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廃炉の入り口にも立っていない~汚染水、除染廃棄物

 福島原発の事故。汚染水対策は見通しがたたず。除染廃棄物の処分場も同様・・・ 時間の経過とともにフランジタンク、フレコンバックの劣化がすすみ、困難が増している。
 廃炉の入り口にも立っていない。放射性物質は放出され続けており、事故は今も拡大中である。
【第1原発、トレンチ凍結は失敗 止水材投入へ 共同8/19】
【“汚染水が凍らない”対策は難航  NHK8/20】
【搬出時期めど立たず 仮置き場の除染廃棄物 土地の賃貸契約切れ懸念 福島民報8/19】
【規格外品が横行か、除染袋相次ぎ破れる 福島 東京8/19】
【中間貯蔵施設への搬入  ダンプ不足渋滞懸念 汚染廃棄物3500万トン 鉄道の代替案も困難 福島民報2013/11】

【第1原発、トレンチ凍結は失敗 止水材投入へ 共同8/19】

 東京電力は19日、福島第1原発2号機の海側トレンチ(電源ケーブルなどが通る地下道)からの高濃度汚染水抜き取りに向け、タービン建屋との接続部でこれまで実施してきた凍結方法だけでは水の流れを完全に止められないとの見解を示し、追加対策として止水材を投入する方針を明らかにした。原子力規制委員会の廃炉作業に関する会合で説明した。
 東電は止水材の材質選定などを進めているが、一時的な発熱で氷を溶かす恐れがあることや投入後のやり直しがきかないことから、規制委は東電の模擬実験を踏まえ、9月の次回会合で投入の是非を判断する。


【“汚染水が凍らない”対策は難航  NHK8/20】

40年にも及ぶとされる東京電力福島第一原子力発電所の廃炉作業。
今、直面している最大の課題が汚染水の問題です。
中でも国の原子力規制委員会が「当面の最大のリスク」と指摘しているのが、「トレンチ」と呼ばれる地下のトンネルにたまっている高濃度の汚染水で、東京電力はこの汚染水を取り除こうと対策を進めています。
ところが、この対策が当初の計画どおりに進まず、見直しを迫られる事態になっています。
科学文化部の花田英尋記者が解説します。

◆トレンチの汚染水を抜き取れ

福島第一原発では、山側から流れ込む大量の地下水の一部が原子炉建屋などに流れ込み、燃料を冷やしたあとの汚染水と混ざることで、一日当たり400トンもの汚染水が増え続けています。
 こうした汚染水は原子炉建屋やタービン建屋の地下にたまっていますが、一部は「トレンチ」と呼ばれる地下のトンネルに流れ込み、ここから地中に漏れだして地下水と混ざり、海に流れ出しているとみられています。

このため東京電力は、ことし4月からトレンチの汚染水を抜き取るための対策を進めています。
計画は、汚染水の通り道となっているトレンチと建屋が接する部分に「凍結管」と呼ばれる装置を打ち込んで汚染水の一部を凍らせ、氷の壁を作って止水したうえで汚染水を抜き取り、充填(じゅうてん)材で埋めるというものです。
作業はことし4月から進められていて、東京電力は当初、2か月ほどで氷の壁ができ、止水できるという見通しを示していました。

◆“汚染水が凍らない”

ところが、3か月たっても凍結は思うように進みません。
汚染水が流れ続けていることが凍結を妨げているほか、トレンチの中に障害物があって凍結管を入れられない場所があるからです。
追加の対策を迫られた東京電力は、汚染水を冷やすため、先月30日以降、400トン以上に上る氷やドライアイスをトレンチに投入しました。

この結果、トンネルの断面の90%余りが凍りましたが、凍結が進んだ分、汚染水の通り道が狭まってかえって流れが早まり、これ以上凍らせることは難しくなってしまいました。
このため東京電力は、氷の壁だけで完全に止水することを断念し、今月19日、氷の隙間をセメントなどの充填材で塞ぎ、汚染水の流れを抑えて氷の壁を完成させるとする新たな対策を原子力規制委員会の専門家の会合で示しました。

しかし、課題は残されています。
充填材が固まる際に熱を出して氷を溶かしてしまうおそれがあるのです。
専門家からは「本当に氷の壁を作れるのか」とか「凍らせずに固めてしまうなどほかの方法も検討するべきだ」といった効果を疑問視する声が相次ぎました。
これに対して東京電力は、「汚染水を凍らせないまま充填材で固める方法もあるが、充填材自体が放射性物質で汚染され、取り除けなくなってしまうため凍結による止水を続けたい」と主張。
結局、原子力規制委員会は、充填材の効果などを確かめる試験の結果を見たうえで充填材の投入を認めるか判断することになり、トレンチを止水できるかどうかは不透明な状況が続いています。

◆凍土壁への影響

トレンチの汚染水を抜き取る作業の遅れは、もう1つ大きな問題をはらんでいます。
それが、汚染水の抜本的な対策とされる「凍土壁」への影響です。
凍土壁は、1号機から4号機の建屋の周囲の地盤を凍らせて作る、周囲1500メートル深さ30メートルの巨大な氷の壁です。
建屋と地下水を完全に遮断することで建屋への地下水の流入を防ぎ、汚染水が増え続ける状況を止めようというもので、計画では今年度中に工事を終えて凍結を始めることになっています。

しかし、凍土壁はトレンチと交差するように作られるため、トレンチの汚染水を抜き取ることが建設の前提となっています。
このため、トレンチの対策の遅れが凍土壁の建設に影響することが懸念されているのです。

◆汚染水の課題は山積

トレンチや凍土壁以外にも、汚染水を巡っては多くの課題があります。
原発の護岸では、汚染された地下水が海に流れ出るのを抑えるため、800メートルにわたる鋼鉄の壁、「遮水壁」を設けて地下水をせき止める計画です。
工事はほぼ完了していますが、完成するとせき止められた地下水があふれ出すおそれがあります。
このため東京電力は、護岸沿いで汚染された地下水をくみ上げ、一定の基準まで浄化したうえで海に排水する計画で、今月11日、排水管などの建設を原子力規制委員会に申請しました。
福島第一原発では、原発の建屋の上流側で地下水をくみ上げて海に放出する「地下水バイパス」は行われていますが、建屋の下流側で汚染された地下水をくみ上げ、浄化して海に放出することはこれまで行われていません。
東京電力は地元の同意がなければ排水はしないとしていますが、漁業関係者からは風評被害などを懸念する声が相次いでいて、実際の運用を巡っては反発も予想されます。

こうした汚染水の問題は周囲の環境への影響も大きく、避けて通ることのできない「待ったなし」の問題です。
その一方で、廃炉に向けた作業は前例のないものばかりで、手探りで進めざるをえないのが実情です。
今回のトレンチ対策の難航は、廃炉に向けた道のりの厳しさを改めて示していると言えます。


【搬出時期めど立たず 仮置き場の除染廃棄物 土地の賃貸契約切れ懸念 福島民報8/19】


 県内の仮置き場から除染廃棄物を搬出する時期の見通しが立たず、管理する市町村が対応に苦慮している。環境省は仮置き場から中間貯蔵施設への搬出開始を来年1月としているため、多くの市町村は地権者と3年間の仮置き場の賃貸契約を結んでいるが、契約が切れれば、再び周辺住民への説明が迫られるからだ。18日に開かれた県議会全員協議会で、吉田栄光議員(自民、双葉郡)の質問に同省の高橋康夫審議官が答えた。
 吉田議員は県内の多くの仮置き場が3年で契約期限を迎える点を指摘。その上で「残り5カ月しかないが、(来年1月の搬出開始という)方針に変更はないか」とただした。高橋審議官は「スケジュール的には厳しいが、政府一丸となって全力を尽くしたい」と説明した。
 県内の仮置き場と現場保管の状況は【表】の通り。3月末時点で仮置き場は664カ所に上っている。県によると、多くの市町村では、仮置き場を設ける際に「3年後に返す」として地権者と契約を締結。周辺住民にも同じ説明をしているという。
 しかし、中間貯蔵施設をめぐっては、政府と県、大熊、双葉両町の交渉が長期化。さらに仮置き場などから施設へ搬出する順番やルートなどを定める搬出計画は未策定のままとなっている。
 同省は9月中にも県内の市町村の仮置き場の担当者を集め、地権者や周辺住民らへの対応を協議する方針。

■県議会が全員協汚染水対策など11議員質問 〔略〕


■増設で来秋100万トン分に 汚染水地上タンクの保管量
 東京電力福島第一原発で発生した汚染水を保管する地上タンクの保管量について、糟谷敏秀経済産業省資源エネルギー庁廃炉・汚染水特別対策監は来年秋までに100万トン分に達する見通しを示した。佐久間俊男議員(民主・県民連合、郡山市)の質問に答えた。
 福島第一原発では、1日当たり約400トン増え続ける汚染水に対応するため、「フランジ型」と呼ばれる従来のタンクを廃止するとともに、溶接型タンクの増設作業が進んでいる。糟谷氏は「タンクの置き換えが進めば、(構内のタンクは)100万トン分が限界という認識はない」とし、さらなる容量の確保が可能との認識を示した。東電は平成26年度内に約93万トンのタンクを確保する計画。

■中間貯蔵運用へ地元2町と協定 環境省方針
 環境省は中間貯蔵施設の運用に当たって、施設の安全性のチェックに周辺住民が関わるなどの内容を盛り込んだ安全協定を県や大熊、双葉両町と締結することを想定している。18日の県議会全員協議会で同省の高橋審議官が吉田議員の質問に答えた。
 同省によると、安全協定では、安全性の監視に周辺住民が関わるほか、施設近辺の放射線量のモニタリング、トラブルが起きた際の運用停止、運用状況の定期的な周辺住民への報告などを考えている。

【規格外品が横行か、除染袋相次ぎ破れる 福島 東京8/19】

 東京電力福島第一原発事故に伴う除染で出た汚染廃棄物を保管する「フレコンバッグ」(除染袋)などが各地の仮置き場で劣化して破れ、中身が漏えいするケースが相次いでいる。環境省の規格外品が使われたり、管理がずさんだったりするのが原因。放置し続ければ住民の不安を招きかねず、除染の進展にも影響しかねない。
 原発事故から間もなく三年半。国は来年一月までに中間貯蔵施設への搬入を始める予定だが、福島県や候補地の双葉、大熊両町との交渉が難航し建設のめどが立っておらず、今後さらに破損が増える恐れがある。
 同県双葉郡内の仮置き場の一つでは八月上旬、除染袋が複数破れて砂利などが漏れ出していた。昨年九~十二月の除染の際に使われた除染袋が野ざらしで保管されており、業界団体によると規格外の袋だという。
 また、別の仮置き場では防水性のない除染袋の周りに雨水がたまり、遮水シートを越えて外部に漏れ出し、用水路に流れ出ているケースも見つかった。
 除染袋は一~二トンの汚染土壌などを保管。福島県内では約七百二十カ所の仮置き場に置かれるほか、自宅庭先などに「現場保管」される事例が五万カ所以上に上り、これまでに川内村や相馬市でも袋の破損が環境省に通報されている。
 だが環境省は劣化による破損を例外的な事例として扱っており「破れた袋は随時、詰め替えるなどの対応をしているはず」と釈明している。
 除染袋について環境省は二〇一一年に業界団体の協力で放射性物質を三年間保管できる規格を設定。規格に準じた耐久性のある袋を使うよう求めているが、安価な粗悪品で代用するケースも多いとみられる。

【中間貯蔵施設への搬入  ダンプ不足渋滞懸念 汚染廃棄物3500万トン 鉄道の代替案も困難 福島民報2013/11】

 環境省は1日までに、東京電力福島第一原発事故の汚染廃棄物を保管する中間貯蔵施設への搬入重量が3500万トンに上るとの試算結果をまとめた。県内で発生する廃棄物の3年10カ月分に相当する。同省が想定している3年間での運び込み完了のためには、連日2000台近いダンプ(10トン車)が必要になる。しかし、県内の登録台数は約2300台で運搬手段を確保できるか不透明だ。渋滞も懸念される。鉄道輸送には、事業者が難色を示している。

■増える恐れ
 搬入重量は、これまでの除染で県内で発生した土壌の量や、今後の作業面積などから算出した。
 内訳は、避難区域の国直轄除染が1500万トン、国が財政支援する市町村除染が1250万トンとなっている。このほか、実施の見通しが立っていない帰還困難区域や再除染などにより750万トンが発生すると見込んだ。
 一方、県内で平成23年に発生した家庭ごみなどの一般廃棄物と、汚泥などの産業廃棄物の総量は912万トン。中間貯蔵施設への搬入重量は、県内で発生する廃棄物の4年分弱になる計算だ。
 ただ、除染手法により、発生する量が増えるケースがあると指摘されている。森林除染の面積拡大や再除染を求める声が根強いため、搬入重量はさらに膨れ上がる可能性もある。

■2000台必要
 環境省は、仮置き場などから中間貯蔵施設への運搬手段として主に10トンダンプを想定している。1台で1度に9・4トン運ぶことができる。1年間の稼働日数を250日とした場合、帰還困難区域などを除く2750万トンを3年間で運び込むためには約2000台のダンプが1日2往復する必要がある。
 ただ、県内の10トンダンプの登録台数は2329台(平成23年3月現在)だ。復興関連工事の本格化で需要が高まる中、県内の8割超の車両を確保することはほぼ不可能とみられる。さらに、1日に2000台近いダンプが動けば施設の建設候補地である浜通り地方へ向かう道路が渋滞することも予想される。
 除雪業務がない夏場は東北地方や北海道の業者の確保も可能になる。しかし、トラック業界関係者は放射性物質の運搬に懸念を示す。青森県の業者は「中間貯蔵施設へ行くと、会社の評判が悪くなる恐れがある。安易には引き受けられない」と慎重だ。

■新たな手段
 環境省は、鉄道で廃棄物の一部を代行輸送する方向で検討に入った。JR東北線、常磐線、磐越東線などが候補になるとみられ、ダンプ輸送と同様、放射性物質の拡散を防ぐために容器などに入れて運ぶ案が浮上している。
 復旧作業中の常磐線は来春までに広野(広野町)―竜田(楢葉町)駅間が再開し、中間貯蔵施設の建設候補地がある大熊、双葉、楢葉3町への輸送は比較的容易になる。
 しかし、震災がれきの運搬実績があるJR貨物(本社・東京都)は、「高濃度の土壌などを運搬すれば沿線住民に混乱を招きかねない」としている。
 交通計画が専門の吉田樹福島大経済経営学類准教授は「鉄道輸送によって一般交通への影響を抑えることができる。道路輸送は交通事故対策など課題が多い。的確な運搬計画をつくり、沿線住民の理解を得ることが重要だ」と話している。

【背景】
 環境省は9月下旬の有識者検討会で大熊、楢葉両町に汚染土壌などの中間貯蔵施設を各5カ所整備する方針を示した。受け入れ・分別施設なども合わせて建設するが、具体的な設置場所は明らかにしていない。双葉町の現地調査は2町よりも遅れ、10月から始まった。受け入れ3町に対する設置要請は年明け以降になるとみられ、平成27年1月から3年間での搬入完了を想定している。


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