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安倍「雇用改革」で労働者の賃金42兆円減 労働総研

「行き過ぎた雇用維持型」から「労働移動型」に旗をふる安倍政権。北欧の「移動型」は、分厚い失業保険など社会保障、職業訓練に支えられている。その下支えのない自公政権のもとでは、貧困と労働の質の劣化、その結果、日本社会の活力を奪うだけ。内部留保を活用し、最低6%の賃上げが必要(消費税による物価上昇、社会保険料アップで4-5%の負担増)

 労働総研の試算は、労働者の賃金42兆円減! GDPの9%。
・正社員の「限定正社員」化で、1人当たり賃金年間55万円減
・正社員の「無限定正社員」化で、1人当たり残業代平均166万円減
 (月60時間残業の支払分 37.1万円減、未払い残業分128.9万円)
・非正社員は、1人当たり年間賃金12.7万円減(今後10年を見通して)


【安倍「雇用改革」で労働者の賃金42兆円減 2014年2月 労働総研】

【内部留保の積み上げをやめ、大幅賃上げを――これ以上増やさないだけで9.4%の賃上げが可能――】

■安倍「雇用改革」で労働者の賃金42兆円減 2014年2月 労働総研

 安倍内閣は規制改革会議、産業競争力会議などを中心にして「雇用改革」を推進しようとしている。その目玉とされているのが、「正社員改革」であり、「派遣労働の大幅な規制緩和」である。労働総研は、この「雇用改革」が労働者にどのような影響を及ぼすのかについて、労働者の賃金がどうなるのかという視点から具体的に試算した。
 試算結果は、標記のとおり。試算の内容は、規制改革会議や産業競争力会議などで検討されている事柄にもとづいて、「正社員改革」に伴うケース――(1)「限定正社員」の導入による賃金減、(2)「無限定正社員」の導入による残業代減、(3)「無限定正社員」の選別・絞り込みによる賃金減の3つのケース、そして、もう1つの柱である「派遣労働の大幅規制緩和」にかかわっては、(4)非正規労働者の賃金減、(5)「限定正社員」リストラによる「派遣労働者」化の2つのケースについてそれぞれ試算した。その結果、賃金支払総額は42兆円も減少することが明らかになった(総括表)。

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2 試算にあたっての基本的考え方
 (1) 「正社員改革」については、規制改革会議雇用ワーキンググループの議論で、「無限定型の無期雇用も初期キャリアでは3割くらい」「中期キャリアでは限定型に移っていって、後期キャリアでは1割くらい」「限定型の無期雇用が大多数になる雇用社会」がイメージされていることをふまえるなど、現実に進んでいる議論を前提にして試算した。
 (2) 「派遣労働の大幅規制緩和」については、この間の非正規労働者の増大が非正規労働者の賃金水準をどのくらい押し下げてきたのか、また、派遣労働の規制緩和によって限定正社員が一定の割合でリストラされた場合にどうなるかという2つの視点から検討した。

3 結論
 試算結果は、労働者の賃金が42兆円も減少するというショッキングなものとなった。安倍首相は、アベノミクスによって経済の好循環が実現すれば、労働者の賃金も上昇するかのようにいっているが、アベノミクスにもとづく「雇用改革」が断行されれば、労働者の賃金は上昇するどころか大幅に低下することになる。それは経済の好循環をもたらすのではなく、これまで以上の悪循環をもたらすことになる。

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