初代防衛大臣の告白「在日米軍は日本を守っていない」
久間章生・初代防衛大臣(第一次安倍内閣の防衛庁長官)の近著「安保戦略改造論」が注目を呼んでいる。
同書の中で「在日米軍は日本は守っていない」と断言しているからである。
これまで、アメリカ側の当事者からは同種の発言(ワインバーガー国防長官、チェイニ-国防長官)があっが、日本の当事者、しかも日米同盟は、05年の合意06年「ロードマップ」で、地球規模の同盟へと大きく変化する、その実行を担った防衛大臣の発言である。
また自衛隊の役割について「日米安保条約は日本の若者が米軍基地を守るために血を流す構造になっている」と指摘している。
以下、引用
「誤解を恐れずに言うと、在日米軍はもう日本を守っていないのだ。
最新鋭戦闘機で大展開している米軍の航空機だが、日本の防衛の任務についているのは一機もない」、「在日米軍基地は日本の防衛のためというより、『不安定の弧』といわれる中東から中国を含む東アジアにかけて展開する米軍のための最大拠点と見た方が正しい」
「いまや安保条約締結当初の日本防衛という役割は薄れ、新たに米国の世界戦略の拠点になっているのが在日米軍基地なのだ」、「在日米軍基地は米軍にとって都合のいい、使い勝手のいい基地なのだ。他にこんな基地を提供できる国は中東にもアジア地域にもどこにも存在しない。近年はとくに軍事技術の日米一体化で、米軍にとって自衛隊は戦略を練るうえでも欠かせない存在になっている」。
「日米安保条約は日本の若者が米軍基地を守るために血を流す構造になっていると言っても過言ではない」、「日本に多数ある在日米軍基地も、テロやゲリラから守っているのは陸上自衛隊なのである。世界で最大最強といわれ、東アフリカから極東まで広大な海洋に目を光らせる米七艦隊に港(横須賀)を提供し、乗務員を支えているのは日本であって、その艦隊の海上護衛をしているのは何を隠そう日本の海上自衛隊なのだ」
【ワインバーガー国防長官の証言】
「沖縄の海兵隊は、日本の防衛に当てられておらず、第七艦隊の即戦海兵隊として、第七艦隊の通常作戦区域である西太平洋、インド洋のいかなる場所にも配備される」
(1982年4月21日、米上院歳出委員会)
【チェイニ-国防長官の証言】
「米本土以外の空母戦闘群の母港は、世界で唯一、横須賀だけにあり、われわれにとって死活的である。空母を前進配備することで、われわれは、数千マイル短縮することができた。さらに、沖縄の海兵隊は、世界的な役割を果たす戦力投射部隊である」
(1991年7月31日、米下院予算委員会)
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