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暴走政治と「なりふり構わぬ株価対策」

株価が高いいうちは「そのうち恩恵がまわってくるのでは」という幻想と期待を国民に誘発し、あらゆる問題で暴走し、個別テーマでは国民の過半数の反対をうけながらも、政権の高い支持率を支えている。暮らしの実態が厳しいから生まれる幻想、期待である。
 株価維持は、暴走に不可欠の要素である。とりわけ、首相が自分の時代の使命とする「血の同盟」=「集団的自衛権の行使容認」を突破するための舞台である。
異次元の金融緩和によるバブルの誘発、人口減時代に巨大開発計画の推進、財源なしの法人税減税、国内株に比重をおいた年金運用の前倒し実施、人身売買と批判される外国人技能実習制度の拡大、過労死生み出す残業ゼロ制度、ギャンブル依存症大国なのにカジノ解禁、原発輸出・・・ 株価はあがっても国民の暮らしがよくなるわけではない。ここに政権のもろさがある。
 【年金運用 国内株に比重 秋に前倒し要請 東京6/6】
【法人減税の具体化を指示=安倍首相、骨太の方針で 時事5/15】゜
【新成長戦略 奇策や禁じ手ばかりだ  東京6/25】

【年金運用 国内株に比重 秋に前倒し要請 東京6/6】

 厚生労働省は六日、厚生年金と国民年金の積立金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)に対し、運用方針見直しの前倒しを要請した。GPIFは年内としていた見直しを九~十月にも実施する方向だ。約百二十九兆円に上るGPIFの運用資産は国内債券が55%を占めており、昨年末で17%にとどまる国内株式への投資の比重を高めることになる。
 田村憲久厚労相が安倍晋三首相と三日に協議。首相は運用見直しを「前倒しでやってほしい」と指示したという。
 運用比率が1%高まると一兆円超の資金が株式市場に流入する。安倍政権はGPIFの運用見直しを月内にまとめる新たな成長戦略に盛り込む。株式投資拡大には、野党を中心に「国民の老後資金をリスクにさらす」と批判も出ている。
 田村氏は六日の記者会見で「経済、運用環境が変わり、なるべく早く見直しに取り組まないといけない」とした上で、物価の上昇局面で金利が上がれば国債価格の下落につながることを念頭に「状況に合わせてリスクを抑えていきたい」と述べた。
 厚労省は四月、資産構成割合の見直しに向け、金融や資金運用の専門家で構成するGPIFの運用委員会のメンバーを大幅に入れ替えていた。GPIF関係者は「見直し作業が間に合えば、秋に資産構成を見直す」としている。
 運用資産の構成割合を定めたGPIFの中期計画は二〇一四年度末が期限。年末までに見直す予定だったが、前倒しする。
 GPIFをめぐっては、政府の有識者会議が昨年十一月、収益率向上のため国内債券への偏りを改め、株式やリスク性資産の比重を高めるよう提言した。
 <GPIF> 2006年に発足した厚生労働省所管の独立行政法人。厚生年金と国民年金の保険料を原資とした積立金を市場で運用する。13年末時点での運用資産額は約129兆円。年金運用で世界最大規模の機関投資家とされる。資産構成割合は有識者でつくる運用委員会が定め、厚労相が認可する。現在の割合は国内債券55%、外国債券11%、国内株式17%、外国株式15%など。実際の運用は投資顧問会社などに委託している。

【法人減税の具体化を指示=安倍首相、骨太の方針で 時事5/15】゜  政府は15日、経済財政諮問会議(議長・安倍晋三首相)を開いた。伊藤元重東大大学院教授ら民間議員4人が法人実効税率の「20%台」への引き下げを提言。安倍首相が「法人税を成長志向型の構造に変革していくための方向性を年末を待たずに骨太の方針に示していただきたい」と、6月に取りまとめる経済財政運営の基本指針「骨太の方針」で法人減税を具体化するよう指示した。(時事通信)


【新成長戦略 奇策や禁じ手ばかりだ  東京6/25】
 株価さえ上がれば何をやっても許されると思っているのだろうか。安倍政権が閣議決定した新成長戦略は、なりふり構わぬ手法が目立つ。国民の利益を損ないかねない政策は成長戦略といわない。
 国民の虎の子の年金積立金を株式市場に大量投入する「官製相場」で株価つり上げを狙う。
 財政危機だと国民には消費税増税を強いながら、財源の裏付けもない法人税減税を決める。
 過労死防止が叫ばれる中、残業代ゼロで長時間労働につながる恐れが強い労働時間規制緩和を進める。
 低賃金など劣悪な環境で「強制労働」との批判もあがる外国人技能実習制度を都合よく活用する。

 昨年の成長戦略は安倍晋三首相の発表会見中から株価が急落、大失敗に終わった。今回はその経験だろう、株式市場とりわけ外国人投資家の関心が高い法人税減税や労働市場改革を柱にすえた。国民の財産の年金資金による株価維持策という禁じ手まで使うに及んでは株価上昇のためなら何でもありかと思わざるを得ない。日々の株価に一喜一憂する「株価連動政権」と揶揄(やゆ)されるゆえんである。

 新しい成長戦略は「企業経営者や国民の一人一人が自信を取り戻し、未来を信じ、イノベーションに挑戦する具体的な行動を起こせるかどうかにかかっている」と最大のポイントを挙げている。しかし、この成長戦略でどうやって国民が自信を取り戻し、未来を信じればいいのか。
 二十年近く続いたデフレの大きな要因は、非正規雇用の急増などで国民の所得が減り続け、それが消費減退、企業活動の低下を招くという「賃金デフレ」であったことは通説だ。正社員の給与も伸び悩み、中間層が消失、一握りの富裕層と大多数の低所得者層に置き換えられたのである。
 だとすれば、まずは非正規労働の増大や長時間労働に歯止めをかける。人材教育や訓練に力をいれることによって生産性を高め、働く人への適切な分配を進める。成果主義によって報酬を決める労働時間規制の見直しでは、生産性向上よりもかえって長時間労働を生む懸念の方が強いだろう。
 原発再稼働を目指し、トップセールスと称して原発や「武器」を世界に売り歩き、今度はカジノ賭博解禁に前のめりだ。どうして、こんな奇策ばかり弄(ろう)するのか。正々堂々と経済を後押しし、国民が納得する形の成長戦略でなければ、いずれ破綻するであろう


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