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医療・介護総合法 「地域医療構想」による医療費抑制(メモ)

 医療・介護総合法による医療費抑制策について、保団連の解説、前衛2014.9号の論考などからのメモ

【医療・介護総合法…医療費抑制 都道府県にやらせる 保団連9/5】

●政府の病床再編計画

・2025年までに医療・介護費を計5兆円抑制する方針

(1)2025年~ 43万床の抑制

・地域の4つの病床区分(高度急性期、急性期、回復期、慢性期)ごとに基準病床数=必要量が決められる。
・必要量を超えている病床は削減し、過小な病床へ移行させ、全体の病床を43万床抑制するもの
~ 高度救急病床の半減  36万床 →18万床へ
  14年度診療報酬改悪  難病・障害者の在院日数から除外する特例の廃止
              在宅復帰率75%以上の達成義務化
・受け皿となる在宅医療は、目標を定めるだけで、具体策なし。医師・看護師の確保策、医師や診療科の偏在も課題にあげているだけで、具体策なし。
→ 逆に「訪問診療」の大幅削減
・介護分野においても、特養ホームの重点化、要支援サービスの市町村事業化、「卒業」の強要
 (13万床ある介護型療養病床の全廃方針も残っている) 

(2)都道府県を抑制の尖兵に

・「病床機能報告制度」~医療機関から都道府県に、病床機能の現状、方針を病棟ごとに報告
   2014年10月より実施
・ 都道府県は集計し、必要な医療提供体制、各医療機関の機能、役割を確定~「地域医療構想」

・都道府県に「制裁」の権限
 「医療機能の転換」「新規開設・増床の中止」「稼動していない病床の削減」などを要求
→ 従わない場合/ 名前の公表、補助金・公的融資の対象除外、各種指定の取り消し 
*厚労省医政局長 ペナルティの仕組みを「一応、懐に武器を忍ばせている」/ 衆院厚労委4/27答弁

(3)医療ビッグデータを利用… 支出目標で頭抑える

「病床機能情報の報告・提供の具体的なあり方に対する検討会」(7/24)

①病床機能の情報は、都道府県に直接報告させるのでなく、国管理の全国共通のサーバーに集約
~医療機関の情報だけでなく/ 「電子レセプト」の患者情報、保険・公費の情報、傷病名、診療行為(点数・回数)、医薬品・医療材料などの情報の提出もとめる。

②医療費の支出目標の設定
・医療費の低い地域を「標準集団」として、都道府県が支出目標を決める。
・国による支出目標設定…レセプト情報・特定健診等情報データを医療ビッグデータとして利用し、「妥当な医療費」を算出する
・目標を超えた都道府県に対し、将来的にはペナルティを想定

③ 「地域医療ビジョン」と整合するよう、都道府県の「医療費適正化計画」の見直し

(4)大規模に医療・介護事業体の創設

・地域の医療法人(医療機関)と社会福祉法人(介護施設)を経営統合し、グループ化する「非営利ホールディングカンパニー型法人(HD型法人)」の創設
→ 都道府県ごとに1つか2つの大規模事業体をつくり、地域で独占的に医療・介護サービスを供給
・地域医療を支えてきたフリ-アクセスの否定

●医療の営利産業化 
・医療費抑制と一体で、「公的保険外サービスの活性化」(骨太方針2014)を図る計画。

①「個人の健康管理、疾病の予防等の自助努力が喚起される仕組み」(社会保障プログラム法)の具体化
・日本再興戦略2014 
保険者は予防・健康増進に積極的な加入者に対して、
a ヘルスケアポイント付与や現金給付を行う、
b 財政中立な形で各被保険者の保険料に差を設ける(積極的に取り組んだ人の保険料を軽減し、無関心な人の保険料は引き上げる)ことを検討する方向。

②「患者申出療養」制度を新設  
 混合診療の拡大と医療の営利産業化を進める計画

●国保財政運営 都道府県へ
・政府 国民健康保険の財政運営の責任を、2017年度末までに市町村から都道府県へ移す計画

(1)都道府県と市町村で役割分担 / 厚労省「国保基盤強化協議会」の中間整理(案)8/8

①国保の「被保険者の資格管理」「保険給付の決定」「レセプト審査・医療費適正化関連事務」の3項目
~ 「引き続き検討」/だが、都道府県が受け持つ方向
②市町村  「保険料の徴収」「保健事業」「各種届出や申請の受付」

(2)「保険料の算定・賦課」~「分賦金方式」導入で合意 

①分賦金方式~
・都道府県は県内の医療給付費等の見込みを立て、それに見合う保険料の収納必要額を算出する、
・その必要額を各市町村に割り振って、市町村が県に納める額(分賦金)を決める
・市町村は、分賦金を賄うために必要となる保険料率を定め、保険料を被保険者から徴収して、県に上納
→ 保険料の収納率目標が下回り、県に納める額(分賦金)が不足する部分は、市町村が一般会計から繰り入れて賄う

②国保の構造的問題の解決にならない
・ 分賦金方式 市町村に対する上納額を決めるだけ。財政問題の解決にはつながらない。
→ 現状でも、高額医療費に対する財政安定化共同事業で、「分賦金」を出している


【医療・介護総合法…医療費抑制 都道府県にやらせる 保団連9/5】

 6月に成立した医療・介護総合法は、病院・施設でも、地域・在宅でも、少ない医療・介護給付と住民の「自助と互助」の組み合わせでカバーする〝安上がりな〟医療・介護体制作りを目指している。政府の病床再編計画は、地域の4つの病床区分ごとに基準病床数=必要量が決められることになる。必要量を超えている病床は削減し、過小な病床へ移行させ、全体の病床を43万床抑制しようとしている。政府の医療制度改革の柱が、提供体制再編と一体で、都道府県を医療費抑制に駆り立てることである。内容と影響について解説する。

◆h国保財政運営を都道府県へ

 都道府県を医療費抑制に駆り立てる仕掛けの第一は、国保の都道府県化だ。政府は、国民健康保険の財政運営の責任を、2017年度末までに市町村から都道府県へ移す計画である。
 都道府県に国保財政と給付、医療提供体制の両方に管理・運営責任を持たせることで、医療費抑制の実効性を高め、国保の給付抑制と一層の保険料引き上げをねらっている。
 厚労省の「国保基盤強化協議会」が8月8日に取りまとめた中間整理(案)では、都道府県と市町村で役割分担していく方針が示された。
 主な役割については、国保の「被保険者の資格管理」「保険給付の決定」「レセプト審査・医療費適正化関連事務」の3項目は、「引き続き検討」することになったが、都道府県が受け持つ方向である。
 市町村は、引き続き「保険料の徴収」「保健事業」「各種届出や申請の受付」を担うことになる。
最大の焦点とされている「保険料の算定・賦課」については、「分賦金方式」を導入することで合意した。分賦金方式とは、①都道府県は県内の医療給付費等の見込みを立て、それに見合う保険料の収納必要額を算出する、②その必要額を各市町村に割り振って、市町村が県に納める額(分賦金)を決めるという仕組みだ。
 市町村は、分賦金を賄うために必要となる保険料率を定め、保険料を被保険者から徴収して、県に上納する。保険料の収納率目標が下回り、県に納める額(分賦金)が不足する部分は、市町村が一般会計から繰り入れて賄うことになる。  
 都道府県移行によって、県は市町村との協議を通じて、保険料の市町村間格差を高い方にならしていくので保険料は引き上がる。都道府県全体で保険料算定方式を統一し、統一保険料になれば、保険料は一層高騰する。
 都道府県が国保の財政運営に責任を持つというが、分賦金方式の導入では、市町村に対する上納額を決めるだけにすぎず、国保の財政問題の解決にはつながらない。
 国の公的責任が、地方自治体に転嫁され、国保事業の後退を招き、地域間格差が一層拡大することが懸念される。

◆医療ビッグデータを利用…支出目標で頭抑える

 都道府県を医療費抑制に駆り立てる第二の仕掛けが、医療ビッグデータを利用して、新たな医療費抑制策や病床削減計画を進めることだ。
 政府は2025年までに医療・介護費を計5兆円抑制する方針を掲げ、医療費の低い地域を「標準集団」と位置づけ、都道府県が支出目標を決める。
 医療費の支出目標設定に当たっては、レセプト情報・特定健診等情報データを医療ビッグデータとして利用し、「妥当な医療費」を算出するとしている。
 国は目標を超えた都道府県に対し、将来的にはペナルティを設ける方向だが、都道府県別に医療費の上限を決めて抑制すれば、患者にとって必要な医療を受けられない事態を招くことになりかねない。

◆医療機関経営に手を突っ込む

 都道府県を医療費抑制に駆り立てる第三の仕掛けは、〝安上がりな〟医療・介護体制作りを目指して、地域の医療法人(医療機関)と社会福祉法人(介護施設)を経営統合し、グループ化する「非営利ホールディングカンパニー型法人(HD型法人)」の創設だ。
 都道府県ごとに1つか2つの大規模事業体をつくり、地域で独占的に医療・介護サービスを供給していくことが狙いだ。

◆営利産業化で命はカネ次第

 都道府県を軸にした新たな医療費抑制と一体で、「公的保険外サービスの活性化」(骨太方針2014)を図る計画だ。
 「個人の健康管理、疾病の予防等の自助努力が喚起される仕組み」(社会保障プログラム法)を具体化するものである。
 日本再興戦略2014では、保険者は予防・健康増進に積極的な加入者に対して、①ヘルスケアポイント付与や現金給付を行う、②財政中立な形で各被保険者の保険料に差を設ける(積極的に取り組んだ人の保険料を軽減し、無関心な人の保険料は引き上げる)ことを検討するとしている。
 さらに、「患者申出療養」制度を新設し、混合診療の拡大と医療の営利産業化を進める計画である。
 公的保険外の医療が拡大し、公的給付範囲が縮小する。〝命は財力次第〟になることが懸念される。国民皆保険の本質である「必要な医療が公的保険で受けられる」ことを守り、充実させていく声を待合室から、地域から広げていくことが求められている。

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