「後方支援」新基準 ~NATO軍との違いなくなる
政府は不ら棚「他国による武力行使との一体化」について、
①現に戦闘行為を行う他国部隊への支援 ②戦闘行為に直接使用する物品、役務の提供 ③他国部隊の戦闘現場での支援 ④戦闘行為と密接な関係 の4条件をすべて満たす場合以外は、自衛隊が活動できるようにしようとしている。
安倍首相は「武力行使はしない」とは言わず、「目的としない」と強調する。が、「目的としない」と言ってみても、戦闘地域の兵站活動は明らかに軍事行動であり、当然、敵対勢力の攻撃対象になる。そうなれば戦闘行為にいたることは必至である。アフガンでNATO軍は戦闘地域での「後方支援」で1031名が犠牲になった。
自衛隊派兵のテロ特措法の審議のなかで、NATOとの違いを同時、政府はどう釈明したか
小泉首相「武力行使はしないんです。戦場には出ないんです。戦闘行為には参加しないんです。明らかに違うんです」。
福田官房長官「(自衛隊の活動地域は)現に戦闘行為が行われておらず、かつそこで実施される活動の期間を通じて、戦闘行為は行われることがないと認められる地域に限られている。そのことがNATOと決定的に違う」
この違いがなくなる、ということこと。NATO軍と同じになること
【自衛隊海外派遣 際限なき拡大を恐れる 東京6/5】
【自衛隊海外派遣 際限なき拡大を恐れる 東京6/5】安倍内閣は自衛隊の海外派遣をどこまで拡大しようというのか。政府が与党に示した新しい基準は歯止めにならず、結果的に戦闘に加わることになりかねない。憲法九条の下で、認めてはならない。
政府が与党協議会に提示したのは、海外での自衛隊の活動が「他国による武力行使との一体化」に該当するか否かを判断する際の、新しい基準である。
(1)現に戦闘行為を行う他国部隊への支援(2)戦闘行為に直接使用する物品、役務の提供(3)他国部隊の戦闘現場での支援(4)戦闘行為と密接な関係-の四条件をすべて満たす場合は「武力行使との一体化」に該当して憲法違反となるが、一つでも当てはまらなければ認められる、のだという。
自衛隊の海外活動は、国際情勢の変化に伴って拡大してきたものの、戦闘行為に加わることなく、戦闘終了後の掃海活動や、「非戦闘地域」での復興支援や補給、兵員輸送などにとどめてきた。
戦闘地域で活動しないことは、政府自身が憲法違反と判断してきた、他国の武力行使と一体化しないための歯止めである。
これに対し、安倍内閣の新基準は、いわゆる「一体化論」を維持しながらも、海外での自衛隊活動を格段に拡大するものだ。
例えば、戦闘地域でも戦闘に直接使用しない食料や水の提供や、現に戦闘中でなければ武器・弾薬ですら提供が可能になる。
政府自身が認めてこなかった、戦闘への直接支援に踏みきれば、敵対勢力の攻撃対象となり、自衛隊も戦闘に加わらざるを得なくなる可能性は格段に高くなる。
こうした自衛隊活動は憲法九条が許しているのか。一内閣の都合で活動範囲を拡大するのなら、政府の憲法解釈変更による「集団的自衛権の行使」容認と同様、立憲主義の否定にほかならない。
私たちはイラク戦争を思い起こすべきだろう。航空自衛隊によるバグダッド空港への米兵輸送は名古屋高裁が「他国の武力行使と一体化した行動で、自らも武力行使したとの評価を受けざるを得ない」との違憲判断を示した。
安倍内閣はこの確定判決を無視するのか。そもそも米国が誤った情報に基づいて始めた戦争をなぜ支持したのか、米、英、オランダ各国政府が行っているような検証を日本政府はしようともしない。
反省もせず、司法判断すら顧みない。「積極的平和主義」なるものを掲げれば何でもできるというのは、大いなる勘違いである。
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