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残業代ゼロ法案~ 社会全体の「ブラック化」

 成果がでるまで、いくら働いても残業をゼロにするというとんでもない法制度――無理難題をおしつけ、残業代も出さす、過労死を加速させ、役に立たないと解雇を迫る・・ 社会全体をブラック企業化するもの。これが「世界で一番企業が活動しやすい国」の姿。
 昨年9月のG20サミットの宣言は「質の高い雇用を通じた成長」を課題にかかげ、「生産的でより質の高い雇用を創出することは、強固で持続可能な均衡ある成長、貧困削減および社会的一体性の向上をめざす各国の政策の核である」と述べており、安定した雇用で経済の持続的な成長をめざす世界の流れから逆行している。
 「過労死防止法」にも逆行している。(安陪政権は、同法案をブラック化の煙幕として利用しようとしているのではないか・・・と勘ぐりたくなる) 
【労働時間規制の緩和/ 「過労死ない社会と逆行」 長時間労働に懸念も  共同4/23】
【残業代ゼロ案 際限なく働かせるのか 東京4/24】
【過労死防止法、今国会成立目指す 議連が自民案を大筋了承 共同4/23】

【労働時間規制の緩和/ 「過労死ない社会と逆行」 長時間労働に懸念も  共同4/23】

政府の産業競争力会議と経済財政諮問会議の合同会議では、一部の労働者の労働時間配分を個人の裁量に委ねる方針を示した。残業代などの規制がなくなり、長時間労働を強いられる人が増える懸念もあり、家族を働き過ぎで失った遺族は「私たちが願う過労死のない社会と逆行するのではないか」と指摘する。
 厚生労働省の調査では、2013年の正社員の年間労働時間は平均2018時間。長い間2千時間前後で推移し、減少していない。週60時間以上働く人は同年で474万人(全体の8・8%)に上り、特に30代男性に多い。業種では運輸業や建設業などが目立つ。
 合同会議は同時に「働き過ぎ防止に真剣に取り組むことが改革の前提となる」として長時間労働の抑制を強調。労働基準監督署による監督指導の徹底などを挙げた。だが厚労省が働きかけ、各企業の労使で議論もされてきたが、解消への道筋はいまだ見えていない。
 長時間労働は過労死や過労自殺の原因にもなっている。12年度、脳・心臓疾患で亡くなり、業務に起因するとして労災認定されたのは123人。うつ病などの精神疾患で過労自殺とされたのは未遂を含み93人に上った。労災申請に至らないケースも多いとみられる。
 過労死をめぐっては与党を含む超党派の国会議員連盟が、国の責務で防止対策を進めることを柱とした法制定への動きを進めている。「全国過労死を考える家族の会」代表の 寺西笑子 (てらにし・えみこ) さん(65)は「今国会で成立の見通しも立ってきたのに、逆行することになるのでは…」と心配する。
 安倍首相は第1次政権時にも、年収など一定の要件を満たせば労働時間規制を全く受けない形で働く「ホワイトカラー・エグゼンプション」の導入を目指したが、労働界などの反対で断念した経緯がある。当時も反対した寺西さんは「弱い立場の労働者がますます追い込まれる。過労死も『自己責任』になってしまうかもしれない」と懸念を示した。
 (共同通信)

【残業代ゼロ案 際限なく働かせるのか 東京4/24】

 安倍晋三首相の指示で検討が進む「残業代ゼロ」案は、サラリーマンの長時間労働を助長しかねないものだ。過労死や「心の病」を減らそうとする社会の流れに明らかに逆行する。看過できない。
 報酬につながらない残業を強い、成果が出るまで際限なく働かせる。そんな「ブラック企業」を助長するような労働法制の改悪案である。第一次安倍政権の二〇〇七年に世論の批判で導入を断念した経緯がある「ホワイトカラー・エグゼンプション」という成果報酬の仕組みを、対象を一般社員に拡大して実現しようというのだから驚きを禁じ得ない。
 安倍首相は政府の産業競争力会議と経済財政諮問会議の合同会議で「労働時間ではなく、成果で評価される新たな仕組みを検討してほしい」と指示した。つまりは企業にとって都合の良い成果主義の賃金体系を広める狙いといっていい。目玉政策が乏しい成長戦略の柱にする意向である。
 基本的な考えは、働く人が労働時間を自分で決める代わりに、残業代や深夜・休日勤務などの割増賃金をもらえなくする。労働基準法は労働時間を「一日八時間、週四十時間」と定め、それを超える場合は役員や管理職を除き、残業代の支払いを企業に義務付けているが、この規制を外すのである。
 成果さえ出せば短時間で仕事を切り上げられる可能性はある。しかし、厚生労働省が懸念を示すように、日本は使用者側である企業の立場が著しく強い。「成果」や「賃金」が企業のさじ加減で決まりかねず、結局は労働者が成果を求められ過剰労働や解雇など不利益を被るおそれがある。
 長時間労働が背景にある過労死や過労自死、うつ病などの「心の病」が社会問題化する中で、時代に逆行するものである。超党派の国会議員が「過労死等防止基本法案」を国会に提出しているが、その努力に反しはしないか。
 働き手を守る労働規制を緩める場合には、細心の議論があってしかるべきだ。しかし、安倍政権は労働法制をあしき「岩盤規制」とみなすなど大きな勘違いをしている。派遣労働の固定化につながる労働者派遣法の改正や、解雇しやすい正社員を増やすおそれがある「限定正社員」、不当解雇を正当化する「解雇の金銭解決」の検討など企業偏重ぶりは目に余る。
 働く人の権利も尊厳も無視して企業だけが利する。それは社会の「ブラック化」にほかならない。

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