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イラク首相「市街地空爆の停止」~米空爆拡大の一方で 

 13日イラクのアラウィ首相は、「イスラム国」掃討のための空爆を市街地で停止するよう軍に命じたことを明らかにした(赤旗報道)。民間人の犠牲が出て宗派対立・テロの温床を拡大し、問題解決をさらに難しくするからである。
 米軍の「限定的」空爆も同じ懸念が各方面から指摘されている。また、「効率的で時として極めて現実的でもある統治能力」で「日常生活に完全に入り込んでいる」ので、空爆で取り除くことは不可能との指摘もある。
なぜテロが拡大し、イスラム国が台頭し、欧米の若者が参加しているのか・・・根本から検討しないで、アメリカのたぶんに中間選挙対策として目先の判断が、問題をさらに広げ、深刻化させる懸念を感じる。
 武力でテロはなくせない、が教訓ではなかったか。

【コラム:出口戦略なき米国の「イスラム国」掃討作戦 ロイター9/11】
【「イスラム国」包囲網 構築に課題 NHK9/16】
【米の「イスラム国」壊滅作戦 空爆拡大で緊張激化 多数の民間人犠牲に イラクの識者語る 赤旗9/13】
【焦点:次世代見据えるイスラム国、シリア北東部で「国家モデル」構築 ロイター 9/4】

【コラム:出口戦略なき米国の「イスラム国」掃討作戦 ロイター9/11】

(中東の政治情勢のスケッチ部分)
 問題は中東の政治状況だ。中東は、宗派戦争の動乱のさなかにある。イスラム教スンニ派とシーア派の間だけでなく、双方の穏健派と急進派の間にも対立がある。一部の国(シリアやイラク)は内戦状態で、他の国(イランやサウジアラビア)は国際紛争の火種を抱える。一部地域のテロリスト集団(アルカイダ、ヒズボラ、ハマス)は、別の場所の不安定化要因となっている。その複雑さは気が遠くなるほどだ。

 イラクをめぐっては、少数派であるスン二派から不信感を持たれているシーア派中心の新政権を米国は支持している。シリアでは、米国はこれまでアサド政権の退陣を要求してきた。しかし、今の米国の目標は、アサド政権の敵対勢力でもあるイスラム国の掃討だ。スン二派の過激派組織であるイスラム国と戦うことは、シーア派のイランとヒズボラと同じ側につくことにもなる。しかし、イランもヒズボラも、米国とイスラエルにとっては敵だ。
イランと同じ側に回ることは、イスラム世界でスンニ派の盟主であるサウジアラビアの反感を買うリスクもある。米政府はイスラム掃討でサウジの協力を求めているが、サウジ国民の間には、イスラム国への共感も大きい。
米国の同盟国であるトルコも難しい立場に置かれている。イスラム国はイラクでトルコ人外交官ら49人を人質として拘束している。トルコ政府は、米国を支援すれば人質が危険にさらされる可能性があり、そうなれば国民の怒りを買うことを危惧している。

 イラクで米政府は、イスラム国と戦うクルド人民兵組織に武器を供与している。ただクルド人は、米国が支持するイラク政府を信用しておらず、クルド国家の樹立を望んでいる。  
 国内に反政府的なクルド人を多く抱えるトルコは、クルド国家の樹立を深刻な脅威をみなすだろう。
 さらに、米国は、イラクとシリアでのイスラム国との戦いで、穏健派スンニ派を取り込もうとしている。しかし、イラクのスンニ派の多くは、シーア派を偏重する旧マリキ政権を支持した米国には裏切られたと感じている。
こうした状況で、われわれの味方は一体誰なのだろうか。イスラム国との戦いで彼らを信用することはできるのだろうか。これはまさに、米国民が我慢できない政治的混迷状態だ。

 米国民は、明確な軍事的勝利を求める。つまりそれは、イスラム国を倒して国に帰ってくるということだ。ただベトナムやイラクで苦労して学んだように、米国民は、信頼できない外国の同盟国に依存することは望んでおらず、他国の内戦に巻き込まれることも望んでいない。

 だからこそ、米議員の多くは、オバマ大統領が自分たちに決議を委ねることを求めていないのだ。
 中間選挙を約2カ月後に控える今、民主党議員は、戦争反対派から反感を買うリスクを冒したくない。共和党議員は、オバマ大統領の望み通りにしたと見られるのは避けたい。
 両党とも、武力行使に賛成票を投じた場合の結果責任を恐れている。
 米国民はイスラム国に怒りを向けているが、怒りに任せて武力行使に踏み切るのは賢明ではない。オバマ大統領は2週間前、イスラム国への対応に「戦略はまだ持っていない」とショッキングな告白をした。果たして今は持っているのだろうか。



【「イスラム国」包囲網 構築に課題 NHK9/16】

イスラム過激派組織「イスラム国」の対策を協議するためフランスで開かれた国際会議で、各国は国際社会が速やかに脅威を取り除く必要があるという認識で一致したものの、ロシアはシリアに空爆を拡大するアメリカの方針に懸念を示すなど、国際的な包囲網の構築に向けて課題が浮き彫りになっています。
フランスのパリで15日、イスラム国への対策などを話し合う国際会議が開かれ、アメリカのケリー国務長官やロシアのラブロフ外相、それにイラクのジャファリ外相などおよそ30の国や国際機関から外相などが出席しました。
 およそ3時間にわたる会議のあと声明が発表され、各国はイスラム国が国際社会全体の脅威になっていることから、イラクの新政権に対して軍事面を含む支援を行い、速やかにイスラム国の脅威を取り除く必要があるという認識で一致しました。
 フランスのファビウス外相は会議のあとの会見で「イスラム国は極めて危険で壊滅する必要があるという認識で各国が一致した」と成果を強調し、国連総会にあわせてニューヨークで今週末から開かれる国際会議で各国が連携を強めることに期待を示しました。
 しかし、ロシアのラブロフ外相は会議のあと、シリアに空爆を拡大するアメリカの方針に改めて懸念を示したほか、イラクやシリアと国境を接するトルコは、イスラム国の脅威が自国に向かいかねないという懸念からアメリカ軍による基地の使用を拒否したと伝えられていて、国際的な包囲網の構築に向けて課題が浮き彫りになっています。

【米の「イスラム国」壊滅作戦 空爆拡大で緊張激化 多数の民間人犠牲に イラクの識者語る 赤旗9/13】

 【カイロ=小泉大介】米国のオバマ大統領が過激派組織「イスラム国」を壊滅するため、空爆をイラクとシリアの双方で強化・拡大する方針を表明したことに対し、当事国でも長期的には事態をさらに悪化させると、反対の声が上がっています。

 「米軍は11年前に『対テロ』戦争の一環としてイラク侵略を強行しました。その結果、テロや過激派の行動は収束に向かったでしょうか。現在、イスラム国が、わがもの顔でばっこしているように、事態はさらに悪化しているのが現実です。米政府は何度、同じ過ちを繰り返そうというのでしょうか」
 民間シンクタンク・「イラク戦略研究グループ」のワフィク・ハシミ代表は本紙の取材に、こう話しました。
 オバマ米大統領は10日の演説で、「われわれはイスラム国を弱体化させ、最終的に壊滅させる」と述べ、イラクとシリアで「体系的な空爆」を実施すると表明しました。

◆「憎しみを増幅」
 ハシミ氏はこの米国の姿勢の問題点について、「イスラム国を壊滅するとなれば、市街地をも空爆しなければなりません。なぜならば、イスラム国はイラク領土の約3割を支配し、(イラク第2の人口を擁する)北部モスルをはじめ都市部も掌握しているからです。そこへの空爆が多数の民間人の犠牲をもたらすことは明らかで、それは米に対する憎しみを増幅させるだけです」と力説しました。
 イラクの首都、バグダッド大学のカゼム・ミクダディ教授も同様の点を指摘しつつ、「軍事的手段によってテロ組織を壊滅することは不可能であり、それが歴史の教訓です。空爆をシリアにまで拡大すれば、地域全体の緊張を激化させ、過激派の思想と行動を拡散させることにつながります」と断言しました。
 イスラム国はイスラムの教えをゆがめて住民に押し付け、異教徒や女性をはじめ民間人を迫害しており、イラクやシリアの国民の多くが同組織の排除を望んでいることは事実です。しかし、それが外国の軍事介入によっては達成されないことも、「対テロ」戦争を体験してきた人々はよく知っています。

◆「土壌をなくす」
 それでは、軍事介入によらないイスラム国対策とは何なのか。
 ミクダディ教授は、「イスラム国がイラクで台頭した要因は、米国の戦争・占領政策がもたらした宗派対立による混乱と、旧イラク軍の解体でした」と指摘。「この教訓を踏まえれば、いまこそすべての宗派や民族が参加する“救国政府”をつくりあげ、国をあげてイスラム国と対峙することが必要です。さらに政治腐敗や貧困を克服し、過激思想がはびこる土壌をなくしていくことも欠かせません」と強調しました。

【焦点:次世代見据えるイスラム国、シリア北東部で「国家モデル」構築 ロイター 9/4】

 シリア北東部の砂の平原にある町々では、イスラム教スンニ派の過激派組織「イスラム国」が、市民生活に深く入り込んでいる。頭部切断などの残虐行為で恐れられる同組織だが、こうした場所では電気や水の供給のほか、銀行や学校、裁判所、礼拝所、パン屋に至るまでが彼らの手によって動いている。

過去数カ月、シリアとイラクで支配地域を急速に広げてきたイスラム国。メディアでは、戦地での情け容赦ない行動や、厳格なイスラム法を強制する姿勢などが大きく扱われている。一方、現地住民らは、勢力拡大の大きな要因は、効率的で時として極めて現実的でもある統治能力にこそあると語る。

そうしたイスラム国のやり方は、シリア北東部の都市ラッカで顕著に見ることができる。イスラム国は、いずれ「カリフ国家(預言者ムハンマドの後継者が指導する国家)」が中国から欧州にまで広がることを望んでいるが、ラッカでは、カリフ国家での生活がどんなものか、その実例を示そうとしているようだ。
現在はトルコに住むラッカ出身の活動家の1人は、ロイターの取材に「正直に言うなら、彼らは大規模な組織的仕事をやっている。すごいことだ」と語った。

ロイターの記者は、安全上の理由から現地に入ることはできないため、遠隔地から複数のインタビューを行ったが、イスラム国に批判的な活動家でさえ、彼らがいかにして1年足らずで近代国家のような構造を作り上げて来たかを口にした。
イスラム国の勢力拡大には、中東地域のみならず西側の大国も警戒感を募らせている。オバマ米大統領は先月、イラクでの空爆を実施するに当たり、イスラム国は中東から取り除かれなければならない「がん」だと表現した。
しかし、ラッカなどの場所では、イスラム国は日常生活に完全に入り込んでいるため、イラク軍やシリア軍やクルド人民兵組織は言うに及ばず、米空爆によっても掃討することは事実上不可能だ。

ラッカは、昨年にアサド政権の打倒を目指す反政府勢力が初めて占拠した都市。
イスラム急進派から穏健派までさまざまな反政府勢力が割拠していたが、1年も経たないうちに、敵対する武装組織を容赦なく排除したイスラム国が支配するに至った。
イスラム国に批判的な活動家は殺されたり行方不明になったりするか、もしくはトルコに脱出した。飲酒は禁じられ、店舗も午後には閉められ、夕方には人通りがなくなった。外の世界との情報のやり取りは、近隣地域との間でさえ、イスラム国のメディアセンターを通じてのみに厳しく制限された。

しかし、最初にそうした締め付けを行った後、組織は公共サービスや公共機関の設置を開始し、同地を「イスラム国家」の建設に向けた拠点とする姿勢を明確にした。
イスラム国には反対の立場だというラッカの住民の1人はロイターに対し「政党に一切関わりを持たない人たちはイスラム国の存在に順応した。なぜなら、彼らは疲弊していたし、率直に言えば、ここで行政の仕事をしているからだ」と語った。組織は公共サービスに関係する機関をすべて回復・再建し、そのなかには、消費者保護を管轄する事務所も含まれるという。

<残虐性と現実主義>
過去1カ月だけでも、イスラム国は、米国人ジャーナリスト2人の頭部を切断して殺害する様子や、クルド人やレバノン人の兵士を処刑する様子を収めた動画を相次いで公開した。
しかし、組織は無差別に暴力を行使しているだけではない。例えば、自分たちの利益に合致すれば、アサド政権に忠誠的な実業家と取引することもある。
ある戦闘員によると、現在ラッカでパン屋向け小麦粉の製粉と流通を担っているのは元アサド派であり、電気と水を供給している現地ダムでも、以前からの従業員たちが今も職務を遂行している。
元アサド派を積極的に使う姿勢は、イスラム国の現実主義を映し出している。住民や活動家は、そうした現実主義こそ、制圧した地域の支配継続に不可欠な要素だと指摘する。
また、イスラム国は、北アフリカや欧州から来た専門家の手も借りている。一例を挙げれば、同組織を率いるバグダディ指導者は、ラッカの通信網の運営をチュニジア出身の専門家に任せている。
イスラム国は自らを単なる武装組織ではなく、1つの政府だと主張しているが、それを反映するようにバグダディ指導者は、軍事行動と行政活動を分けている。
戦闘員や組織のメンバーには、財務省と銀行を合わせたような部門から給与が支払われている。また戦闘員には、非スンニ派や政府関係者から押収した住居のほか、1カ月当たり約400─600ドルの手当ても与えられる。シリア北東部で日常生活を送るには十分な額だ。
貧困家庭への支援もあり、母子家庭には1人につき100ドルが支払われることもあるという。
物価も低く抑えられている。価格操作を行う業者は罰せられ、警告に従わない場合は店舗を閉鎖させられる。

一方で、組織は裕福な人には「イスラム税」を課している。また専門家らは、イスラム国は、誘拐で集めた身代金のほか、シリアやイラクで支配する油田からの石油をトルコなどの業者に売ることで数千万ドルの資金を得ていると試算している。

<バグダディ指導者>
イスラム国の組織運営の中心にいるのは、紛れもなくバグダディ指導者だ。住民や戦闘員らは、バグダディ指導者がラッカの統治に深く関わっており、あらゆる問題に最終決定を下すと口をそろえる。商品の値段をいくらに設定するかということまで、バグダディ指導者の支持を仰ぐという。
一方、同指導者は、頭部切断などの処刑や、組織が有罪と判断した犯罪者に対する処罰の判断も下す。戦場では、気性が荒い経験豊富な司令官として知られている。

ある戦闘員によると、同指導者は、7月にイスラム国がシリア軍の主要基地を制圧した大規模な戦闘などを直接率いてきたという。
同戦闘員は「彼は同胞を置いて行かない。基地制圧では軽傷を負ったが、今は元気だ」とし、「彼は1カ所にはとどまらない。ラッカやデリゾール、モスルを移動し、戦闘を率いている」と語った。

<次世代の聖戦>
イスラム国の躍進の鍵は現実主義にあるにせよ、イデオロギーも統治には重要な役割を果たしている。
バグダディ指導者は、自らを預言者ムハンマドの後継者だとし、「カリフ国家」を樹立すると宣言した。これには、聖戦主義者や専門家を海外から呼び寄せる狙いもあった。
支持者らによれば、この宣言には多くの人が反応し、世界中の裕福なイスラム教徒からはラッカに支援金が寄せられた。
複数の情報筋の話では、ラッカにはミサイル開発を主目的とした兵器工場が3カ所あるが、中国人イスラム教徒を含む複数の外国人科学者が、護衛付きの秘密の場所で研究などに従事しているという。
またイスラム国は、次世代を担う子供や女性の受け入れにも積極的だ。新しく組織に加わった戦闘員向けには、礼拝所でイスラム教に関する勉強会が行われている。バグダディ指導者が「カリフ国家」樹立を宣言して以降、その数は大幅に増えたという。
戦闘員の1人は「3日おきに少なくとも1000人は迎えている。宿泊施設は聖戦戦士であふれており、彼らを受け入れる場所が足りなくなっている」と語った。


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