米国は吉田証言に影響受けず 下院決議起草者
07年米下院決議の起草にかかわった4名の専門家が、吉田証言、朝日記事に影響を受けず」と発言した。アメリカの下院決議には「強制連行」の文字はない。強制性をもって性奴隷の状態を強いたことを問題にしているのでる。
人身売買をともなう公娼制度は、人権侵害という認識は、戦前の世界、国内でも大きな流れになっている。、アメリカは、ほとんどの州で公娼制度をそもそも認めていない。だから、安倍首相をふくむ「河野談話」否定勢力が、アメリカの新聞に意見広告で「『慰安婦』は公娼制度と同じで問題ない」と掲載したことが怒りをかって下院決議となったのである。各国の決議がこの時期に集中したのも、そういう意味である。
【慰安婦問題、米国は吉田証言や朝日の記事に影響受けず WSJ 10/7】
【慰安婦問題、米国は吉田証言や朝日の記事に影響受けず WSJ 10/7】朝日新聞は従軍慰安婦に関する吉田清治氏(故人)の証言記事を取り消したが、この吉田証言に基づく記事が日本の国際評価を傷つけたどうかの論争に米国人の専門家4人が加わった。
吉田氏は性奴隷にするために朝鮮人女性を強制連行するのを手助けしたと証言したが、今では疑問符がつくことになったこの証言は慰安婦問題に対する米国の見方に影響は与えていない、と専門家らは指摘した。朝日新聞は8月、吉田氏の証言に基づいて1980年代から90年代にかけて掲載した記事を取り消した。
この4人の専門家――ジョンズ・ホプキンス大学のデニス・ハルピン氏、アジア・ポリシー・ポイントのミンディ・コトラー氏、ジョージ・ワシントン大学のマイク・モチヅキ氏、戦略国際問題研究所のラリー・ニクシュ氏――は2007年に米下院を通過した「アメリカ合衆国下院121号決議」の草案に関わった。この決議には、「日本軍が強制的に若い女性を性の奴隷にした事実を、(日本が)明確な態度で公式に認めて謝罪し、歴史的な責任を負わなければならない」と記されている。
一部の政治家や保守系メディアは、朝日新聞の誤報がなければ慰安婦をめぐる国際社会の日本批判はこれほど激しくならなかっただろうと主張している。下院121号決議は短命に終わった第1次安倍晋三内閣にとって政治的な逆風となった。
2012年12月に首相に返り咲いた安倍氏は先週、慰安婦問題で謝罪した従来の政府の姿勢を踏襲するつもりだと話す一方、朝日新聞の誤報については繰り返し批判した。
首相は3日、「朝日新聞の慰安婦問題に関する誤報により、日韓関係に大きな影響や打撃を与えた。国際社会における日本人の名誉を著しく傷つけたことは事実だ」とし、今後も継続的に事実を伝える必要性を強調した。米国の専門家らは安倍首相が朝日新聞の役割を過大評価していると話す。また、事実を注意深く見ると「朝日新聞が報じた吉田証言が、慰安婦の悲劇にまつわるあらゆる見識に影響を与えたとする歴史修正主義者と安倍政権の見方に反論することができる」とも述べた。さらに専門家らは「安倍政権がこの見方に固執しているように見えることに、私たちはさらに困惑している」と付け加えた。
専門家らの見解は、米ワシントンの東アジア政治情報誌「ネルソンリポート」で最初に公表された。専門家らがここで言及していたのは、毎日新聞が9月11日付で掲載した全面記事だった。同紙は下院121号決議案のために準備された資料の中に吉田証言が含まれていたと報じた。
専門家らは毎日新聞から取材を受けたが、吉田証言と朝日新聞の報道が決議案の作成や下院での決議案支持に影響を与えたわけではないとの意見は反映されなかったと述べた。
毎日新聞の広報担当者は、この問題について今後も取り上げていく予定だと話した。また、記者と米国人の専門家らとのやりとりを反映させた記事になるだろうとも述べた。
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