安倍首相 海外で語れない「集団的自衛権」
自国が攻撃されてないときに発動されるのが集団的自衛権。国内では、「友人が殴られているのを黙って見ていていいのか」という低レベル、情緒的な「説明」をしているが、肝心の「友人」が必要と言っていないし、説明も出来ない代物って何?
【国内で意欲の集団的自衛権 首相、海外では沈黙 核サミット・首脳会談 東京3/27】
【国内で意欲の集団的自衛権 首相、海外では沈黙 核サミット・首脳会談 東京3/27】≪集団的自衛権に関する安倍首相の強気発言≫
・必要なことは現実に即した具体的な行動論と法的基盤の整備だ(3/22、防衛大の卒業式で)
・(行使容認の解釈改憲は)閣議決定で初めて完全に確定する。(その後)国会で議論いたたく(2/20、衆院予算委)
・最高責任者は私だ。政府の答弁に責任を持って、その上で選挙で審判を受ける(2/12.衆院予算委で)
・(集団的自衛権を行使するため)自衛隊が動くには根拠法の改正が必要だ。将来、国会で議論いただくのは間違いない。
・わが国の安全保障に関する法的基盤を切れ目のないものとして、万全の態勢を構築することが大切だ(2.4、政府の有識者会議で)安倍晋三首相はオランダ・ハーグでの核安全保障サミットや日米韓首脳会談で、集団的自衛権を行使できるようにする憲法解釈の変更について語らなかった。国会などで連日のように解釈改憲への意欲を示している国内の姿勢と対照的だ。日本の集団的自衛権の行使容認は東アジアの緊張を高めるとして、海外からも懸念が示されているが、解消する努力をしなかった。 (ハーグで、後藤孝好)
「日米韓三カ国の首脳が一堂に会し、安全保障について幅広く議論することは非常に有意義で、実利にかなっている」
首相は二十五日の日米韓首脳会談でこう強調した。会談では、北朝鮮の核問題など北東アジアの安全保障分野を中心に意見交換し、三カ国の連携強化で一致したというが、中身のある議論とは言い難い。首相は、集団的自衛権の解釈改憲方針を説明せず、議論もされなかったからだ。
集団的自衛権の行使とは自国と密接な関係のある国が攻撃されたとき、自国が攻撃されていなくても反撃すること。北朝鮮有事を想定していることは首相自身も国会で認めている。その場合、「密接な関係のある国」は米韓両国となる。
それでも首相が説明しなかった背景には、米韓両国への不満や、海外で発信すると国際社会の批判が強まりかねないとの読みがある。
韓国は、自衛隊の海外での武力行使に道をひらく集団的自衛権行使容認について、過去の植民地支配の歴史から抵抗感が強い。韓国政府は「平和憲法(に基づく)政策を堅持し、歴史に起因する周辺国の疑念と憂慮を解消する方向で、透明に行われなければならない」(外務省報道官)とくぎを刺している。
米国にとっても、日本との同盟強化につながる行使容認は軍事的には歓迎すべき話だが、外交面では沖縄県・尖閣諸島の領有権をめぐり対立する中国をはじめ、周辺国との緊張関係を高め、東アジア地域の不安定要因となりかねないと懸念している。
首相は昨年、オバマ米大統領との二回の会談で、行使容認を検討していると説明。日米同盟の強化が目的だと強調したが、賛意は得られず、中国との対立激化を避けるよう促された。
海外メディアでも、行使容認を首相の靖国神社参拝や河野洋平官房長官談話の検証と重ね、日本の右傾化を懸念する論調が目立つ。
首相は日米韓首脳会談だけでなく、核安全保障サミットの全体会合や個別の首脳会談でも集団的自衛権には触れなかった。
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