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安倍「雇用改革」で労働者の賃金42兆円減 労働総研

日本だけがデフレという悪循環に陥ったのは「名目賃金の低下」「非正規の拡大」。「企業の利益剰余金は300 兆円を超える水準となる一方、賃金は低下した」姿は、資本主義経済にとって「正常とは言えない」(内閣府の「経済の好循環実現検討専門チーム」の中間まとめ)。

 この姿を、さらに悪化させるのが、限定正社員、裁量労働の拡大、派遣労働の恒久化など安倍「雇用改革」。

 労働総研の試算では42兆円の影響。GDPの一割近い縮小である。
*正社員の「限定正社員」化で、1人当たり賃金年間55万円減   /全体15.3兆円
*正社員の「無限定正社員」化で、1人当たり残業代平均166万円減/全体10.5兆円
 (月60時間残業の支払分 37.1万円減、未払い残業分128.9万円)
*非正社員は、1人当たり年間賃金12.7万円減(今後10年を見通して)/全体16.1兆円
【安倍「雇用改革」で労働者の賃金42兆円減 労働総研 2014/2】
【賃上げでデフレ脱却・生産性向上を 内閣府・専門チーム 2013/12】

【安倍「雇用改革」で労働者の賃金42兆円減 労働総研 2014/2】

 安倍内閣は規制改革会議、産業競争力会議などを中心にして「雇用改革」を推進しようとしている。その目玉とされているのが、「正社員改革」であり、「派遣労働の大幅な規制緩和」である。労働総研は、この「雇用改革」が労働者にどのような影響を及ぼすのかについて、労働者の賃金がどうなるのかという視点から具体的に試算した。
 試算結果は、標記のとおり。試算の内容は、規制改革会議や産業競争力会議などで検討されている事柄にもとづいて、「正社員改革」に伴うケース――(1)「限定正社員」の導入による賃金減、(2)「無限定正社員」の導入による残業代減、(3)「無限定正社員」の選別・絞り込みによる賃金減の3つのケース、そして、もう1つの柱である「派遣労働の大幅規制緩和」にかかわっては、(4)非正規労働者の賃金減、(5)「限定正社員」リストラによる「派遣労働者」化の2つのケースについてそれぞれ試算した。その結果、賃金支払総額は42兆円も減少することが明らかになった(総括表)。

 2 試算にあたっての基本的考え方
 (1) 「正社員改革」については、規制改革会議雇用ワーキンググループの議論で、「無限定型の無期雇用も初期キャリアでは3割くらい」「中期キャリアでは限定型に移っていって、後期キャリアでは1割くらい」「限定型の無期雇用が大多数になる雇用社会」がイメージされていることをふまえるなど、現実に進んでいる議論を前提にして試算した。
 (2) 「派遣労働の大幅規制緩和」については、この間の非正規労働者の増大が非正規労働者の賃金水準をどのくらい押し下げてきたのか、また、派遣労働の規制緩和によって限定正社員が一定の割合でリストラされた場合にどうなるかという2つの視点から検討した。

3 結論
 試算結果は、労働者の賃金が42兆円も減少するというショッキングなものとなった。安倍首相は、アベノミクスによって経済の好循環が実現すれば、労働者の賃金も上昇するかのようにいっているが、アベノミクスにもとづく「雇用改革」が断行されれば、労働者の賃金は上昇するどころか大幅に低下することになる。それは経済の好循環をもたらすのではなく、これまで以上の悪循環をもたらすことになる。

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