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「浮上式防波堤」建設中止へ 動く保証なし、費用も3倍化

 和歌山の可動式防波堤・・・想定どおりに作動しないおそれがあることや、事業費が当初の3倍を超えることで中止に。
3.11後、高知にも話が浮上していたが、「自然の力を甘く見てはならない。ハードでの対応に限界がある」ことを教訓にすべきで、こんなものに使う金があれば、住宅、道路、橋の耐震化、避難タワー・避難道の整備、施設の高台移転などの支援に使った方がよほど確実な対策となる。役に立つかどうかより、巨額のプロジェクトそのものが目的としか思えない。順序が違うと批判してきた。
 高知に限れば「やはり、そうだった」と改めて思わせてくれる記事。
 2011年12月市議会では以下のようなやり取りがあった。

【「浮上式防波堤」建設中止を地元に説明 NHK2/18】

【「浮上式防波堤」建設中止を地元に説明 NHK2/18】

 南海トラフの巨大地震による津波に備えるため、国が和歌山県で建設を進めていた「浮上式防波堤」について、想定どおりに作動しないおそれがあることや、事業費が当初の3倍を超える700億円以上に膨らむなどとして、国は建設を取りやめると地元に説明しました。
代わりにかさ上げ工事などを行うとしています。
「浮上式防波堤」は、海底に「鋼管」と呼ばれる金属製のパイプを並べて埋め込み、津波が押し寄せると、空気の力で鋼管が水面から7.5メートルの高さにまで浮上する仕組みで、景観にも配慮できるとして注目されてきました。
 国土交通省近畿地方整備局は総事業費およそ250億円の計画で、平成24年10月から和歌山県海南市の和歌山下津港で建設を進めてきましたが、18日、市や地元の企業などに建設を中止すると説明しました。
理由について、南海トラフの巨大地震の内閣府の想定が計画段階よりも大きくなり、専門家の委員会が再検討したところ、地震の揺れで「鋼管」が損傷して浮上しないおそれや、浮上しても津波に耐えられないおそれがあることが分かったとしています。
 さらに、補強などを行って計画を進めた場合、総事業費は当初の3倍を超えるおよそ770億円に膨らみ、完成も16年後の平成43年度にずれ込むということです。
このため、すでに本体だけでおよそ14億円を投じた建設工事を中止し、代わりに港の護岸のかさ上げ工事などを行う考えを示しました。
 ただ、かさ上げ工事などには浮上式防波堤の当初計画を上回るおよそ450億円がかかり、完成は平成35年度になるとしています。
 建設中止について、昭和21年の南海地震を経験している地元の山下倫弘さんは「この地域は以前にも津波の被害を受けたことがあり、対策について市役所などと何度も話し合いを重ねてきた。ようやく決まったのが『浮上式防波堤』の事業でした。やっと大丈夫だと思っていたのに残念です。腹立たしい思いです」と話していました。
建設の取りやめについて国土交通省近畿地方整備局の北出徹也港湾空港企画官は「『浮上式防波堤』の計画は全国でも初めてで、大々的に取り組んできた。結果的にこのような形になり、申し訳なく思う」と話していました

◆2011年12月議会

 下本市議「「可動式防波堤について,期待がある一方で,未知の領域で,実際に稼働するのかも含め,効果については定かではありません。
 費用対効果,実現性などをきちんと検証し,住民が納得することが実施の前提だと思いますが,基本認識をお聞きします。
 なお,和歌山県の直立可動式防波堤について,沿岸技術研究センターの高山知司参与は,設計条件である三連動地震による津波を見直す必要性はないとしながらも,設計した直立浮上式防波堤が津波防御機能を失うような被害を受ける津波規模については,あらかじめ検討しておくことが重要。今後の中央防災会議において既存の東海・東南海・南海の三連動地震モデルが大きく修正された場合には,これにどのように対応するかは今後検討することになろうと述べています。
 この点からも,調査,研究,設計段階だけでかなりの時間を要すると考えられます。いずれにしても,可動式防波堤頼みにならず,また可動式防波堤が作動しないことも想定した逃げるための対策をスピードアップさせる必要があると思いますが,御所見をお聞きします。」

 市長
「可動式堤防の御質問にお答えを申し上げます。
 浦戸湾口の可動式津波の防波堤と防潮堤の補強の効果につきましては,これまでもお答えをしてまいりましたとおり,いわゆる多重防護と多重防御という観点から,我々はその必要性を効果があるという認識を持っているところでございます。
 可動式津波防波堤の実現性でございますが,国交省の四国整備局では,地震や津波の規模,気象特性などあらゆる条件を考慮して,各分野の専門家の意見や東日本大震災の検証結果,また和歌山の下津海岸での検討状況も反映させたものになるとお聞きをしておりまして,私どもからも本省の政務官を通じまして浦戸湾の抜本的な津波対策を必ず本予算で実現をしていただきたいということを強く要望をしているところでございます。」
「この可動式の防波堤でございますけれども,御指摘いただきましたとおり,相当の年数がかかる予定でございます。我々が今お聞きしている年数につきましては,本予算として認められましたら,平成24年度から43年度ごろまで相当の時間がかかるということをお聞きしております。
 可動式の防波堤につきましては,いわゆる減災をする,また津波到達時間をおくらせて,その間に逃げていただくと,また長期浸水の市内への浸水の幅をできるだけ低く押さえ込んでいくということも含めて非常に重要な施策でありますが,御指摘いただきましたように,津波からまず逃げるということが一番でございますので,まずは大きな揺れがあったら,すぐ逃げ出していただくということを徹底してまいりたいというふうに思っているところでございます。」

与党会派の質問に市長は

「いわゆる浮上式防波堤というふうに言われておりますが,現在,和歌山の下津港海岸で平成21年から31年の期間において総事業費,概算でございますが約250億円の費用をかけて着工するもので,その減災対策につきまして非常に大きな期待をされているところでございます。
 この防波堤を我々も強く本予算にのせるように今求めているところですが,この防波堤が,高知港の海岸線において設置されるということになりますと,非常に重要な多重防御の仕組みができるということを考えております。」

 なお、学校の耐震化、避難タワーの設置、県内でもっとも遅れているのが高知市である。効果も定かでない事業に巨費をづきこむ意欲を見せる一方、肝心の対策は後手後手・・そこに姿勢があらわれている。

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