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合併特例終了をむかえる自治体での住民要求実現・考

 平成の大合併は、05年度までの3年間に集中しており、交付税の10年間の合併算定替の期間が終わり(5年の激変緩和期間。9割、7割、5割、3割、1割で算定)、新たな行財政運営のもとでのどう住民要求を実現するかが問われることになる。
 この間、合併自治体では、基金を積み増し、起債も繰り上げ償還するなど将来負担比率がマイナスになっている自治体が少なくない。が、「一本算定になれば厳しくなる」と「住民要求」をガードする姿勢が出でいる。
 そこで、改めて整理してみたい。(「議会と自治体」2014.5をもとに)

◆一本算定の影響をどうみるか

小さな自治体であって大きな自治体で同じように事務事業をする必要があるため、小さな自治体に厚めに交付税が配分される(段階補正)。
 合併算定替とは、合併しなかった場合の旧自治体の交付税額の合計を適用するものである。

☆2001年度の高知県内市町村の段階補正額からのあらあらの試算
 (他の数字は、04年度の決算カードより)

Data304_2


例) 香美市  3町村合併 人口3万1千(土佐山田2万1千、香北5.5千、物部3.1千)

         段階補正額・千円 職員数
・土佐山田町  454174        206
・香 北 町   411989   82
・物 部 村   374694   65
・   計   1240857       353

 人口3万規模  480000 須崎市 265
                 土佐市 322
  
・普通に3万市に場合と比べ、7-8億円が合併算定替として配分されている
 (香美市は「12億円減る」と言っているようだが、段階補正の総額がなくなる? 他の補正係数の関係?  実際の影響額の把握は今後の研究課題)

→ これはすぐに職員を削減することができないため、一定期間保障する措置である。/また、新自治体の基盤整備のための投資増(合併特例債、推進債も含めて)に対応するためとも言える。

・人的経費で7―8億円削減が必要
→ 人件費600万として120-130人分 
→ 物件費( 臨時職員の賃金、委託料が約6割を占め、人的経費である)
   3町村計 18.1億円  土佐市11億、須崎市7.7億円
(これを他市なみにするだけでも人を減らさなくても7-8億円の対応は可能では?)

☆非合併自治体の算定になるだけである。
 人件費を適切に管理し、これまで「有利な措置」での財政改善を生かせば、住民要求への対応は可能である。

◆合併自治体へのあらたな財政措置

・少なくない合併自治体が、コミュニティ機能の維持、防災上の観点から旧市町村役場を支所として残しており、このままでは財政不足が生じるとして、改善が要望されてきた。その結果
 「市町村の姿の変化に対応した交付税算定について(案)」
 「支所に要する経費の算定(案)」
 
≪3つの見直し~合併により市町村の面積が拡大する等市町村の姿が大きく変化≫
  合併算定替の全国計9500億円、「5年間の激変緩和期間に入っていく団体が増えることに対応し、算定方法の見直しを行う。平成26年度以降、5年程度かけて見直す」(全国財政課長・財政担当者会議)

「①  支所に対する経費の算定」
・「合自治体数-1」×「所管人口8千人で、2.4億円」 /所管人口、本庁との距離で補正
・総額3400億円。3分の1ずつ加算する。
 *物部3.1千、香北5.5千と8千より少ないが、3億円くらいはあるのでは・・

→ これにより削減額が、3~4割緩和される。/さらに②③の見直しも加えると5割程度緩和される見込み

Data307

「② 人口密度による需要の割り増し」と「③その他」について
 ③をうけて、②の見直しへ

◇「その他」の見直し
・交付税の算定である「標準団体」 人口10万、面積160平方km /が、3200余の自治体が1717となり、平均面積114.8平方kmから216.6平方kmに増加
→ 面積基準の見直し/現時点では、公民館、消防の出張所などの施設数の見直しの例示のみ/ 14年度は検討をすすめ、15年度以降4年間かけて「交付税に反映」

◇「人口密度による需要の割り増し」
・面積基準の見直しに加え、合併自治体では面積拡大の影響がより大きいとして財政需要の割り増しをする
→ 消防、保険・福祉サービスなど合併による合理化が難しい経費を反映させる、と説明

☆この新たな措置を活かせば、これまでの基金、財政好転を活かして、十分すぎるほど住民要求に対応できる

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