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再稼動のための「避難計画」。SPEEDI排除の意味

 SPEEDIの予測による避難は、飯館村の例でわかるように、30キロに限定されず、しかも風向きによって避難する方向、場所が変わる。これに対応する避難計画をつくることは極めて困難である。
 現在の避難計画は、あらかじめ避難を準備する範囲と判断基準及び避難先を決めておく。実効性はともかく、計画が建てやすいスキームになっている。 
30キロのUPZでは、事故後最初の数時間は毎時500μSv、 その後は毎時20μSvを越えた数値が実測されてから避難する。避難先が風下にあっても、被曝されながら、あらかじめ決められた避難先に避難する。
 「SPEEDIが役にたたなかった」という話は、システム運用の理解不足、政府の情報隠蔽の結果であるが、SPEEDIを葬らないと、「避難計画がつくれない」からではないか。と疑っている。〔メモ、政策大綱 参照〕 

 少なくとも、予備システム「PBS」に蓄積されたシミュレーションの値を入れたSPEEDIの予測図の公開をぜひ願いたい。

【SPEEDI、予算大幅減へ 放射線量の予測に限界 8/25】
【「格納容器は壊れないことにする」~推進のロジックが葬った「原子力防災」の知見(メモ)2012/7】  
【原発ゼロ社会への道 政策大綱  原子力市民委員会 2014/4】

【SPEEDI、予算大幅減へ 放射線量の予測に限界 8/25】

 東京電力福島第一原発事故で初期の住民避難に活用されず問題になった「SPEEDI(スピーディ)」(緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム)について、原子力規制委員会は来年度予算を半額以下に大幅減額する方針を固めた。放射性物質の広がりを即座に予測するには技術的な限界があるため、代わりに放射線量を実測するシステムを強化する。これまでSPEEDIを前提にしてきた自治体の避難計画は見直しを迫られることになる。
 福島の事故時、SPEEDIによる予測のもとになる原子炉などのデータが得られず、放射線量を予測できなかった。規制委は事故発生直後の住民避難の指標としてきた位置づけを2013年に改定した原子力災害対策指針で「参考情報」に格下げしており、予算の上でも明確にする。

 実測システムの強化は、改定指針が周辺のモニタリングポストなどの値をもとに、原発30キロ圏内の緊急時の避難を判断する方針に転換したのを踏まえた。大量の放射性物質が放出されるおそれが生じた時点で、5キロ圏は放出の有無にかかわらず即避難。5~30キロ圏は屋内退避を原則とし、実測値をもとに避難の必要性とタイミングを地域ごとに判断する。不確実な予測よりも迅速で的確に対応できるとの考え方が背景にある。

【原発ゼロ社会への道  原子力市民委員会 2014/4 よりSPEEDIに関する部分 】

■本来、SPEEDI(緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム)により、放射性物質の拡散シミュレーションが国民に開示されるとともに、屋内待避指示や避難指示が然るべく出されるはずだった。SPEEDI は地震発生から2 時間後には稼働を開始し、政府や福島県庁にもデータが提供されていたにもかかわらず、そのデータが公表されたのは3 月23 日になってからである。
組織的な情報隠蔽が住民に被ばくを強いた点は記憶されなければならない。しかも飯舘村の場合、SPEEDI による汚染予測が実測確認されたにもかかわらず、さらに3 週間も村民への避難要請が遅れ、実際に全村避難がほぼ完了したのは7 月であった。

■福島第一原発事故では、原発から放出された放射性物質の種類や放出量、放出の時刻などが不明であったことから、予測的手法(SPEEDI)は機能しなかったとされる。しかし、観測値に基づいて実施したSPEEDI による計算結果は存在し、飯舘村方向といわき市方向の放射性ヨウ素を含むプルームの通過とそれによる汚染を再現していた。これが即座に公開され、避難に活用されていれば、飯舘村周辺などの住民の被ばくをより低減できたと思われる。

■原子力災害対策指針においては、国際原子力機関(IAEA)が定めた安全文書の考え方を概ね取り入れ、事前対策を講じておく区域(PAZ 81)及びUPZ)や対策実施等の基準(EAL 及びOIL)を概ね取り入れたものとなっている。IAEA が定めた安全文書の考え方では、あらかじめ避難を準備する範囲と判断基準及び避難先を決めておくことになり、「概ね5km」とされたPAZでは、原発の事故の状況に応じた判断基準(EAL)により避難等を実施し、「概ね30km」とされたUPZでは、線量に応じた判断基準(OIL)により避難等を実施することになる。

■IAEAが定めた安全文書の考え方に従えば、たとえ避難先が風下にあっても、あらかじめ決められた避難先に避難することになり、わざわざ線量の高い地区への避難により、余分な被ばくが強いられるという悲劇が繰り返される恐れがある。また、UPZでは、毎時500 マイクロシーベルトという高い線量が観測されてはじめて避難となることから、被ばくを予期して、あらかじめ避難することはできない。

★事故後最初の数時間は毎時500μ Sv、 その後は毎時20μSv


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