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TPPの地ならし~命の格差もちこむ「選択療養制度」 

 政府が、患者と医師の合意により混合診療を実施可能とする「選択療養」の導入をすすめようとしていることにたいし、難病疾病団体、医師会、保険3団体が反対声明を出している。
 アメリカの保険会社が巨大な儲け口して切望する混合診療解禁にむけたものであり、TPP参加への地ならしである。
【 選択療養制度(仮称)の導入は事実上の「混合診療解禁」であり、多くの患者にとっては最先端の医療が受けられなくなる恐れがあり、 患者団体の声を聴いていただけるよう要望します 
日本難病・疾病団体協議会  4/3】

【国民の安全・安心を守るための医療について 日本医師会4/17】
【「選択療養」 に対する保険者3 団体の見解 4/3】

【 選択療養制度(仮称)の導入は事実上の「混合診療解禁」であり、多くの患者にとっては最先端の医療が受けられなくなる恐れがあり、 患者団体の声を聴いていただけるよう要望します  日本難病・疾病団体協議会  4/3】

 3月27日、政府の諮問機関である規制改革会議(議長=岡素之住友商事株式会社相談役)は、選択療養制度(仮称)の新設を提案しました。
この選択療養制度(仮称)について、私たちは、難病・長期慢性疾病・小児慢性疾病の患者団体78団体、構成員総数約30万人の日本を代表する患者団体として、以下の理由から、この事実上の混合診療「解禁」案に大きな懸念を感じ、反対するものです。

私たちは、混合診療問題については、以前から次のような態度を表明してきました。

(1)政府による混合診療の解禁とは、自由診療を政府が公認するものであること。
(2)自由診療は、その安全性や有効性が担保できないことから、安全で効果のある治療なのかどうかを患者が判断することが困難になり、医療不信を助長しかねないこと。
(3)わが国は、国民皆保険制度の下で、誰もがいつでも必要な治療が受けられる施策を進めてきており、それを今後も堅持してもらいたいこと。

 昨年7月、私たちは、政府の規制改革プログラムに先進医療(保険外併用療養費)の対象範囲を大幅に拡大する方針が盛り込まれた際に、「混合診療のなし崩し的な解禁に反対する」という声明を発表し、再生医療などの最新治療を推進するためにと称した混合診療のなし崩し的な拡大に、強い懸念を表明しました。規制改革会議の今回の提案は、この懸念が現実のものとして現れたものと言えます。
保険外併用療養費は、一定の条件の下で混合診療を認めたもので、対象とする先進医療は、保険収載を前提として評価療養に組み込まれることとなっています。これに対して「選択療養制度(仮称)」は、「評価療養」とは別に保険外併用療養費制度のなかに位置づけられ、保険収載を前提としていません。患者の「選択」による自由診療が公認されることになり、事実上の混合診療解禁となります。

 この(案)では、医師の診療計画書の策定、患者への必要性とリスクについての書面での説明と、患者の納得したうえでの書面での承諾を条件にあげていますが、藁にもすがりたい思いの患者にとって、対等なインフォームドコンセントがどの程度担保できるかは疑問です。また過去には医師が自由に投薬できることによって多くの難病患者の生命と健康に大きな被害が生じた経験を有しています。その時代への逆戻りは許されないと思います。

 私たちはあらためて、今回の選択療養制度(仮称)には反対の態度を表明し、政府が混合診療の原則禁止の方針を堅持し、誰もが安心して最新の治療を受けられるよう、必要な医療は保険でとの原則を堅持した国民皆保険制度のさらなる拡充を強く願うものです。

一、政府と規制改革会議は、混合診療「原則禁止」を堅持し、必要な医療は保険で受けられるようにしてください!
一、データの集積と安全性の確認がない自由診療による治療は、多くの国民の健康被害を拡大しかねないものであり、国による監視と指導を強めてください!
国民の誰もがわが国の到達した先進的な医療を安心して受ける事ができるよう、国民皆保険制度を堅持し、充実させてください!

【国民の安全・安心を守るための医療について 日本医師会4/17】    国民の幸福の原点は健康であり、病に苦しむ人がいれば、何としても助けたいというのが医療人の願いであり、私たちの願いは、「必要とする医療が過不足なく受けられる社会づくり」に尽きます。   昨日の規制改革会議では「選択療養(仮称)」について議論がなされ、また、その会議では示されておりませんが、「厚労省案を軸に調整が進んでいる」と朝日新聞一面での報道もありました。

 新しい医療の提供にあたっては、安全性・有効性を客観的に判断することが必須であり、さらに、将来の保険収載が大前提であります。また、患者と医師の間には、医療について情報の非対称性が存在します。特に、高度かつ先進的な医療であれば、患者が内容を理解することは非常に難しく、患者の自己責任にゆだねることになります。治療困難な病気と闘っている患者は、藁にもすがる思いで安全性・有効性のない治療法や、エビデンスのない民間療法を選択させられてしまうおそれもあります。患者等の団体からも反対意見があがっており、患者・国民不在の議論となっています。

 保険外併用療養は、安全性・有効性が確立され次第、速やかに公的医療保険に組み入れるための過渡的な取扱いとすべきで、保険収載されないまま留め置くべきではありません。新たな医療が保険収載されなければ、資産や所得の多寡で受けられる医療に格差が生じ、必要な医療が受けられなくなってしまうおそれがあります。
保険外併用療養の運用は進んでおり、現在も十分に機能しています。さまざまな課題については、現行の保険外併用療養、特に評価療養の機動性を高めることで対応すべきと考えています。

 医療における規制は、患者・国民の生命と健康を守るためにあり、日本医師会は保険外併用療養の拙速な拡大は、到底容認することはできません。




【「選択療養」 に対する保険者3 団体の見解 4/3】

 先般、 政府の規制改革会議は、現行の保険外併用療養費制度に、患者と医師の合意により混合診療を実施可能とする「選択療養」(仮称)を追加する制度の拡大案を提示したが、「選択療養」対する保険者3団体の見解は、以下のとおりである。

 現在、わが国においては、個別医療技術の有効性・安全性を国が確認したうえで限定的に保険外の診療を認めているが、提案の「選択療養」は、患者と医師が合意すれば原則混合診療を可能としている。これは実質的に有効性・安全性の確認が不十分な医療行為を広く患者に提供することになり、患者の健康上の不利益をもたらす可能性があるため、反対である。

 患者と医師という当事者間の合意だけで成立した診療の費用を医療保険がカバーする仕組みは、公的枠組みを通じてあらかじめ有効性・安全性が確認された診療行為に対して給付を行うという医療保険制度の原則や財政運営を行う医療保険者の責任の範囲を超えるものである。

 また、患者と医師の間には、いわゆる情報の非対称性があるため、患者は保険外診療の有効性・安全性を客観的に判断することは難しく、当事者間の合意に委ねる仕組み自体にも問題がある。さらに、患者と医師が交わした診療契約書を保険者に届け出ることによって、「選択療養」に該当するかどうかを短期間で判断するとしているが、各保険者が個別の保険外診療の有効性・安全性を判断することは、事実上不可能である。
保険診療と保険外診療の併用範囲の拡充を求める患者ニーズに対しては、先進医療制度の運用見直しによる迅速化等で対応すべきである。

平成26年4月3日

健康保険組合連合会
国民健康保険中央会
全国健康保険協会


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