4-6月期GDP年率6.8%減 97年増税時の倍の落ち込み
97年時は賃金が上昇していた。今回は賃金が低下し続けた中での増税。「異次元の金融緩和」で物価だけがあがり、実質賃金は大きく低下している。年金も引き下げられた。97年の年率3.5%のほほ倍の6.8%減となるのも当然の結果。「駆け込み反動」というのは国民の生活実態を見ていない。
8%増税を決定した時の年率は、瞬間風速でプラス3%台だった。消費税増税法の付則18条、いわゆる「景気条項」を適用しない判断をしたのだが、この状況では、普通に考えれば10%増税の判断はありえない。が・・
【GDP、年6.8%減=駆け込み反動で消費急落-震災以来のマイナス幅・4~6月期】
【「大きな買い物」失速 増税反動 GDP年率6.8%減 東京8/14】
すでに財界に「消費税増税で生まれた財政のスペースを活用」しての法人税減税を約束している。法人減税の延期をすれば、政権の命綱の「株価」が急落する。よって、遮二無二に10%増税をおしすすめることを想定して運動を構築することが必要だ。(増税の決定は、国民との矛盾を深める。特に、大企業減税とセットであるだけに・・・)
「駆け込み反動」「いづれ回復」という見方であるが・・・ たとえば、内閣府は、その立場で、97年の増税の影響を0.3兆円としている。
その分析手法は、一年間で購入する商品量は基本的に変わりがなく、先食いされるだけという「異時点間代替効果」をもとにしたもとで、そのうえで増税による可処分所得の減少の反映(「所得効果」という)が、増税前後の家計調査をもとに、0.3兆円としている。
が、この手法では、購入のスパンの長い住宅や自動車など高額耐久消費の影響は把握できない。特に、増税されても生活必需品は削減でくる余地は少なく、削減されるのは、自動車など耐久消費財や住宅など、付加価値の高く製造業に直結する消費である。
しかも、エコカー減税、エコポイント、地デジ移行で、すでに消費の先食いをしてきた。
影響は、97年の比ではないだろう。無国籍企業の利益にだけ奉仕する亡国の政治である。
【GDP、年6.8%減=駆け込み反動で消費急落-震災以来のマイナス幅・4~6月期】内閣府が13日発表した2014年4~6月期の国内総生産(GDP、季節調整済み)速報値は、物価変動の影響を除いた実質で前期比1.7%減、年率換算で6.8%減となった。4月の消費税増税に伴う駆け込み需要の反動で個人消費などが低迷し、2四半期ぶりのマイナス成長。東日本大震災があった11年1~3月期(年率6.9%減)以来の大幅なマイナスで、前回の消費税率引き上げ直後の1997年4~6月期(年率3.5%減)を大きく上回る減少率となった。
物価の影響を反映し生活実感に近い名目GDPは前期比0.1%減、年率換算で0.4%減だった。
安倍晋三首相は今後の経済状況を見極め、15年10月に予定する消費税率10%への再引き上げの是非を年末に判断する。その際、4~6月期の落ち込みから7~9月期にどこまで回復するかがカギとなる。甘利明経済財政担当相は13日の記者会見で、先行きについて「駆け込み需要の反動の影響は次第に薄れ、緩やかな景気回復が見込まれる」との見方を示した。(2014/08/13-11:22)
【「大きな買い物」失速 増税反動 GDP年率6.8%減 東京8/14】内閣府が十三日に発表した二〇一四年四~六月期の国内総生産(GDP、季節調整値)は、年率換算で6・8%減と、四月の消費税増税が影響して二・四半期(六カ月)ぶりにマイナス成長に転じた。増税前の駆け込み需要の反動で、個人消費や住宅投資が大幅に落ち込んだことが響いた。自動車や家電など耐久財の消費を先食いした形で、次の買い替えまで時間を要する。賃上げは十分浸透しておらず、消費低迷の長期化が懸念される。 (山口哲人)
「増税で、新車を買おうというお客さんの意欲が極端に薄れた。車は安い買い物ではないので、3%のダメージは大きい」
関東地方にあるトヨタ自動車の販売店の社員は、消費税増税後の苦境を嘆く。四月以降は新規客の来店がほぼ途絶え、従来の顧客のもとに足しげく通って何とか営業実績を残しているという。
日本自動車販売協会連合会などによると、消費税増税前の一~三月の新車販売台数は計百八十四万台。これに対し四~六月は百十六万台に落ち込み、駆け込み需要とその反動減が顕著に表れた。七月も回復の兆しは弱く、メーカーからは「増税の影響は思ったよりも長く続き、七~九月以降に効いてくる」(スズキ役員)との懸念の声も出ている。
「一生に一度の買い物」とも呼ばれる住宅も、駆け込み需要と反動減の傾向が鮮明だ。民間住宅投資は実質10・3%減で、九期ぶりのマイナスに転落した。不動産経済研究所の調査では、七月の首都圏でのマンション発売戸数は一年前より20・4%減って約四千二百戸にとどまった。
ある大手住宅メーカーの施工管理者は「東日本大震災の復興などで職人の数が絶対的に足りない。人件費を上げて確保している」と話す。さらに建築資材も円安により高騰中で、そこに消費税増税が加わった。「この『三重苦』を販売価格に上乗せせざるを得ず、今後も販売数は冷え込み続ける」とみる。
一方で十三日に会見した甘利明経済再生担当相は「消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動は和らぎつつある。消費者心理や企業の設備投資計画がかなり良い数字になってきており、先行きは明るいイメージ」との見方を示した。
だが、大和総研の小林俊介エコノミストは「消費税増税は所得が減るのと同じで、長期的に消費が冷え込む」と予想。「消費税増税は今後もじわじわ効いていく。そうならないためには賃金アップが重要だ」と指摘している。
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