異論排除がもたらした「福島事故」
コミックの表現が「風評被害」をもたらすと問題にされている。
が、津波による全電源喪失・過酷事故の危険を指摘する国会質問に「ありえない」と、世界水準の深層防護を無視し、福島原発事故を招き、広範な「風評」でない実被害をもたらした安倍首相、自民・公明政権、原発利益共同体。
それらがまともな責任もとらず福島事故がなかったかのように再稼動、輸出にまい進し、被害者の救済、除染、汚染水対策を後景においやっている。これが現在ある問題の核心だと思う。
同時に、「安全神話」がなぜ形成されたのか。反対者を締め出し、多様な意見を封殺したからではないか・・・・ 日本社会のクセとして克服すべき問題ではないか。
この事例、2年前には自民党も問題にしていた。
森まさ子、山谷えり子、熊谷大の国会での質問・発言は、以下のとおり
◆森まさ子 参 - 東日本大震災復興特別委 平成24年06月14日例えば、具体的にこんな心配の声をお寄せいただいています。子どもが鼻血を出した、これは被ばくによる影響じゃないかと心配なんだけれども、それを診察してもらった、検査してもらった、そのお金はどうなるんですかということです。次にまた、今なかなか屋外の運動ができておりません。それで、実際に走ったときに、足が弱くなっていて転んでしまった、骨折をした、そのような医療費はどうするんでしょうかというような声があります。そのようなものについても、私ども野党の案を起案したときには、原則として含まれていくというふうに考えてはおります
◆山谷えり子 参 - 憲法審査会 - 平成24年04月25日
最後になりました、自由民主党、山谷えり子でございます。
長い時間、参考人の皆様、ありがとうございました。
井戸川町長が雑誌のインタビューでこんなことを言っていらっしゃいます。私は、野田首相に双葉郡民は国民だと思っていますかと聞いたけど、国は、アメリカにSPEEDIのデータを先に知らせて、国民にはSPEEDIのデータを提供していなかった。今もって双葉町はSPEEDIのデータは来ていません。あの情報が入っていたら仙台方面に逃げていますよと。あるいは、ベントの連絡もなかったと。それから、国、東電は、止める、冷やす、閉じ込めると言い張って絶対に安全だと言ってきた結果がこれで、我々は住むところも追われてしまった。放射能のために学校も病院も職場も全て奪われて崩壊しているのです。私は脱毛していますし、毎日鼻血が出ています。この前、東京のある病院に被曝しているので血液検査をしてもらえますかとお願いしたら、いや、調べられないと断られましたよ。我々は被曝までさせられているが、その対策もないし、明確な検査もないという。本当に重い発言だと思います。
福島県民の健診も十分に納得のいく検査メニューではないということなども含めまして、本当に今問題提起されました憲法第十三条の幸福追求権と憲法第二十五条の生存権というこの条文が、もう全く違う角度で私は読み直さなければならないんじゃないか、精査し直さなければならないんではないかというふうに思います。◆熊谷大君 参 - 予算委員会 - 8号 平成24年03月14日
大きな不安はないというふうにおっしゃっていますが、ほかの県南の地区も、これ、保健便り、ちょっと持ってきました。ある小学校の、県南の小学校の保健便りです。
四月から七月二十二日現在の保健室利用状況では、内科的症状で延べ人数四百六十九名。内科的症状では、頭痛、腹痛、鼻出血、これ鼻血ですね、順に多くということ、これ結果で出ているんですね。これ、県南でもやっぱりこういう症状が出ると心配になるんですよ。それにどういうふうに、本当に不安はないと言えますか。
◆熊谷大君 文教科学委員会 - 3号 平成24年03月22日そういった状況で、官房長官は、人体に影響がないということを繰り返し発表をしておりました。
この前、予算委員会でも紹介させていただきました保健便り、ある県南の、宮城県の南部の学校、小学校が出した保健便りの一節ですね。ちょっとまた読ませていただきます。保健室の利用状況についてでございます。
四月から七月二十日現在の保健室利用状況では、内科的症状で延べ人数四百六十九名が利用しました。内科的症状では、頭痛、腹痛、鼻出血の順に多く、鼻出血というのはこれ鼻血のことですね、外科症状では擦り傷、打撲、虫刺されが順に多かったということで書いてありますが、平野大臣、この事実もう一度、どのようにお考えになりますでしょうか
そもそも低線量被爆の影響はどの程度のものかわかっていないのではないか。
「ない」というのも非科学的、被害拡大をもたらす。通常の人が出入りできない放射能管理区域をはるかに超える線量の地域に、人が住んでいることを「当たり前」にしてよいのか、と思う。
「臨床医が見たチェルノブイリ、福島の現状」牛山元美医師(さがみ生協病院)2014年3月18日のブログの中で、チェルノブイリ事故でも鼻血が出す子どもが増えたと現地医師の発言に衝撃をうけ、自らベラルーシを訪れ、発言した小児科医、保健所長、当時こどもだった方々に話を聞いた内容をまとめている。
「当時鼻血を出した子が白血病や甲状腺がんになったわけではない。 でも、あの時の鼻血とか、あの時の高血圧の原因が放射線かどうか、なんにも公式には認められていない。 子どもの甲状腺がんが増えたことは認められました。でもそれ以外にいろんな病気があった、今もある。 だけど、それは何も公式には放射線のせいで病気が増えたとは言えない。 科学的にはなんにも私たちは立証できていないんです。」と言われました。向こうの先生は必ず言うんです。
「私たちは事実をあなた達に語るだけです」と。
「何故かはわからない。なにも立証されていません。何も言えない。でも事実はこうだ」
(引用おわり)
・・・ 現状でわかっていることの限界やリスクの可能性に対してもっと謙虚であるべきと思う。
それを、権力者の見解以外は「認められない」として押さえ込む風潮こそが問題ではないか。そうしたことが「安全神話」をつくり、3.11の過酷事故をもたらしたのではないか。
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