田七男氏らの講演と、その後の相談会が開催される。
【ビキニ環礁水爆実験の健康影響に関する相談会 高知県・行事のお知らせ 2/3】
 関係者らの努力の成果、声を県議会で質問、実現できたものである。知事は「新しい資料に基づいた、新しい対応がとられるべきではないか」と答弁し、「この運動をリードしてきた山下正寿氏に話を聞くべき」と提案したら、きちんと聞いて今回の企画となった。
このあたりの真摯な対応が高知県政の特徴の1つである。
以下、昨年9月議会での吉良県議の質問と答弁

●吉良県議
去る9月19日、高知の元高校教師で太平洋核被災支援センター事務局長の山下正寿さんらが厚労省に公開を求めていた文書が公開されました。60年前の1954年3月1日から2か月半、太平洋・ビキニ環礁でアメリカが6回にわたって強行した水爆実験に遭遇した日本の漁船や乗組員に対して行った「放射能汚染検査」の文書でした。第五福竜丸以外にも、多くの漁船が被爆していたにも関わらず、日本政府は第五福竜丸以外被曝しておらず記録は「ない」と国民に言い続けてきた秘密資料です。60年たってその存在がわかり、初めて公開されたものです。
きっかけは、昨年、アメリカ公文書館で公開された極秘文書の中に、これまで存在しないと言われていたビキニ被災船と漁船員たちの検査記録が発見されたことからでした。リストは、日本の外務省を経由して届けられたものであることがわかり、外務省に問合せると、外務省保管分の厚生省作成の被災船の記録資料を開示したのです。やはり記録はあるじゃないかと、厚労省に公開を求めて、そして、今回の公開となったのです。
公開されたのは、資料304点、B4で1,900枚分。第五福竜丸、乗組員23人以外に、のべ556隻、実数473隻について、航路図、人体と水揚げした魚の放射線量等が記載されており、被曝の実相を知る上で大変貴重な資料です。被曝したのべ992隻のうち放射線量が高い被爆マグロを廃棄した高知県の船はのべ270隻、実数117隻、実に3分の1近くが私達高知の船と人なのです。その数2,300名を超すであろう本県の漁船員の被曝の実相が、公的文書でもって、やっと明らかにされてくるのです。
この8月6日にNHKが作成し放送した「水爆実験60年目の真実」が放送されました。この間に明らかになったアメリカ側の放射線降下物の広がりの記録と日本側の漁船操業航路などを重ね合わせて、100隻以上の被曝の事実を浮かび上がらせました。室戸のマグロ船第2幸成丸の乗組員は20名、実験から20年の間に40歳前後の若さで次々と癌や心臓病などで死亡し、今は3人だけです。仲間が亡くなっていく中、「被曝を疑うも何もできなかった」と話す久保ひさしさんも出てきています。船は4,000カウント検出され汚染魚も廃棄されたのに人体の被曝量は全く記録されていない。番組は、その背景に、水爆実験が中断されるのを恐れて、日本漁民の不都合な事実をすべて隠したアメリカの操作があったという、当時のアメリカエネルギー省の幹部の証言も報道しています。しかし、ついにこの2月、アメリカの公文書館から人体被曝量も記された第2幸成丸の記録が発見され、がんで亡くなった久保さんの仲間の被曝も公文書で証明されたと伝えています。
広島、長崎に続く人類史上3度目の被曝はまさに高知県の事件であるとして高知県民は果敢にいち早く対応しています。被爆直後から室戸市長を筆頭にした芸東原水爆対策協議会を結成し、「原水爆禁止」を掲げ、「被曝者の生活防衛」を打ち出して運動をおこしました。そして、ついに知事を先頭とした高知県原水爆対策協議会を結成させるという歴史を私たち高知県民はもっているのです。
国が一定情報を開示したこの機に、被爆直後のこれら県民の意志を継いで、県として、厚労省に高知県関係の被災船記録の情報公開を求めていただきたい。そして、高知県関係の船の被害、乗組員の状態、特に、危険区域内にいて高濃度の汚染が心配される船や乗組員の現状把握に努めるなど、県の調査記録として整備すべきだと考えるのですが、知事にお聞きします。

■知事
このビキニ環礁での水爆実験に遭遇されました乗組員の皆様方におかれましては、本当に長年に渡りまして健康に対するご不安を抱えてこられたなど、大変御苦労してこられたことと本当に思います。
この間題については、委員もご存じのとおり、日米の間では、いわゆる外交問題の延長上にあって、国は日米間の交換公文をもってすべて問題は解決済みという立場であります。
しかしながら、先はど来お話がありますように、この度、太平洋核被災支援センター事務局長さんのご請求によってですね、本年9月に厚生労働省で、第五福竜丸以外の日本船や乗組員に関して、新たな資料が開示をされたということな訳であります。
新しい資料に基づいた、新しい対応がとられるべきではないかとそのように考えておるところでございまして、県としまして、まず国に対して新たな資料に基づく科学的な検証、これを行うべきではないかということを強く求めていかなければならないのではないかとそのように考えています。
具体的にどのように行動していくかは、これからよく検討させてもらいたいとそのように思います。

●吉良議員
NHKの「水爆実験60年目の真実~ヒロシマが迫る”埋もれた被ばく”~」を制作した広島局のディレクターが「放送を終えて」という手記で以下のように述べています。
60年間、仲間たちが次々と原因不明の病で倒れていくのを目の当たりにしながら、被爆を証明する術がないため何もできなかった漁船員たち。取材を始めた頃は、「今さら被爆を訴えたところでどうしようもない」と真相解明を諦めていた漁船員たちが、ヒロシマの科学者が立ち上がったことで、自らの体で被爆を証明しようと積極的に科学調査に協力するようになったことが印象的でした。初めて第5福竜丸の漁船員以外の被爆が科学的に証明されたことで、その存在をこれまで否定してきた国はどう動くのか、注視し続けたいと思いますと。
まさにこの立場に立って、知事としても対応を強めていただきたいと思います。知事はこの放送をご覧になったんでしょうか。
もう一つですね、愛媛県の南海放送が8年にもわたる取材をもとにして、テレビと映画化したものがございます。これは今も全国各地で活発に上映されていまして、「放射線を浴びたX年後」という作品です。これもNHK同様ビキニ水爆の真実に迫る優れた作品です。
悔しさや無念さなどがあっても、海で生きていくため、誰にも言わずじっと耐えていた被災船の乗組員の方々が、今、やっと、声を上げ始めています。被曝したのは私たちの仲間、県民です。歴史的事件に遭遇した県民の姿を県や国の動向と共に後世の県民、国民にきちんと伝えるべく、ぜひとも、厚労省への要請など含めて対応を強めていただきたいということを要望しておきます。
当時の乗組員や遺族は既に70~80歳になっています。山下氏などの調査では平均値の200倍の癌発生率だと言われ調査が急がれます。太平洋核被災支援センターにはこの25年間で蓄積した、室戸や幡多郡下での被災船乗組員の情報もあると聞いています。被曝者と認められた第5福竜丸の乗組員は、船員保険の被保険者として治療費など対応されているとお聞きします。
県として、「太平洋核被災支援センター」や「日本かつお・まぐろ漁協」などに、広く情報の提供を求め、当該地域の保健婦等で早期に訪問し、「放射線被害を受けている被災者」を前提としての調査の下、治療や救済・支援方法の検討、そして、船員保険の適用にむけた取組など、あきらめかけている被災船員を支える手だての検討を始めていただけないか、健康政策部長にお聞きいたします。

■健康政策部長
水爆実験に遭遇された乗組員の方の中で、新たな資料が見つかったという記事を見て、不安を抱かれている方もおいでるのではないかなぁと思います。そうした方に、福祉保健所で健康相談ができることを十分にまず周知をさせていただいて、健康相談を受けていただき、必要に応じて健康診断や医療につなげていきたいというふうに思っております。
船員保険の適用についてですけれども、第五福竜丸の事例では、被爆による急性放射能障害の治療のために行った輸血によるC型慢性肝炎が発症したということで、「職務上」の疾病と認定されたと、そこの因果関係がはっきりしていたということであります。
認定のためには、個人ごとに被爆量を立証し、加えて、具体的な健康影響について被爆との因果関係を立証することが必要となりますので、水爆実験から60年を経ている中で、個々人について、その晩発性の障害などを科学的に立証していくことは、非常に難しいのではないかというふうに思っています。ただ、先ほど知事からも答弁させていただきましたように、今回明らかになった資料をですね国において科学的に検証することで、被爆の事実が明確になることがあれば、認定基準の類型化など次のステップに進むことも期待できるのではないかというふうに思っております。

●吉良県議
今後のあり方をぜひ注視しながら、がんばっていただきたいと思うんですけれど、実は部長がおっしゃった個々人の被爆量と病気の関係ですね、これを先ほど私が言いました8月6日に放送されたNHKの番組ですね、広島の科学者たちがそれに着手し始めたという、ご覧になった思うんですが、いうことなんですね。そして、この夏、ビキニでの水爆実験による被ばくを証明する、初めての検査報告がついになされています。
一つは被災者の歯による、歯を取って被曝線量の証明をむしたんです。ビキニ実験場から約1,000キロを航行していた漁船の元乗組員の歯から当時の被爆線量を推定したところ、広島原爆の爆心地から約1.6キロ地点の線量に相当する319ミリシーベルトだったことが確認されました。規定の100ミリシーベルトを完全に超えているんですね。
もう一つは血液による被曝線量の証明。ビキニ実験場1,300キロ付近で操業していたマグロ漁船員の血液から、染色体異常が一般の人より多く見つかるなど、実験が原因と考えられる被爆の痕跡が確認されて、今後、政府への補償を求める場合の論拠になりそうと報道もされています。
科学的調査を進めているのは星正治・広島大学名誉教授、田中公夫博士など広島大学らのグループで、調査には高知県内の男性9人を含む元船員19人が協力をしています。
被ばくの可能性を科学的な調査で初めて裏付けた星正治広島大学名誉教授をはじめとする研究グループを招き、この間の本県被災船の乗組員を含む調査にかんする報告、学習会や研修会、あるいは交流会など、県として開催できないか、健康政策部長にお聞きいたします。

■健康政策部長
いまおっしゃられたことに対してですけれど、新聞報道の内容しか承知しておりませんので、まずは、太平洋核被災支援センターの事務局長の山下さんにお会いをしまして、調査結果とかご意見をお聞きしたいと思っております。

●吉良県議
ありがとうございます。その山下氏は以下のようにおっしゃっています。「ビキニ事件は、戦後の日本で一番大きな秘密情報でしょう。放射線量が高い魚を廃棄した漁船は、全国で延べ約1,000隻。1万人近い関係者がいるにもかかわらず、『第五福竜丸』1隻の問題に矮小化されました。当時、核実験は大きな国際問題だったのに、日米の政治的決着で強引な幕引きが図られました。日本は米国との関係を強化したかったし、米国は核技術を向上させるために実験を続けたかった。外交上の利益が一致し、双方が秘密にしたい場合、国民が知るべき情報は隠す。そういうことが実際に起こったのです。乗組員の健康は二の次でした」とのべられています。
政治的意図から被災者の声が抑えられ埋もれさせられて60年たちました。国家の思惑の陰で無き者とされた漁船員たちの無念の声なき声にこたえるように、今、まちがいなくビキニ水爆実験被爆者である、ということが証明され始めました。
広島や長崎の被爆者同様、被爆者援護法的な救済支援の適用を求めるため、県として出来得る支援をすべきだと考えますがこの項は知事にお考えをお聞きしたいと思います。

■知事
先ほどテレビを見たかというお話がありました。私はですね、すみません、見ていないのですが、NHKスペシャルについては、昨日このご質問が出るとのことで、どういう内容であったかということを、いまは色々調べられますので大体見ました。当時、昭和20年代後半から30年代後半にかけての複雑な国際関係の中で、この間題が起こってなかなか難しいことがあったのだなぁということを勉強させていただいたところであります。
いずれにして、このビキニ被爆の問題について、その実相がどうであったかったかということ、これが検証できるかもしれない資料が見付かった訳でありますから、国は当時の時代背景は時代背景としながら、今現代において、その当時はどうであったかということについて、この資料に基づいてしっかりとした調査をし、客観的な判断を下していくべきということではないかなとそのように思います。
その先に、例えばどういう形で支援をしていくかとか、そういう議論というのが出てくるのではないかなとそのように考えておるところでございまして、先ほど申し上げたことと同じでございますが、国に対して訴えていかないといけないと思います。どう具体的にやっていくか、もう少し勉強させてもらいたいとそのように思います。

●吉良県議
ありがとうございます。水爆で死の灰を浴びても国もアメリカも真実を伝えず、何か月も汚染された海でマグロを追ってるんですね、あの当時。危険が分かっているのに誰も伝えていない。2ヶ月くらいずっとあそこで操業しているという、本当に悲惨なものですよ。そして、帰ってきて、船主からさえも口止めされる、それを言うとですねおまえ仕事がなくなるぞと、室戸の地域は全滅するぞというようなことも言われて、そして死の苦しみを味わっても、誰にも被曝を言えず死んでいった漁船員の姿に自らを重ね合わせた時、これを歴史に刻まないことは、まさに加害と同じだと私は考えます。先ほど知事がおっしゃいましたように、県としてこれからその県民に対して何ができるのか、是非、私も一緒になって問い続けたいと思いますので、対応をよろしくお願いしたいと思います。
最後に、先ほど健康政策部長もおっしゃっておりましたけれども、知事、この山下氏はですね、高校教師の時に、高校生たちとビキニの真実に迫ってですね、「ビキニの海は忘れない」という書籍だとか、そして映画を作成しております。吉永小百合んがナレーターになって非常に高校生たちの平和活動として全国的に有名になったんですけれども、そして退職の後に太平洋核被災支援センターを立ち上げて、事務局長であると思います。
ぜひ知事もですね、一度お会いになっていただけたらと思うのですけれど、そのことについてはいかがでしょうか。

■知事
また色々、スケジュールの調整ををさせていただければと思います。

●吉良県議
ありがとうございます。ぜひスケジュールを空けていただきたいと思います。

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