「再稼働と一体になった福島切捨て」を許さない
笠井亮「原発再稼働ストップ、即時原発ゼロの決断を」〔前衛2014.11〕から「再稼動と一体となった福島切捨てを許さない」部分のメモ。
【再稼動と一体となった福島切捨てを許さない】
安倍政権は、再稼働、原発輸出の環境づくりのため、収束も、除染も、賠償も「終わったことにする」という福島切捨て路線を推進。
■浪江町民の怒り、福島県民の痛切な声
・7/25 浪江町議会議長ら超党派場印が、党本部を訪問/ 賠償、支援の強化について要請
「事故がおこり、故郷を追われた避難生活がいかに辛いか。高齢者は病院に行く以外に外に出ない。四畳半~六畳の狭い場所を動かないのでうつ病になっている」
「子どもの世代が、5年、10年たってふるさとと思えるか、戻れるか」
「89歳の父が避難先でなくなった。あの戦争で中国戦線から命からがら帰ってきて、何で自分の家で葬式ができないのか」など痛切な声
<福島県調査>
・避難している家族〔県内外〕の49%が、二ヶ所以上に離れ離れでくらしている
・避難後、心身の不調を訴える世帯68%。原発関連死は1700名を超える。
■深刻さます汚染水問題
・原発事故は進行中、汚染水問題は、日々深刻さを増している
・敷地内で、毎日約6千名が被曝と事故の危険にさらされながら作業
〔メモ者 労災の増加。ベテラン作業員ほど被曝量が多くなり、作業から外れることに、〕
~ 国の現地事務所には、4月から1名増員されたものの18名のみ
・汚染水処理の「ALPS」 「切り札」とされながらトラブル続きで本格稼働のメドがない
・「地下水バイパス計画」専用井戸 トリチウムの上昇が続き、基準値を上回る~ 東電は、他の地下水と混ぜて「薄めれば捨ててよい」と海への放出を続けている。
〔メモ者 トリチウムについては、人体の影響はほとんどない。とされているが、カナダ原子力委員会の1991 年の報告書 遺伝障害,新生児死亡,小児白血病の増加が認められている〕
・凍土壁 トレンチ内の汚染水処理のために凍らせようとしたが失敗。見通しがたってない。
〔メモ者 汚染水タンク、組み立て式の土木用仮説タンクのため、汚染水漏れがたびたび発生。今後、10年以上、溶け出した燃料を冷やし続けなければならない~汚染水が発生し続ける。タンクを増設しているが、綱渡りの状況〕
→ 再稼働に人と資金を裂くのでなく、事故対策に知恵と力を結集すべきである。
〔☆自公政権~ 国民の声を「完全にブロック」、原発利益共同体に「アンダーコントロール」されている。そして原発輸出と再稼働に「国が前面に出る」~というのが真の意味〕
■ 賠償打ち切りという冷酷な避難者切捨て
・切捨て政策推進~「避難指示」の解除/住民が戻らなくても一年後に避難にかかわる賠償打ち切り
・来年度までの「集中復興期間」を、現状を無視し延長しない方針
~ 例えば、浪江町は、復興の前提である、除染などの復旧事業がようやく開始したところ
・原子力損害紛争解決センターの和解案を東電は相次ぎ拒否/拒否11件、9件が現在も協議中(河北新報)
→ 和解案の前提は、自動車の自賠責保険の最低基準10万円~ 自動車事故のケガはなおっていくが、原発事故は逆に被害が拡大している。/原子力損害賠償紛争審議会の指針自体が問題
→浪江町、民の要求 25万円上積み。和解案5万円。それでも東電は拒否 /国が様子見で責任を果たさず
/ 国の責任で、避難させておいて、賠償は東電まかせ、という無責任さ
〔メモ者 東電は、事実上破綻、国営ともいえる状況になっているにもかかわらず、「東電存続」=金融機関、株主救済を、最優先させている。〕
■除染を終わりにさせる
・汚染状況重点調査地域 住宅の除染計画 74市町村のうち「未完了」40市町村、少なくとも31万7千戸(6月末時点/「毎日」報道)
・「早く自宅に帰りたい」という願いを利用し、「避難指示解除」を推進
→ 「除染で放射線量が下がった」「除染を繰り返しても効果は限定的」と除染打ち切りへ/高い部分のみ対象へ
( 山林は手付かず(住宅から20m内のみ除染の対象)、今後もホットスポットの発生する可能性)
・政府は「年間追加染料1mSV以下」を事実上引き下げ。
〔 毎時0.23μSv。1年間の被ばく線量を、1mSv以下に抑えようとした場合に換算される空間の線量。
が、まったく達成されない。膨大な費用がかかる
→ そこで、個人の被曝線量が問題として、空間線量の目標を放棄/ 「自己責任に」。影響が心配される子どもが一日中、線量計をつけていると考えられない、の指摘 /しかも内部被曝を無視したもの 〕
★中間処理施設、最終処分場をめぐる問題の根本
事故の収束も、除染も、賠償・生活再建の責任もとらず、メドも示さず、後始末の話だけでもってきても住民が納得しないのは当然。信用ができるはずがない
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