「床上浸水への支援策を検討」と回答 県議団申し入れ
21日、台風12.11号での被害に対する県への要望を実施した。
被災者生活再建支援法は、対象が、全壊・大規模半壊だけであり〔件数の要件も問題あり〕、各地で浸水被害の独自支援が実施されていることを踏まえ、住宅だけでなく、店舗、医療介護施設などへの支援を要望
危機管理部長からは「高知県も床上浸水への支援策を講じるよう検討している」と答弁があった。
農業被害では。大雪被害にたいして国の経営体育成支援事業が被災施設撤去の新設、再建支援の補助率の拡大で対応されており、今回の災害でも同様の支援となるよう国に要望するとともに、件独自の支援策をもとめた。
以下に、申し入れ全文
○13年度の大雪にたいする被災農業者向け経営育成支援事業のスケッチ
・施設の再建・修繕、農業用機械の取得は、国が 1/2を助成。
(自治体が4/10を助成する場合には、農業者の負担は1/10。自治体の負担には7割特交措置)
・施設撤去は、10/10相当を定額助成。
(自治体が1/2相当を負担することを前提、自治体の負担には8割特交措置)
○各地で問題になっているのが民有地の山が崩れ、民家の庭などに流入した場合の手当て。民民間の問題で、公的な支援の手立てがない。県単で3/4補助のがけ崩れ防止事情とか、事前対策はあるか、所有者の同意、負担が必要である。
高知市への申し入れでは、地元建設業者などへのボランティアへの働きかけを提起した。越知町は、小さな土木工事は町自らが実施できるように作業班をおいている。そうしたところではもっと対応は簡単だと思う。
いずれにしても、放置された空家、山林の災害リスクにどう対応するか、課題である。
【台風12、11号の被災者救援と抜本対策を求める要望書】2014年8月21日 日本共産党高知県委員会 同 県議団
連日のご奮闘に心より感謝と敬意を表します。
さて、台風12号、続く11号による本県の被害は甚大なものとなりました。各地でお聞きしてきた被災の実態に照らし、ただちに県として対応し、対策を発展させていただきたいこと、また浸水被害、台風・竜巻被害を最小限に防ぐための今後の対策で検討願いたいことをここに要望いたします。至急ご検討をお願いします。
1、床上浸水世帯への公的支援のしくみを
800世帯余の床上浸水が生まれた今回の被害ですが、現在の住宅支援策は全壊、半壊などが対象となっており件数の要件もあり、今回のような床上浸水では活用できない状態です。2010年の調査では床上浸水世帯への支援制度をおこなっている地方公共団体は8団体で、支給限度額は岐阜県の30万円を最高に鹿児島県、秋田県の20万円、兵庫県の15万円などとなっています。鹿児島県では店舗等が同等の被害を受けた小規模事業者も対象になっています。また昨年の台風18号被害で京都府は、被災者生活再建支援法の適用外の市町村にも床上浸水世帯に50万円の支援を実施しています。○今回の被害に対応するため、緊急に県独自の床上浸水への支援を実施してください。
○その検証をもとに床上浸水の世帯も対象にした新たな制度を確立してください。
○ また、被災者生活再建支援法の数的要件があり、昨今の竜巻被害などにも対応できるよう1軒の被害でも適用できる県独自の支援制度を検討ください。
2、甚大な農業被害への対応について
ハウスの倒壊、作物の浸水被害などの農業被害総額は17億円を超え、畜産被害も6800万円を超えています。本県の基幹産業である農林漁業への爪痕は深く、県の丁寧で実情に即した支援、対応が急がれます。○緊急に、無利子で返済期間の長い農業施設再建のための融資制度を検討してください。
○米、ショウガ、ぶんたん、新高梨など、作物被害に対しては共済制度があるのみです。掛け金などの問題もあり未加入農家も少なくありません。たとえば、各農家に被害総額の1割、2割などの被害作物補てん制度を作るなど作物被害への支援制度を検討してください。
○13年度の大雪対策で、国の被災農業者向け経営体育成事業が、被災施設の撤去費用の新設をはじめ経営再建においても補助率が引き上げられました。今回の台風被害においても、本県の農林水産被害に対応した国の施策が実施されるよう強く要望するとともに、県独自での被災施設撤去、経営再建のための財政支援策を検討ください。3、国道439号線の早期復旧と特別対策について
四万十市伊才原の国道439号線の大きな亀裂発生と通行止めは付近の住民生活を大きく圧迫しています。以北の住民680名が病院や通勤に余分に1時間以上もかかる山道を通行しなければならず、経済的、精神的苦痛が大きくなっています。○余分にかかるガソリン代など交通費を市と検討して補助してください。
○至急、仮設道を設置してください。4、排水・浸水対策について
災害、水害に強い街づくりめざして努力が続けられてきましたが、今回の災害によって、いっそうの改善すべき点が明らかになりつつあります。・久万川の対策について
○万々490番地あたり、県道270号線が最接近する部分から久万川が氾濫、越流し、付近の家屋の床上浸水、万々商店街への被害を拡大する要因となりました。使わなくなった農業用水への分水用の堰が邪魔をし、付近の高速道路の排水が流れ込み、大きく曲がった川の形状が被害を拡大する要因になったものと思われます。
○ただちに農業用堰は撤去してください。河床を掘削するとともに大きく曲がった川の部分を広げるなどの対策をとってください。・紅水川の対策について
○万々商店街の浸水について、南万々13番地、石神橋の欄干と両堤防の間から越水したものと思われます。至急工法を検討し改善してください。
○上流部分(福井扇橋より上流で北部環状線を挟む付近)の堤防が未整備であるため、あと少しで濁流が道路に溢れるところでした。堤防のかさ上げ、整備について至急検討ください。・国分川水系の対策について
○タチバ谷川、並びに名切川上流における土砂流反乱の要因と土砂の排出、堤防崩壊ヶ所復旧、並びに今後の予防対策を検討し明らかにしてください。
5、土砂崩れ対策について
○土佐山地域では、山の崩壊、土石流による避難指示が続いています。至急高知市と協議し住民の安全と当面の対策にとりくんでください。
○各地で民有地(家屋、私道など)への土砂流入が起こり、とても個人の責任では撤去できないという事例が生まれています。行政の責任で撤去していただきたい。また、公的な支援制度を作ってください。
以上
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