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どうなる?子ども子育て新制度と保育(メモ) 

 奥野隆一・佛教大学教授 「議会と自治体」2014.4、
「Q&A どうなる? 子ども子育て新制度と保育」から
(一部、同じく奥野教授の「自治と分権」54の論稿より)

 高知市でも事業計画づくりに「子ども子育て会議」が開催されているが、制度が子どもの実態から出発したものでなく、市場ベースに乗せるために現状無視で複雑なことから、全体像がとらえづらく議論が深まっていないように聞く。
 公低価格も決まるのは5月ごろで、自治体も事業者も財政もふくめた判断ができない状況。これで6月に条例化、来年度実施とは・・・ 

《施設給付》
・保育所      /  小規模保育事業19人以下は保育所でなくなる
・認定こども園 幼保連携型   3歳以上
          保育所型    保育を必要とする子ども、保育を必要としない3歳以上の子ども
          幼稚園型(2種) 3歳以上の保育を必要とする子どもと必要としない子ども
                    幼稚園と認可外保育施設(保育機能施設)を一体的に設置運営  
          地域裁量    保育の必要量にかかわらず保育を提供する施設
          (保育所型、地方裁量型は、株式会社など法人参入が可)
・幼稚園 市町村の確認をうけ「施設型給付費」になる場合と、そのまま私学助成を支給する道も残る

《地域型保育給付》
・待機児の中心0-2に対応~直接契約、保育士・園庭など規制緩和、企業参入に道

→ 0-2歳を対象とした地域型保育と一体で認定こども園を提供する大手が断然有利となる。「継続した託児」と「多様なサービス」を「武器」に、寡占市場になる可能性

( 認定こども園(幼保型除く)、地域型保育は、保育料の上乗せ可能。認定こども園の保育所型・地方裁量型と地域型保育は、企業参入が可能)  

■児童福祉法第24条第二項の意味

・24条による市町村の保育実施義務が運動の成果として残った/ 「但し書き」が削除され、第二項が追加
・第二項「市町村は、前項に規定する児童に対し、認定こども園又は家庭的保育事業等により必要な保育を確保するための措置を講じなければならない」と、実施義務を規定した第一項との別の事柄を示したもの

◇第二項では、市町村の保育責任はあいまい

・第二項の施設等を利用する場合、市町村の実施義務の対象外であり、施設・事業者との契約による利用
・支援法42条により、市町村は、保護者の入所申請をうけて利用・調整、あっせん、要請を行う
  市町村への申請  保育を必要とする子ども、保育を必要としない3歳以上の子ども
  入所施設の決定  支援法42条は、行政処分でなく、行政指導
→「定員の超過」などを理由に、行政指導によって利用契約型の入所施設に誘導。児福法24条1項の形骸化

☆市町村の保育実施義務を確立するには、保育所への入所を強く求めること
→ 保育責任が果たせない場合は、不服申し立て、裁判などを通じで責任を問うことができる。
→ 保育は権利であり、質の劣る施設・事業で我慢しなれければならない理由はない。

■企業参入のための2つの仕組

①公私連携法人の新設(児福法56条8)
市町村が法人と協定を結び、市町村の公有財産を時価より安価、または無償で貸与、譲渡し、保育所を運営する仕組 / イニシャルコストの軽減

②地域型保育給付の小規模保育事業(6-19人)
・「従うべき基準」職員と員数、「参酌基準」居室面積、設備
・小規模保育事業B型(A分園 C家庭的保育のグループ型 Bはその中間) 保育士資格者は半分以上
~ ビルのワンフロアーなど駅前保育をしている企業に、公的支出がされる

☆市町村の認可条例において、保育条件をできるだけ認可保育所に地がつける努力を /保育の平等性の観点からも、子どもの権利保障の観点からも、待機児童解消は認可保育所の増設・増員が本筋

■現物給付から現金給付へ

・「子どものための教育・保育給付」~施設型給付、地域型保育給付
 ①施設型給付~保育所、幼稚園、認定こども園(幼保連携型、幼稚園型、保育所型、地域裁量型)
 ②地域型保育給付~家庭的保育、小規模保育、居宅訪問型、事情所内 

・市町村は、それぞれの種類により、利用する時間量に応じた現金を保護者に給付費を交付
(施設および事業者による代理受領もできる)
・給付費には使途制限がなく。利潤を生み出して他の事業に使用することも可能

・「OECD保育白書」の指摘
“親への助成は制度の調整や誰もが利用できるサービスの供給の支えとならず、職員の現場研修の改善や給与の改善に必ずしも貢献しない。親へのバウチャー方式が認可業者と同じようにインフォーマルな無認可チャイルドケアを支援するのに使われたとしても、結果は小規模の組織や個人が多様なチャイルドケア・サービスを供給する分散したネットワークになる・・・芳しくない実践が登場しがちになる・・・規制のないサービス、見た目だけのサービスの売込み・・・が出回ることになる。それらは乳幼児の人間関係、プログラム作成、発達のシンボルについての継続性の観念を崩すことになる。”」

と、現金給付は、職員の研修や給与の改善に貢献せず、子どもの発達にとって適切な保育の提供にならないと警告

・また、利用者がすくなければ事業廃止もあり、保育の地域における安定的継続的に提供に不安定さを生む

☆保育の質、安定性・継続性の担保には、児福法24条1項を生かすことが重要

■施設・事業による質の格差

・施設は7種(施設給付対象の6種+新制度に入らない幼稚園)、地域型事業の4事業
・小規模保育 保育士は半分以上。家庭的保育では、職員は全員保育士でなくてもよい(要研修)。幼保連携型では、学級編成の義務付けと一学級35人以下、保育教諭が必置と、多様化と格差

☆市町村の認可条例、運営の基準に関する条例では、「保育の権利保障」「平等原則」による内容づくりが課題

■保育所入所の手続き

《一連の流れ》
①市町村に申請/「3歳以上のこども」「3歳以上の保育を必要とする子ども」「3歳未満の保育を必要とする子ども」であるとの認定を受ける
②保育の必要性と保育必要量(月単位)の認定と認定証の交付を受ける
③市町村に認定証を提示。利用申請を行う
④市町村は、利用申請をうけ、利用調整・あっせん・要請の過程を経て、保育所、幼稚園、認定こども園に入所する「施設給付」か、地域型保育給付をうけることが決定

☆問題点〜 二度申請する煩雑さ、保育実態にあわない必要性認定事由

・事由を10ケースに整理(「子ども子育て会議」資料2014年1月)

①保護者が就労しておらず、子どもの「障害」の状態により、保育所入所が適切な場合
・現行は多くの市町村では「障害」だけで保育所に入れるが、「子ども子育て会議」資料~ 障害児の入所は保護者の就労等が条件であり、入所できるか不明
・一方「3歳以上の教育標準時間認定」(1日4時間)では、「障害」だけで入所できる

②育児休業中はいったん退所
・子どもの発達や保護者の傾向状態などから必要と認められた場合、継続入所は可能
・その他は、一旦保育所を退所し、育児休業からの復帰時に、優先入所扱いとなる。
・保護者が希望する場合を除いて、上の子の保育を継続するのが妥当

③同居の祖父母、親族がいる場合
・人口減少地域では、同年齢の子どもが地域にいないことから、同居の祖父母がいる場合も保育所に入所させている。
→ 子どもの発達を考慮すると「保育の必要性の事由」として示している事項は、人口減少地域では適切でない/ 10ケースのうち「市町村が認める場合」を活用しての対応が必要

■保育の必要量

 1日あたりの時間を基礎に、月単位の保育時間の上限を設定

・教育標準時間 4時間/日
・保育標準時間 11時間/日 最大292時間、最低212時間
・保育短時間  8時間/日 最大212時間、最低192時間 
保育を利用できる就労時間の下限ついては、48-64時間として、市町村が定める

・保護者の就労を基本にしたもので、子どもの生活を基本にしたものでない。
多様な保育時間の子どもが登園/ 計画的な保育が困難に?
・認定時間を超過すれば、全額自己負担
・経営の観点/保育時間が多様であるので、経営の見通しがつきにくい。
(短時間保育は収入が少ない  11時間を基本に入所、契約が進むと考えられる)

(メモ 月単位の必要量の確認は… 正職員なら、離職せずに雇用されている証明は簡単だろうが、臨時の場合はどうするのか。標準時間と短時間の判断、継続雇用の証明と実際の確認はどうするのだろう。申告と違っていた場合は、自費扱いで請求されるのだろうか・・・)

■施設・事業者との契約

・新制度は契約が基本。保育所は、児福法24条1項により契約ではない
・契約は双方の合意。施設が同意しない場合もある。他の質の低下した条件などでの契約となる
(障害など手がかかる。短時間保育で公定価格が低い、などなど)

・応諾義務 支援法30条「正当な理由がなければこれを拒んではならない」
  定員超過の申込み→「公正な選考」をしなければならない
  「正当な理由」→ 「特別な支援が必要な子どもの状況と施設・事業の受け入れ能力・体制の確保がむずかしい」「保育料の滞納との関係」「保護者とのトラブル」など

☆市町村は、安易な契約拒否が生まれないよう応諾義務について指導する必要がある
(→ 特別な支援が必要な子ども、貧困・家族関係などのリスクをかかえた子どもこそ保育が必要)

■ 保育料

・国の徴収基準にもとづき、市町村が応能負担で定める
・徴収基準わり低額にすれば、差額は市町村負担/保育所のみ保育料は市町村が徴収
・保育所以外は、施設・事業者が保護者から徴収
→ 運営の財政基盤は、給付費(代理徴収)と保育料 /保育料の滞納は運営費に穴があく

☆保護者の失業・病気などで収入が激変したとき、迅速に保育料を見直すべき /滞納による安易な契約解除とならないよう指導が必要

・保育料以外の実費、上乗せ徴収は、原則自由 /英語や体育教室など・・・

☆(保育の平等性)からいって、公的な保育制度に取り入れるべきではない。

■保育所運営財政

・給付費の国、自治体の負担割合
 施設型給付 公立  全額市町村負担(交付税措置)
      私立  国1/2、県、市町村が1/4ずつ(政令市、中核市1/2)
 地域型保育給付  公私問わず、国1/2、県、市町村が1/4ずつ(政令市、中核市1/2)

・公定価格
 1号認定(3歳以上)、 2号認定(3歳以上で保育が必要) 3号(3歳未満で保育が必要)
の認定区分に、保育料、施設の所在地等で算定 (具体内容は検討中)
~積み上げ方式、包括報酬方式、人件費とそれ以外を一括する方式 

☆積み上げ方式は、人件費の経験年数に応じた対応が可能、政策的上乗せが可能/保育の質の確保に適切

・私立保育園は委託料  保護者への給付(代理受領)ではない

■幼保連携型認定こども園

・政府として重視/ 施設・設備、運営基準は、省令にもとづき県(政令市、中核市)が条例で定め許可
~園長、保育教諭は必置、3歳以上は学級編成。/教育標準時間以降の時間は、1人ひとりの状況に対応した保育を実施する
・利用定員の定めがない/ 他の「こども園」は「保育を必要とする利用定員」「必要としない利用定員」を定める。
・設置・運営主体 地方公共団体、学校法人、社会福祉法人に限定/ 幼保連携への移行は義務づけない

◇「幼保連携型」の基本的問題
 ①保育時間が異なる子どもが一緒に保育をうけ、長時間の子どもは最低3回保育室を移動
   4時間、8時間、11時間
 → 保育者も変わるため、保育士と子どもの信頼関係、子ども同士の関係性が形成しにくい
 ②3歳以上の保育で「短時間」「長時間」に保育内容が区分され、保育の一貫性が保障できない
 ③夏休みなど長期休暇の場合/ 教育標準時間の子どもは休み、短時間保育児は対応がバラバラ、長時間保育児は保育が必要、など対応に難しい問題がある
 ④幼児教育への歪み~ 幼児保育が学校教育の準備教育に矮小化。保育が教育を除く養護に限定

◇中核的施設と位置づけて推進〜整備目標の設定
 ①普及に取り組むことが望ましい
 ②中核的施設であり、市町村が関与して普及をはかること
 ③こども園の4累計については幼保連携型に集約していま方向ですめることが望ましい
 ④都道府県事業計画では、「量の見込み」「都道府県計画で定める数を加えた数」に達するまで、許可・認可しなければならない

◇移行・再編の動き
・民間保育所の中で、幼保連携型への移行の動き
・自治体の動き 公立幼稚園と保育所を廃止・統合し、幼保連携型として整備し配置する再編統合の広がり
・「待機児解消」というが、待機児の多くは3歳未満に集中
~ 幼保連携型、幼稚園型では、3歳未満児枠が拡大できるか不透明
→ 認可保育所の縮小は、小規模保育の拡大、保育条件の格差を生むことになる

■子育て事業計画

・事業計画は、教育・保育と地域子ども・子育て支援事業の提供体制の確保のために策定
~市町村は、13年度内にニーズ調査し、必要量を定め、提供区域を設けて、提供区域内の計画を定め、多様な事業により、提供体制を確保する

☆事業計画は、自治体の子ども・子育て会議で検討、承認する~ 子どもの権利保障、市民合意が大事
 ①保育を受ける権利を保育所で保障する 
 ②放課後児童健全育成事業は、文科省の子ども教室とは区別して提供体制を整備する 
 ③待機児対策は、認可保育所の整備で対応する

■学童保育の条例化

・設備及び運営は条例化/従事するもの、その員数については、「従うべき基準」。その他は「参酌する基準」
・内容〜 対象児童は6年生まで。職員資格は「児童の遊びを指導するもの」(児童厚生員で新に一定の研修)。職員配置は、1グループ40人に「指導するもの一人に、補助者1人、保育室の面積は、1人1.65㎡」など基本とし、開所日数、開所時間など
・実施主体 市町村と市町村以外の者(限定無し、届出のみ。すでに学習塾など参入)

☆条例にいれるべき内容
 ①目的。子ども教室と区別すること
 ②保育を受ける権利、市町村の責務の明確化
 ③施設を必要とする事業であること
 ④生活施設にふさわしい環境・設備であること
 ⑤保護者会との連携を確立する措置

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