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介護保険 こんな大改悪は許せない(メモ)

  林泰則・全日本民医連事務局次長 「議会と自治体」2014.4より、備忘録

◇「介護の社会化」の理念を完全放棄、「介護の自己責任化」の徹底

 見直しの目的 「制度の持続可能性の確保」 4つの切捨て

①予防給付の見直し(2015/4実施)~ 現行給付体制の大幅な改編
②特養機能の重点化(2015/4実施)~「行き場」を奪うもの
③一定以上の所得者の利用者負担の見直し(2015/8実施)~給付水準引下げの突破口
④資産要件などの追加による補足給付の見直し(2015/8実施)~「行き場」を奪うもの

~これらの改悪を、医療・介護に関係する10本を超える法「改正」を1本化し、2014年度関連予算と一体で提案。

【1. 予防給付の訪問介護・デイサービスを、市町村実施事業へ】

・要支援者の給付の6割を占める訪問介護、通所介護を市町村の事業に
・「新たな総合事業」を、市町村事業(地域支援事業)の一貫として創設
→「訪問型サービス」「通所型サービス」と、配食・見守りなど「生活支援サービス」で構成

①人員・運営などは大まかなガイドラインを作成。その範囲内で市町村が柔軟・効率的対応
②ボランティア・NPOの活用など非専門職によるサービス提供が可能
③訪問型・通所型サービスは、現在の予防給付の報酬以下の単価を市町村が独自に設定
④利用料金の下限は、要介護者の負担割合を下回らない
⑤利用者一人ひとりについて、予防給付と「新しい総合事業」の総額管理を実施する
(介護保険部会「意見」)

・市町村毎の「費用の効率化」
~予防給付と「新しい総合事業」に係る費用の自然増分(年5-6%)を、後期高齢者の伸び(年3-4%)以下に抑える/「効率化」の対象を、これらを含む「地域支援事業の総費用」

・マネジメントの問題/特定高齢者を対象に運用している「基本チェックリスト」をつかい、認定をうけざせず、総合事業に振り分けることを可能にする

■問題点

①サービス内容が、大きく縮小・後退

②その結果、在宅生活を困難にし、病状・要介護度の悪化、家族の介護負担の増加

③専門性の切捨て
ヘルパーの生活援助は、状態変化の早期発見と対処、リスク回避、認知症への対応、利用者との信頼関係づくりと相談援助など…一連の家事を通して生活を総合的に支える点に専門性がある。

④窓口で、振り分け可能…要支援認定の削減

⑤認定制度の矛盾の拡大
身体重視で、認知症や1人暮らしの高齢者が軽度に判断される傾向。要支援認定の利用者の切捨て拡大

⑥事業者への甚大な影響   収入減での事業存続の困難、職員処遇の低下

⑦市町村間格差の拡大   
財政力やボランティアなど社会資源の事業で、サービスに大きな格差

⑧政府の政策そのものに逆行
A 05年法「改正」による「予防重視」の方針の正面からの否定
 B 専門性の否定は、認知症の初期対応の重要性を掲げた「オレンジプラン」と相容れない
 C 在宅生活の継続が困難となれば「在宅で暮らし続ける」という「地域包括ケア」の理念に反する

⑨短期的にも「削減」されても、中長期的には、状態悪化、介護困難を増加させ社会的負担は増加

【2.特養の機能重点化】

・原則、要介護3以上。「やむを得ない事業」がある時は、特例的に1、2も認める
・現在の1,2の入居者 「介護困難」6割、「認知症、判断能力低下」2割
・事情の判断~市町村の関与のもと、施設毎の入所検討委員会で実施

■問題点

①重度と「やむを得ない事業」に絞り込むことで、「特養待機者切り」を狙ったもの~ そもそも特養が絶対的に不足しているのが問題を、糊塗しようとするもの

②1、2の「特例化」は、「最後のよりどころ」機能の縮小
 低所得者で入所できる施設は、特養しかない。サ高住は「一定の自立ができる人対象」「厚生年金受給者を対象」としたもの /24時間訪問サービスは、低報酬などで実施している市町村は1割
→ 行き場のない「漂流する高齢者」をいっそう増やすことになる

【3.利用料の引き上げ  被保険者の2割が対象】

・「一定以上の所得」は、利用料が2割に。160万円(単身、年金収入のみで280万円以上)
・そもそも、被保険者の2割、利用者の1割(40-50万人)を対象にすると設定したライン

■問題点  際限ない利用料引き上げに道

①平均利用料~要介護5以外(21000/37200)では、負担上限額の半分にも達していない
  実際は負担が倍になり、サービス利用がさらに抑制される(5も「現役並み所得」では上限44400円)

②「一定の所得」の範囲は、法律でなく政令
・対象の拡大、現役並み所得者の負担割合の引き上げなどが大臣の判断ひとつ
・「一体改革」では、「医療保険の窓口負担との整合性を確保」となっている。
医療保険と同様、1-3割負担への方向 / 高額介護サービス費に「現役並み所得」というカテゴリを組み込んだのは、その布石。

【4.補足給付要件見直し】

・補足給付~ 利用者負担段階の「第一段階~第三段階」に該当する施設入所者の居住費と食費(ホテルコスト)の負担軽減制度 /05年改悪で、ホテルコスト負担導入の際に、導入させたもの

・あらたな制限
①資産用件 単身1千万円、夫婦2千万円の預貯金がある
タンス預金も含め自己申告→不正申告の場合は「最大二倍の加算金が課せられる」(2/25 全国介護保険・高齢者保健福祉担当課長会議)
②配偶者の所得の勘案。世帯分離していても配偶者が市町村民税課税である
→ 今後、対象を拡大される危険も(例、同居家族)
③非課税年金の勘案。所得の範囲に、遺族年金、障害年金を含める

■問題点

①支給対象を制限することで、施設入所者を絞り込む
②「公平性の観点」というが、保険料を支払うことで給付が受けられる社会保険制度に資産要件(ミーンズテスト)の導入が妥当か疑問

【5.介護保険料の区分 低所得者の軽減は3区分に拡充】

・1-3段階の保険料に対する「25%減額」「50%減額」を、「30%減額」「50%減額」「70%減額」に。
・減額に必要な再現1300億円は、消費税増税分
(この減額分は、法改正して一般会計から繰り入れる/「3原則」を自ら否定、制度破綻の象徴)

【6.今後のさらなる見直しの動向】

 介護保険部会「意見」~「今後に向けて」

①「総報酬制の導入」 
2号被保険者の介護納付金について、総報酬額の大きい医療保険組合の負担増で、協会けんぽへの国庫支出を肩代わり/ 財界は反対。導入とあわせ、さらなる給付抑制・利用者負担増のきっかけに
②被保険者の範囲の拡大  「40才以上」の引下げ
③要介護認定制度の適切な運営 
 「一体改革」の数値目標 2025年度に、認定者を3%減らす /認定システム改変による切捨て促進
④ケアマネジメントの利用者負担
⑤「保険給付と給付外サービスの組み合わせのあり方」
~ 市場の拡大、「混合介護」の促進 
 経団連 保険給付の上限額の引下げを低減
財務省 要介護2以下を介護保険から切り離すことを繰り返し提言

【7.地域包括ケア】

・「自助」「互助」を基本に、「脱施設」・在宅偏重のシステム/ 給付費削減のシステム
・「地域包括ケアシステムの構築」では…「在宅医療と介護の連携」「認知症施策の推進」「地域包括支援センターの推進」など地域支援事業の課題としている/ が、必要な費用を、後期高齢者の伸び率以内に抑制することを打ち出しており、「羊頭狗肉」
・「2025年の医療・介護の将来像」では… 高度急性期病床を頂点に、在宅に裾野を大きく広げたピラミッド型の提供体制/ 下方ほど、公的保障が薄く、市場サービス、「自助」「互助」に
→ 国民会議「最終報告」 病床再編を「川上」、地域包括ケアを「川下」と表現。一体的な再編

【8.介護・医療一括法案】

・医療・介護に関係する10本を超える法「改正」を1本化して提案 
・審議時間を切り縮め、国民の批判封じ / 一括法案には、2014年度関連法案と、14年度予算には関係ない介護保険「改正」を一本化して、予算編成にあわせて一気に悪法を通すもの。

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