高知市中学校給食完全実施へ~3年間の論戦・運動の成果
今日開会した市議会で、岡崎市長は市政報告で「具体的な手法を判断していく」と報告。地元紙は「議終了後の取材に対し、『家庭の経済的困窮からバランスの良い昼食を取れていない生徒もいる。公的に支援する必要性がある』と実施する意向を明確に示した。」と報じた。
3年前の市長選で、私たちの応援する候補が公約に掲げ、それから論戦・運動にとりくんできた。
1年9ヶ月前は「実施できる状況にない」とまったく冷たい答弁だった。
転機は、2013年9月、2014年3月の市の財政状況の論戦。目標を超えて大きく改善していることを明らかにさせたことにある、と思う。そして1万筆を越える署名。県政との連携も1つの特徴である。
以下、市議会を中心にした経過のメモ。
【高知市中学校給食完全実施へ ~ 3年間の論戦・運動】
■2011年11月 市長選で、みんなの会の迫候補が中学校給食の実施を公約で訴え
迫候補の高知新聞候補者アンケートへの回答 教育政策
「四国の他の県都は中学校給食を百%実施していますが高知市は17%台です。食の安定は、学力向上や気持ちの安定に結びつきます。中学校給食を実施し、高知市の子どものハンディを改善します。学校司書やスクールソーシャルワーカーの配置など子どもと家庭の支援を強めます。」
■2011年12月
・2010年9月県議会で、県としても中学校給食の前進を、と質問。2011年11月の知事選では尾崎知事が「給食サービスの拡充」を公約。
・党県議団の来年度予算に対する要望で、知事「全国最低クラスというのはさびしい。前進させたい」と高知市と協議することを約束。
■2012年3月議会
・市議会の質問で、教育長は、県から学校給食の実施について、高知市に「問い合わせがあった」が「平成30年までに学校耐震化を優先するため」と財源を「理由」に拒否したことを明かにした。
・中学生の昼食の実態について、古い調査しかないことを指摘。「改めて調査を実施する」と答弁させる。
■2012年12月議会
「検討する」としていたアンケートの実施を迫る。教育長は、「中学1年、2年生、保護者、教員を対象に、今年度内に実施を予定している」と答弁。
■2013年2月4日 市交渉
「子ども一人当たりの子育て支援策いくらか。高知市は県内の他の自治体から見て遅れている」との指摘に、担当課長は「県下で遅れているのは事実」と答弁
~ 子どもの医療費無料化も就学前と県下最低クラス・・・給食も最低クラス。子育て支援策の遅れに市長は、これまでも「高知市は子どもの数が多くむつかしい」と述べてきた。が、子どもの数が多いからこそ、県都として、その責任は大きい。
■2013年3月議会 実施を求める質問に、市長「財政的に難しい」と答弁
■2013年9月議会
・財政再建 プランより4年間で190億円の超過達成を指摘。 「間違いない」と財務部長
→給食とともに求めていた子どもの医療費無料化の拡充については「検討すべき時期」と健康福祉部長に答弁引き出す。
■2013年12月
・中学校給食の実施にむけて検討委員会の立ち上げ、実現にむけた認識を問う質問に、市長は「教育委員会の管轄」と予算編成の権限を持つ首長の責任を無視した門前払いの答弁
■2014年3月議会
・5年間で166億円も目標を大きく超えて財政改善していること、学校耐震化の目処もたったことを示し「中学校給食を実施できない理由はない」と追求
→ 市長「実施については、実施方向など具体的な検討が必要」「整理すべき課題も多く、議会を含めて議論をいただく必要がある」と前向き答弁に変更させる
☆県議会では「学校給食実施」の問題について、県教育長が「金がないのは何処も同じ。首長の判断の問題」と暗に、未実施自治体の市政を批判。
■2014年6月議会
・開会日に、共産党も参加する「市民の会」として、1万筆を越える中学校給食の実施をもとめる署名を教育長に手渡す。
・署名への受けとめをただし、市長に「1万を超える方々からの思いが短期間で集まっており、要望の重さを感じる」」と答弁させる。
■2014年9月議会
・ 中学校給食実施に向け、教育委員会が実施している調査について質問。教育長は、「コスト面や用地取得について調査し、できるだけ早い時期にまとめたい。」「また実施に向け、外部委員による検討委員会を立ち上げたい。」
■2014年11月 検討委員会で会合。12月市議会への報告するため、2週間という極めて短期間のとりくみで、実施方法などについて十分検討できるのか、という問題点はある。が、委員全員が実施の必要性認める。
« 今こそ共産党 瀬戸内寂聴さん、高畑勲さん、山田洋次さん | Main | 12月6日を迎えて 浜川ゆりこ »
「高知市政」カテゴリの記事
- 「よいところは継続」 桑名新市長の当初予算に賛成 日本共産党高知市議団‣声明(2024.03.23)
- キャンセルカルチャー 「大衆的検閲」の行く先(2024.03.13)
- 高知市長選 なせ岡崎市長の支援を決めたか(2023.10.04)
- 2023年3月 高知市議会メモ(2023.05.15)
- 生活保護 冬季加算「特別基準」(通常額の1.3倍) 高知市「抜かっていた」「速やかに実施」 (2022.12.28)
「教育・子育て」カテゴリの記事
- ダイバーシティ&インクルージョン 組織のアップデート(2024.08.11)
- 2024国際女性デー 差別・格差の根っ子に、非正規、奨学金ローン(2024.03.14)
- 創造と管理、心理的安全と恐怖 組織の自己改革(2024.01.11)
- 不登校 きっかけは「先生」最多・考~ 組織の構造的問題として(2023.11.16)
- 高知の校則に関して(提言) 子連10/25(2023.11.02)
Comments