F35 「曲がれず、上昇できず、動けない」うえ「戦えない」が高価
空対空、敵基地への爆撃、垂直離発着・・・ あれもこれもテンコ盛りできわめて複雑で重たい期待。それをささえるエンジンは単発。史上最大の推進力をもとめられるため故障が絶えず、設計の見直しが続いている。
米軍と密接な関係がある「ランド研究所」の仮想演習では「曲がれず、上昇できず、動けない」と酷評されている。しかも、ソフトの欠陥で、機関銃が使えない〔改善は2019年までかかる。納入される最初の4機は短距離ミサイルも使えない〕
野党自体には石破氏も防空の任務には「搭載兵器の量と質、それを可能とするパワーとハードポイント数が重要」で「F-35も機体外に諸兵装を装着することになり、売り物のステルス性は意味を失う」と疑問を呈していた。
日本はF35を42機購入する予定。だが、どう活用するのか、そのため調達が終わるのか、総額いくらかかるのか。維持管理費用はどうなのか ・・・限られて財源の中でどう有効に活用するのか、行政なら不可欠の全体計画がない。
いつ完成するかわからない、高価な駄作に嬉々とする・・・本気で「安全保障」など考えていない証拠。日米軍事産業への金のばらまき。
【飛べるがたたかえない…? 米戦闘機F35 日本も6機分予算案計上 重大欠陥 価格高騰も 赤旗1/9】
【コラム:最新鋭ステルス戦闘機「F35」の宿命的欠陥 ロイター2014/7/16】
【飛べるがたたかえない…? 米戦闘機F35 日本も6機分予算案計上 重大欠陥 価格高騰も 赤旗1/9】米国防総省は開発中の最新鋭ステルス戦闘機・F35ライトニングIIを来年7月から実戦配備し、2017会計年度(16年10月~17年9月)に米海兵隊岩国基地(山口県)へ配備する計画です。防衛省も来年度予算案に、F35A6機分の調達費用を計上する方針です。配備先は三沢基地(青森県)が予定されています。
しかし、同機について重大な欠陥が指摘されており、実戦配備されても作戦任務に支障をきたす可能性と、開発期間の延長に伴う価格高騰が指摘されています。
米政府監査院(GAO)は昨年3月、米議会に提出した書面証言で、「ソフトウエアの不具合により、戦闘能力が制限されている」と指摘しています。現状では、“飛べるがたたかえない”状態だというのです。
これに関して米ニュースサイト「デイリー・ビースト」は昨年12月31日付の配信記事で、複数の米軍高官の証言を基に、近接攻撃に用いる25ミリ機関銃がソフトウエアの不具合で使用できない状態だと指摘。ソフトの更新は2019年までかかる見通しで、それまでは「作戦任務で機関銃を使用できない」と報じました。英紙テレグラフなども同様の報道を行っています。
さらに、機体が重く急激な方向転換ができないため、空対空戦に不向きとの証言も紹介しています。また、F35の開発費用についてGAOは「予定通り計画を実行するために、今後5年間にわたって費用を上積みし、2037年まで年平均126億ドル(約1兆5120億円)を維持する必要がある」と述べています。これは、日本など同盟国への売却費用高騰にもつながります。
航空自衛隊へのF35導入は民主党政権時の2011年12月に決定されました。まだ開発中の機種を次期主力戦闘機に選んだことは、大きな波紋をもたらしました。自民党も当時、この決定を批判していましたが、政権党となった同党は自らの言動を忘れ、巨額の税金を投入してF35調達にまい進しています。
【コラム:最新鋭ステルス戦闘機「F35」の宿命的欠陥 ロイター2014/7/16】David Axe
[14日 ロイター] - 6月23日に米フロリダ州の空軍基地で出火事故を起こした最新鋭ステルス戦闘機「F35」。米国防総省は、エンジンの追加検査が完了するまで全機を飛行停止としたが、今回の事故は、数千機に上る米軍の戦闘機が確実には飛べなくなる事態さえ予感させるものだ。
公平のために記すと、米国防総省は戦闘機が事故や故障を起こした際、原因の究明と問題の解決のため、一時的な飛行停止はこれまでも通常運用として行ってきた。しかし、今回の事故には真に懸念すべき理由がある。F35が戦闘には不向きであることを示しかねない設計上の深刻な欠陥を映し出しているかもしれないからだ。
まず第一に、ロッキード・マーチン製のF35は単純に言って、あまり成功を収めているとは言えない。米国防総省は2007年以降、少なくとも13回はF35の一時飛行停止を余儀なくされた。その多くはプラット・アンド・ホイットニーが製造する「F135」エンジンが原因で、特に、エンジンのタービン翼が問題となってきた。一次飛行停止の期間は、長くても2─3週間程度だった。
オランダの航空宇宙専門家で、戦闘機情報サイトのJSFニュースの編集者であるヨハン・ベーダー氏は「エンジンの同じ個所で問題が繰り返されていることは、F135エンジンの深刻な設計上かつ構造上の問題を示しているかもしれない」と述べた。
プラット・アンド・ホイットニーは度重なる不具合に終止符を打とうと、F135エンジンの全面的な再設計をすでに行っている。しかし、エンジニアにできることは限りがある。F35の開発初期段階でエンジンの問題は議論を呼んだが、米国防総省は双発エンジンではなく単発エンジンを選んだ。単発を採用することでコスト低下には寄与するかもしれない。しかし、F35のケースでは、その決断は「自滅」だと言わざるを得ない。
なぜなら、F35は基本設計に空軍と海兵隊、海軍の要望を取り入れた結果、構造が複雑になっているからだ。航空機の設計では、複雑さは重量に直結する。F35の重量は燃料満載時は35トンと、単発戦闘機としては極めて重い。
対照的に、従来の「F15」戦闘機は重量40トンだが、エンジンは双発だ。F35は速度と操縦性を保つため、F135エンジンに戦闘機史上最大の推進力が求められる。そうした推進力を実現すれば、エンジン部品には過度なストレスがかかるため、F35が高い頻度でエンジントラブルに見舞われるのも驚くには当たらない。そして、たとえ史上最大の推進力を生むエンジンを積んだとしても、F35は「鈍重」な戦闘機だ。ワシントンの非営利組織「政府監督プロジェクト」で軍改革について研究するウィンスロー•ウィーラー氏は、F35を「重くて動力不足の失敗作」と呼ぶ。
米軍と密接な関係があるシンクタンク「ランド研究所」のアナリスト2人は2008年、F35の戦闘能力を分析する目的で、コンピューターを使って中国との空中戦をシミュレーションした。結果は衝撃的な内容だった。
同仮想演習に関する報告書を執筆したジョン・スティリオン氏とハロルド・スコット・パーデュー氏は、「F35は二重の欠陥がある」と指摘し、「曲がれず、上昇できず、動けない」と警告していた。
とはいえ、F35は米軍史上で最も多く使われる戦闘機になるべく歩を進めている。F35は、空軍と海兵隊が使う現行戦闘機のほぼすべてを置き換え、海軍では「F/A18」戦闘機を補完する位置づけとなる。米国防総省は、向こう数十年でF35を約2400機導入する計画。その費用は総額4000億ドル(約40兆7000億円)だ。
好むと好まざるとにかかわらず、F35は米国の空軍力の未来を担う。他の選択肢も限られている。開発がスタートした1990年代以降、ロッキード・マーチンのエンジニアたちは設計に多くの時間を費やした。仮に新たな戦闘機にこれから取り掛かるとすれば、国防総省は10年以上は待たされることになるだろう。その間、他の国に戦闘機の設計で先を越されるかもしれない。ロシアと中国、日本はいずれも新型ステルス戦闘機の開発を進めている。
基本的な設計的欠陥は今後数十年にわたり、F35を苦しめる可能性がある。それはつまり、米国の国家安全保障が危機にさらされる可能性もあるということに他ならない。
【F-16設計者、F-35が駄作な理由を語る 6/19】F-16戦闘機を共同設計したレジェンド、Pierre Sprey氏が「F-35は駄作だ」と言ってます。
F-35は本当に生まれつきどうしようもない飛行機だ、構想そのものバカなんだ、動けないし、運べないし、丸見えだし、どうせその場凌ぎだから何度も何度もヘマするだろう、まったく忌むべきことだ、というんですね。訳)
F-35は、ありえないほど愚かな空軍の誇大広告のために生まれた。
そのミッションは、空軍が「ハイ・ロー・ミックス」と呼ぶ配備の半分を受け持つことだ。恐ろしく高価で恐ろしく”ケーパブル”なF-22が1機あって(ハイ)、残りの雑用はもっと安く大量に買える汎用機がやる(ロー)、このローを受け持つのがF-35、という発想。
だがね、この「ハイ・ロー・ミックス」という発想からして、そもそも空軍がPRのため考えたでっち上げなんだ。大体、70年代からあるんだから。よくこんなに長くもったもんだと思うよ(笑)。
70年代、空軍の花型はF-15だった。エンジン2基、あの時代では質・サイズともに最高、重量5万ポンド弱、巨大レーダー…空軍が思いつく派手な装備は全部盛りさ。デカくて高価な飛行機をつくること、それが彼らの求めてるものだった。
Boyd空軍大佐とは開発に向けて話し合いを持ったが、あまりにもジャンクがてんこ盛りだったので、われわれは辞退した。
そのうちお役所仕事のゴリラがいろいろ地下でうごめいて、ほんでできたのがF16だ。サイズも半分、コストも半分、もっともっとハードな飛行機ね。(聞き手「F-35を駄作と呼んでおられたようですが」)
おう言ったとも。だって駄作だから。あれは生まれつきどうしようもない飛行機だ。なぜなら、バカな発想から生まれた飛行機だからね。
マルチミッションの飛行機つくろうと考えた時点でもう終わってる。クロスサポートでしょ、空対空でしょ、ディープ・インターディクション・ボミング(後方地域への阻止爆撃)でしょ、それもこれも積めって、そんなの絶対ムリ、できっこない。何度も何度も失敗するのは目に見えてる。(聞き手「戦闘能力は?」)
空戦ではまったく戦えない。マヌーバできんからな。(聞き手「地上部隊の支援機としてはどうですか?」)
ダメダメ。あんなちっこい翼じゃ長く飛べない。めちゃ燃費悪いから1時間か、せいぜいもって1時間半だ。(聞き手「じゃあ何に使えるんですか?」)
なんにも使えん。だから駄作って言ったろ。しょうもない爆撃機なんだよあいつは。(聞き手「ステルス性は?」)
あのね、まず最初に言っておきたいんだが、「ステルス」っていうのはでっち上げなんよ。隠れないんだから。レーダーは1942年にできた、ブリテンの戦いのときのレーダー、あれで世界中のステルス戦闘機は現代のものまで含め、すべて検知できる。(以下、例外のことも少し触れる)(聞き手「つまりなんですか、ひどい飛行機だと。戦闘もだめ、地上兵力も守れない、ロクでもない爆撃機で、メーカーがどう言おうと断じてステルスではないと、そう仰るんですね?」)
正解)。よくぞまとめてくれた(笑)。(聞き手「なら、なぜこんなもの作ったんですか?」)
金じゃよ。金をつかうこと、それがこの飛行機のミッションだ。米議会からロッキードに金を送る。それがこの飛行機の真のミッションなのさ。Casey Chan - Gizmodo SPLOID[原文]
(satomi)
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