戦闘ヘリ発注裁判~根底に、「口約束」「無計画」
62機のアパッチヘリ調達という「口約束」で、ライセンス料やライン整備したのに、13機で調達が終了し、初期投資が回収できなくなった、という裁判。
だいたい、数千億円、1兆円に超えるプロジェクトを「口約束」でやっている異常さ。「口約束」なのは、プロジェクトの総額、納期も不明、全体計画の議会の議決もなく、装備調達がなされているから。それは、ある目的を達成するために、どんな内容が最適で、それいつまでに、どの規模で整えるのか、というきちんとした計画がないということである。つまり「安全保障などどうでもよい」または「危険な事態はおこりえない」と言っているのに等しい。
【戦闘ヘリ発注せず巨額賠償 富士重の損害350億円 東京高裁が逆転判決 1/30】
軍事ジャーナリスト清谷信一氏のブログの指摘
【ヘリ導入で、富士重が逆転勝訴―東京高裁 無責任な自衛隊の兵器調達 1/29】
【富士重工VS防衛省・陸幕 アパッチ冬の陣 09/12】
【戦闘ヘリ発注せず巨額賠償 富士重の損害350億円 東京高裁が逆転判決 1/30】防衛省が計画通りに戦闘ヘリコプターを発注せず、初期投資した費用が回収できなくなったとして、 富士重工業 が350億円余りの支払いを国に求めた訴訟で、東京高裁は29日、国に全額の支払いを命じる判決を言い渡した。一審東京地裁判決は請求を全面棄却していた。
判決などによると、防衛省は2001年に戦闘ヘリ「AH64D」62機の導入を決定。富士重工は米ボーイング社へのライセンス料や専用設備の設置費などの初期投資費用を支出した。初回の契約では初期投資の全額が支払われなかったため、分割してヘリ代金に上乗せし、回収することにした。だが、財政悪化などのため08年に発注が打ち切られ、回収できた初期投資費用は10機分だけだった。
田村幸一 (たむら・こういち) 裁判長は「国が初期投資の全額を支払うと信頼させる言動をしたため、富士重工はそれを前提に契約した。計画が変更されても、契約の前提は法的に保護されるべきだ」と指摘。国に信義則上の支払い義務があると判断した。
一審判決は「初期投資費用を国が全額支払うという慣習や合意はなく、支払い義務はない」と判断していた。
防衛省は「大変厳しい判断が示され、極めて遺憾だ。今後判決内容を検討し、関係機関と調整の上、適切に対処する」とコメントしている。 富士重工は「主張がほぼ認められた。判決が業績へ与える影響は現時点では未確定だ」としている。
(共同通信)
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