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外国人の非熟練労働者受入れ拡大~人権侵害拡大の懸念 日弁連

 技能実習制度を「拡充」して不足する建設労働者へ対応しようとしているが、実質、労働基準法もまもられない低賃金の労働者と使用され、多数の人権侵害が発生している。現場からの告発はきわめて難しい。日弁連は「人権侵害の温床を拡大する結果となるものである」と反対している。
 消費税増税を実施するため経済対策として公共事業を大幅につみまししたが、一時のバブルであるため、正規で若者を雇用することもできない。自治体で公共工事の発注する人員は削減されているので、金額を出すたにロットの大きな発注となり、地元の中堅、中小には元受としての仕事がまわらない。耐震や社会資本の維持・補修など中長期の計画的にそって、身の丈にあった事業を考えないと、後継者対策もままならない。

【外国人の非熟練労働者受入れにおいて、外国人技能実習制度を利用することに反対する会長声明 4/3】
【「外国人技能実習制度の早急な廃止を求める意見書 2013/6/20】


【外国人の非熟練労働者受入れにおいて、外国人技能実習制度を利用することに反対する会長声明】

政府は、東日本大震災後の復興及び東京オリンピック関連施設を建設するための建設労働者が不足しているとして、建設関係業種での外国人労働者の受入れのため、「年度内を目途に当面の時限的な緊急的措置にかかる結論を得る」意向を明らかにし(2014年1月24日の関係閣僚会議後の菅官房長官の定例記者会見)、その具体策として、技能実習制度を前提に、建設分野において、現行の「技能実習」の在留資格から「特定活動」の在留資格に変更してさらに2年間の在留を可能とし、また、一度、技能実習を終えて帰国した者についても現行制度で許可されていない再入国を許可して特定活動の在留資格で日本で働けるものとするよう、告示を定める案などが報じられている。

技能実習制度については、実習生による日本の技術の海外移転という国際貢献が制度目的として掲げられながら、その実態は非熟練労働力供給のための制度として運用されており、その名目上の目的ゆえに受入れ先である雇用主の変更が想定されておらず、受入れ先を告発すれば自らも帰国せざるを得ないという結果を生んでしまうことにより、受入れ先との間で支配従属的な関係が生じやすい。また、送り出し機関による保証金の徴収などの人権侵害が横行していることなどから、衆参両院も、2009年の入管法改正にあたっての附帯決議で、制度の抜本的見直しを行うべきこととしていた。当連合会も、これらの構造上の問題点を指摘し、技能実習制度の廃止を強く訴えてきたところである(「外国人技能実習制度の廃止に向けての提言」2011年4月15日、「外国人技能実習制度の早急な廃止を求める意見書」2013年6月20日)。国際的にも、米国国務省人身取引報告書(2013年6月19日)が、日本政府は技能実習制度における強制労働の存在を正式に認知していないと指摘するなどしている。

したがって、政府は、東京オリンピック開催の準備等を理由とした一時的な建設労働者の受入れを行うとしても、技能実習制度の存続を前提とした制度構築をするべきではない。

また、建設業分野で一時的な外国人労働者の受入れを行うとしても、技能実習制度で指摘された構造上の問題点を再度発生させないよう、労働者受入れ制度であることを前提とした制度構築を行い、雇用主変更の自由を認め、受入れのプロセスにおいて二国間協定の締結や公的機関の関与を強めるなどして対等な労使関係を実現する制度の在り方を検討し、国会で法改正を行うべきである。

さらに近時、建設業だけでなく、農林水産業などにおける労働者不足を理由に、技能実習制度についても、現行で最長3年間の技能実習期間を延長すること、再度技能実習生としての入国を許可することなどの意見が関係業界団体などを中心に提案されている。しかし、技能実習制度の構造上の問題点、現実の人権侵害の事例があるにもかかわらず、技能実習制度を維持・拡大し、受入れ期間の延長や再技能実習を認めることは、人権侵害の温床を拡大する結果となるものであるから、当連合会は、強く反対し、速やかな技能実習制度の廃止を改めて求めるものである。

【「外国人技能実習制度の早急な廃止を求める意見書 2013/6/20】

第2 新制度下の問題事例等
1 厚生労働省「最近における技能実習生の労働条件確保のための監督指導及び送検の状況」(2012年10月25日付け)

厚生労働省の標記発表によれば,2011年度,労働基準監督署によって実習実施機関に対する監督指導が行われた件数は2748件であり,このうち82%に当たる2252件で労働基準関係法令違反が認められた。いずれも改正法施行前の水準を上回っている。また,2252件のうち23件について検察官への送致(以下「送検」という。)が行われており,送検件数は前年より増加している。なお,技能実習生が,不当な待遇に対し抗議し,また外部に保護を求めた際には,受入れ機関が摘発されて自らも受入れ機関を失い,技能実習
生には転職の自由が認められていないことから帰国せざるを得なくなったり,受入れ機関によって強制的に帰国させられたりすることがある。このため,労働基準監督署において問題事例と認知されずにいる事案が相当数あることが推測される。

送検された事例としては,受入れ会社の最低賃金法違反を監理団体役員が幇助した事例,労働基準監督官の指導にもかかわらず最低賃金法違反が繰り返された事例,引火物による危険を防止するために必要な措置を講じなかったため爆発が起き,技能実習生が死亡した事例,プレス機の安全装置の故障を知っていながら修理せず使用させたため技能実習生が挟まれ死亡した事例等の重大・悪質な労働基準関係法令違反が報告されている。

2 法務省入国管理局『平成24年の「不正行為」について』(2013年3月29日付け)

法務省入国管理局の発表によれば,2012年に「不正行為」を通知した機関は197機関であり,前年の184機関と比較すると7.1%の増加,一昨年の163機関と比較すると20.9%の増加となっている。
各類型別では,「上陸基準省令」の規定による「賃金等の不払」が90件(37.5%)と最も多く,次いで「旧指針」の「労働関係法規違反」が58件(24.2%),「上陸基準省令」の「労働関係法令違反」が25件(10.4%)と続いており,これら労働関係法令の違反に関する3類型で合計173件(72.1%)を占めている。
「賃金等の不払」の具体例としては,鉄筋工事業を営む実習実施機関が,技能実習生6名に対し,約1年8か月間にわたり,時間外労働等に対する割増賃金を支払わず未払賃金の総額が約330万円に及んだ事例,「労働関係法令違反」の具体例としては,耕種農業を営む実習実施機関が,運転資格のない技能実習生にフォークリフトを運転させた結果,事故を発生させ,長期入院を要するほどの負傷を負わせた事例等の重大・悪質な事例が報告されている。
なお,総務省が2013年4月19日に発表した「外国人の受入れ対策に関する行政評価・監視-技能実習制度等を中心として-<結果に基づく勧告>」によれば,これらの不正行為が行われていた時期に,監理団体が実施した監査でこれを指摘できていない事例やJITCOが実施した巡回指導でこれを指摘できていない事例がいずれも約98%という高い割合に及んでいる。
また,同勧告は,地方の入国管理局において,監理団体等の監査結果報告の提出漏れをチェックするために必要な正確なリストすら策定されていないことも指摘している。

このように,技能実習制度においては,制度上,監理団体,JITCO,入国管理局等の監査・指導による適正化が予定されているものの,そもそもこれらの団体に実効的な監査・指導を行わせることが期待できないことが明らかとなっている。

3 JITCO「2011年度外国人研修生・技能実習生の死亡者数」(2012年6月20日付け)

JITCOの標記発表によれば,1992年から2011年までの間,285名の研修生・技能実習生が死亡したが,そのうちの30%に当たる85名の死因が「脳・心臓疾患」であった。この傾向は,2011年の死亡者20名中,30%に当たる6名の死因が「脳・心臓疾患」であったように,改正法施行後も同様である。
研修生・技能実習生として来日する外国人のほとんどが20歳代と若いことを考えると(2012年度版「JITCO白書」によれば技能実習生の約8割が20歳代である。),死因の30%が「脳・心臓疾患」死であることは異常に高い割合である(厚生労働省発表の2008年の統計によれば,同世代の日本人の脳・心臓疾患死の割合は5%以下である。)。
脳・心臓疾患死はいわゆる過労死の典型疾患であるから,これが死因の高い割合を占めるという事実は,技能実習生が長時間労働等の過重な労務に従事させられやすいという労働実態を推認させる。

4 当連合会人権擁護委員会による調査
当連合会人権擁護委員会では,2012年5月29日以降,「入管法改正後の新たな外国人技能実習制度における問題事例の収集について(照会)」と題する事例調査を,技能実習生の相談先と想定される全国の労働組合,国際交流協会等の83の関連団体に対して実施し,そのうち49団体から合計200件以上の相談事例を集積することができた。
その結果を集計したのが添付の別表である。
相談者の国籍は,中国が約65%と最も多く,次に多いのがベトナムであった。男女比は72:121と女性の方が多かった。また,受入れ機関の業種は縫製が約25%と最も多かった。
事例調査の集計・分析により,新制度下においても以下のとおり,多数の問題事例が発生していることが確認された。

(1) 改正法及び関係省令等で規制が強化されたものの,なお発生している問題に関する事例
問題事例として最も多かったのは,賃金未払い(56件)や残業代未払い(65件)であり,最低賃金以下の賃金・残業代の事例も30件報告されている。
改正法が施行され1年目から労働関係諸法令が適用されることとなったが,いまだに残業時給が300円程度という事例が数多く報告され,中には残業代時給が100円という悪質な事例(別表153番)も報告されている。
次に,通帳・旅券等の取り上げ事例(16件)や強制貯金事例(11件)の悪質な人権侵害もいまだに多く報告されている。
賃金からの天引きを行った上で技能実習生名義で預金し,その預金通帳を受入れ機関が預かるという「強制貯金」と呼ばれる預貯金について,通帳を本人に返還せず,本国の送出し機関に送金する事例や,本人が強制貯金の送出し機関への送金を拒否したところ,受入れ機関が本人を強制帰国(後述の(4)に説明)させようとした事例(別表32番)も報告されている。
さらに,管理費を徴収する,社会保険料等の名目で本人の賃金から控除しながら実際には受入れ機関が社会保険料未加入である等の違法な控除事例

(11件)も多数報告されている。
また,受入れ機関が技能実習生受入れ時に入国管理局に届け出た業種と全く異なる作業に技能実習生を従事させる等の「実習計画との齟齬」,A社で受け入れると届け出ながら実際にはB社で就労させるいわゆる「とばし」と呼ばれる事例が旧制度下から引き続き報告されている(5件)。
技能実習生の出身国の送出機関において保証金を預り,技能実習生が受入れ機関に抗議をするなどの行為に出たときに違約金として保証金から控除することを定める契約を締結している事例(9件)もいまだに存在している。
これらの問題事例については既に旧制度下においても関係省令・指針等で明確に禁じられた上,改正法施行後の新制度下においても,改正法及び関係省令で規制が強化されたはずであるが,それでも規制が守られていない実態が存することが明らかとなった。

(2) 労災に関する事例
労災については,18件の問題事例が報告されている。傷病名や受傷の程度が判明する例としては,仕事中のやけど(別表55番),右手複雑骨折(別表77番),3か月以上の入院(別表107番),左手の骨と爪を落とす怪我(別表111番),左手の人差指を怪我し関節が曲がりにくい(別表166番)等が報告されている。
上記結果から,労災の相談事例は問題事例全体の約1割に及び,受入れ機関において十分な安全対策がとられていない実態がうかがわれる。のみならず,工場の機械で怪我をしたが,勝手に怪我をしたので会社とは無関係と言われるなど(別表183番),労災結果が発生しても受入れ機関がその責任を認めない事例も報告されている。
加えて,いまだ労災事故は発生していないが,免許なくフォークリフトの運転をさせられている(別表101番),無免許でクレーン車を操作させられる(別表140番)等の相談も報告されており,受入れ機関が技能実習生をあえて危険な作業に従事させている事例すら存することが明らかとなった。

(3) パワハラ・セクハラに関する事例
パワハラ・セクハラについては,6件の問題事例が報告されている。セクハラについては,社長が女子寮に勝手に入ってきてベットで寝たり嫌がらせをする(別表136番),社長が胸を触ったり卑猥なことを言う(別
表158番)等の事例が報告されている。
別表158番の相談者は,社長のセクハラに抵抗すると帰国させられると思い我慢しているとも述べており,(4)で後述する強制帰国等,技能実習制度における受入れ機関と技能実習生の間の構造的な力関係が,卑劣なセクハラ行為を助長している実態がうかがえる。
被害に遭った技能実習生にとっては,そもそもセクハラ被害自体を第三者に明らかにしたくないという心理が働く上,受入れ機関に強制帰国させられる恐れもあるから,報告された件数以外にも,実際のセクハラ被害は多数に及ぶと推測される。

(4) 強制帰国に関する事例
強制帰国とは,技能実習生が労働条件の改善等を受入れ機関に申し入れた場合,受入れ機関が実習生を解雇した場合,労働災害が発生した場合などに,受入れ機関が,技能実習生の権利行使を不可能とさせるため,あらかじめ管理していた旅券を利用して航空券を手配した上で,見張り役等が同行して技能実習生を空港まで連れて行き,帰国しなければ送出し機関に納めた保証金が返還されない等の脅迫的な文言や威力をもって,強制的に帰国させる事例をいう。
事例調査においても,技能実習生が不当な待遇に対し抗議し,また外部に保護を求めたところ,受入れ機関において技能実習生を本国に強制的に帰国させようとしたという強制帰国未遂事例が計9件報告されており,強制帰国事例が後を絶たないことが明らかとなった。
具体的には,前述の本人が強制貯金の送出し機関への送金を拒否したところ受入れ機関が本人を強制帰国させようとした事例(別表32番)のほか,JITCOに連絡したため強制帰国させられそうになった事例(別表72~73番とばしとば),「」(「し」については4(2)のとおり)を拒否したところ,
受入れ機関が強制帰国させようとした事例(別表127番),休日出勤を拒否したら受入れ機関が強制帰国させようとした事例(別表134番)等の強制帰国未遂事例のほか,前述した女性の技能実習生が強制帰国を恐れて受入れ機関の社長のセクハラに抵抗できない事例(別表136番)等が報告されている。
そもそも,強制帰国させられた者が事後に本国から日本の関連団体にその不当性を訴える機会は極めて少ないから,強制帰国が未遂に終わった事案の相談が9件報告されているということは,実際に帰国させられた者はそれ以上の件数が存すると考える方が自然である。

(5) 受入れ先を固定した在留資格であることから発生する問題に関する事例
相談事例の中には,受入れ機関の業績不振等によって雇用関係が解消された場合に,他の受入れ機関での実習継続ができず,技能実習期間満了を待たず,帰国せざるを得ない点を訴える者も多い(別表41番,60番,63番,93番,122番,150番,180番,197番等)。このように受入れ機関側に問題がある事例においても,技能実習生の受入れ先の変更ができない事例も多い。
技能実習制度に関する法務省入国管理局の指針では,受入れ機関において実習継続ができなくなった場合に限り,受入れ機関において他の実習先を探すと定められている。しかし,一般の労働市場において次の実習先を探すことはできず,結局,次の実習先が見つかるかどうかは一次受入れ機関の努力に委ねられてしまっているため,実際は次の受入先が簡単には見つからず,指針の定めは実効性に乏しいのが現実である。


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